Death146
「──あちらもやられたか」
対面したアークデーモンは自分達を睥倪しつつ、そう呟いていた。
「こちらも──か」
こちらというのは自分達の周囲だろう──。
最後のグレーターデーモンが粒子となって消えていた。
「まだ、終わる訳には行かぬ──」
目の前のアークデーモンがそう呟くと周囲の死の気配が一気に……いや、全体が包み込むように濃くなっていく──。
『全員──!! ガードを──!!』
咄嗟に風魔法を使いつつ、呼び掛けていた。
「全てを焼き尽くし滅ぼせ──!! インフェルノ──!!」
目の前のアークデーモンがエリア内に漂っていたマナを全てソースにして大技を発動させていた。
だが──!
自分の呼び掛けに咄嗟に皆が反応出来ていたのか──後陣ではムシュタルとシュン、バルを中心にバリアを展開させていて。
こちらもレイ──マリとリン、そして僕はナビと中心にバリアを展開させる事に成功していた。
その瞬間──一気に視界は暗くなり、大きな魔力が炸裂──いや崩壊していた。
視界が戻った時には周囲は元のインフェルノエリア……に似たダンジョンに変わっていて──死の気配が払われていた。
「あいつは──どこに」
「消えた……?」
リンとマリの声が響く──。
そこにはアークデーモンの気配が消えていた。
周囲もその結果に戸惑っているような雰囲気が流れてきていた。