Death17
「シエル?」
『あ、あぁ──ごめん』
何見てたの? と言われて素直に寿命に関しての記事を見せる。
「あぁ──」
なんとも微妙な表情にナビがなってるが、その意味も分かる。
自分達も前線というか、攻略組と言われてる人達の中に混じっているのだ。
自然とその意味も気付いていた。
それに──。
掲示板を見てると妊婦の方が子供を産んだのも書いてあった。
魂の総量は成長に応じて増えているらしい。
多分、寿命と同じような設定なのだろう。
ある程度を境に総量は逆に萎んで行くのだろう。
神は言ってたものな──新たな命も生み出せるって。
こういうことなんだと気付いた。
そして、命のストックシステムもなるべく強い人が生き残れるような配慮なのだろう。
逆に何もしないでいると自然と総量が萎んでいき──消えるということだ。
なんという倫理観だ。
でも、今は感謝しよう。
ナビも命に関しては不安を感じていた。
自分だってそうだ。
けれども、前線に居る限りは絶対の安心と安全は無いのは分かる。
けれども、今は立ち止まったらダメだ。
休息エリアは遂に独占状態から恐怖政治に近くなってるとも聞く。
今はまだ──ナビと共に安全が取れるまでは走りきろう。
今は皮肉だけれども、この目が頼りだ。