Death13
すぐさま掲示板の方を確認する。
ナビは気付いて居なさそうだったけれども──神妙な顔でどうしてこんなに急いだのかとタイミングがある意味良かったのだろう。
質問をしてきたので、掲示板を見るように伝えてみた。
「えっ──」
驚いた顔でナビは止まっていた。
それはそうだろう。
内容は東京エリア内での虐殺やら暴徒化やら──きな臭い記事が上がっているのだから。
コメントには動画も丁寧に添付している人も居る。
「見えていたの──?」
うん──と頷く。
そっと、ナビは恐怖を紛らわせるように僕の手を掴んでくる。
そっと、和らげるようにその手を優しく包み込む。
「どうして──だって、同じ人で──皆仲良く……」
『タガが外れちゃったんだと思う。行き場の無い恐怖で──』
自分の発言に悲しそうにナビは顔を落とす。
世界の総量の減りは全体から見たら微細だが、その日を終えて明日の昼に掛けて、同じような事が世界各地で起こったのは掲示板であげられていた。
そして、そんな恐怖が過ぎて気付くのは世界の総量の減りだ。
新たな恐怖は恐怖を支配するもので、暴動は収まったが──人は皆、世界のエネルギーの総量へは敏感になっていくのだった。