Death128
「シエル? シエル──? 朝だよ──?」
「シエル?」
う……ん。
飲み過ぎた頭を何とか起こすと宿の一室でベッドの上で……。
──両隣からナビとレイが自分を見ていた。
「今──何時?」
うーん──11時?
っと、ナビから返事が帰ってくる。
普段は8時頃には目覚めて活動しているので珍しい位の寝坊だった。
「もう少し眠る?」
いや、起きるよ──。
レイの言葉に返しつつ身体を起こす。
お酒は──酔いのデバフはステータス上でも取れてるようだった。
とりあえず、寝ぼけた頭だったがスキルの確認に目を通すと──。
ドミニオンの恩恵か各種スキルのUPの恩恵やらが自然と発動しているようだった。
ふと、思い出しつつ──。
2人にドミニオンの加護の話をしつつ掲示板も見ていると──色々と予想はしていたが盛り上がっていた。
「ドミニオンの加護ねぇ……」
「珍しいのですか?」
話すこと自体、私は初めて見たかも──。
ナビの返事と同意見だったので頷く。
今まで全てのゲームに参加していたが話しかけてきた──そもそと話すモンスターなど初めてだった。
それ自体がこの世界の逸脱した環境を現しているだった。
『でも、デーモン系か──』
「やりづらそうだよね──」
「なぜ……?」
自分とナビも掲示板の情報を片手間で漁っていたのかデーモンに関しての感想が合っていた。
デーモン自体が初めてのレイは疑問符だったが、丁寧に説明することにする。
デーモン自体は天使よりやり辛いと言われてるのは単純にパワーや滑稽さも加わるからと書かれていたが──。
『魔眼とか呪いも使ってくるんだよ──』
そう、今まで3人で掛け合って来ているので僕含め、ナビとレイも耐性は上がっているが──無い人からしたら絶大なダメージだろう。
単純な魔法戦闘や空中戦や地上戦は終わって、そこに呪いや魔眼が加わるのがこれから先ということだろう。
早速、ダンジョンを見つけて挑んでいるプレイヤーが早くも居たが明らかに逃げ帰っているようだった。
「ねぇ、シエル? ここにも祝福はあるの?」
ナビの答えに曖昧に頷く。
曖昧になってしまうのは──それっぽいのは感じ取れるのだが今はその場所は生と死の気配が同じくらいになっていて判別がつかなかったからだ。
でも、多分──という気配は感じるとは伝えておく。
「他の所の人も来てるみたい──」
レイも情報を探っていたのか共有してくる。
そこには他のサーバーから合流してきた所が多数──いや、遂に全世界が繋がったのを喜ぶ人や不安になってる人の話題が繰り広げられていたのだった。
『とりあえず、もう少しだけ情報を得たら遅い朝食に行こうか?』
いや、既に昼食だろう。
けれども、自分の提案にナビとレイは頷いて同意してくれて──もう少しだけ寛いでから軽く着替えて身支度を済ませたら僕たちは宿屋に併設されている食堂で軽く朝食を取りに向かうのだった。