Death105
『ナビ! レイ──! 僕たちであいつを──倒す!!』
これが一番の最善手だった。
自分達の死の数値は50前後を行き来していた。
それは──状況次第では。
でも、どのみち闘わない未来は全て死の色で閉ざされていた。
やるしかない。
いつの間にか、大切な者が愛しくなっていて──失う事が怖くなってしまっていた。
それを感じ取ったのか、ナビとレイが両側からそっと手を重ねてくる。
────!
「空気の読めない天使って、天使とは言わないのよ!」
「天使の風上にも置けねぇですね!」
そんな自分達へ狙いを定めた天使達をヴァネッサ達が薙ぎ払う。
「大丈夫だよ、シエル? あたしはシエルから消えないから」
「私も──です」
『──ごめん、弱気になってた。行こう──ここを攻略するんだ!』
「Aaaaa────!!」
危険を感じ取ったのか大天使──アークエンジェルが魔法を唱え始める。
そして、自分達を狙うように天上から光の筋が──。
「させない──!」
「させません!」
ナビの雷魔法を込めた剣技とレイの血の結界が空を覆うと同時に2人の攻防と天上からの光の筋がかち当たる──!
シュィィィ──キィィィ──ン!!
それは一瞬の邂逅だったが、打ち消しあったのだろう。
そこには多少動揺した雰囲気を現したアークエンジェルとナビとレイの視線が再び邂逅していたのだった。