三十八日目 ラブレター
「直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!直哉!」
「竜二、うるさいっ!!連呼するな!」
「これを見ろ!」
「近くて見えないから!」
俺は竜二を引き離して竜二が持っていた物を手に取る。
茶封筒?
俺は茶封筒の裏を見る。
そこには、『矢口 真尋より』と書いていた。
矢口 真尋・・・誰?
「どうだ直哉!ラブレターだぞ!」
竜二がハイになってる。
ウザい。
ラブレター?
嫌、違うだろ。
これは・・・予告状だろ。
『明日、18時。天野竜二を殺す』
的な、
「あなたにラブレターなんて渡す訳無いわ」
奈穂さんが茶封筒を見る。
「・・・矢口・・真尋・・・・あの?」
「知ってるの?」
「ええ、私が知ってる真尋ならね」
奈穂さんって顔が広いんだなぁ。
「とにかく中を見てみない?」
(ビリビリッ)
奈穂さんが破っちゃいました。
さすが奈穂さん。
そんな事する人、奈穂さんぐらいだよ。
竜二はあまりのショックで呆然としていた。
「何々、突然の手紙で大変驚いた事ですよね。すみません。
直接お話した方が良いとは思いますが、目の前だと私はとても話せませんので手紙に書く事をお許し下さい。
私、矢口真尋はあなた、天野竜二くんに恋をしました。
出会いは修学旅行最終日で天野くんにナンパされた日です。覚えていますか?
私は天野くんに一目惚れしました。
天野くん、好きです。付き合って下さい。
矢口真尋から天野竜二くんへ
」
・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・・
「「ま、ま、マジかあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」」
俺といつから居たのか昇が全力で叫ぶ。
対する奈穂さんは冷静だった。
「遊びじゃないの?」
奈穂さん、それは酷いと思います。
「お前も知ってるだろ?真尋ちゃんの清純さを」
「・・・本人が書いたとは限らないわ。明日の18時に期待するといいわ」
「何で明日の18時?」
「さっきは言ってなかったけど・・・」
そう言って俺達に手紙を見せる。
竜二が手に取って見る。
「・・・・・・P.S・・・って何の略だっけ?プロモーションサツエイ?」
「違うよ!PostScript(追伸)だよ!!後ボケがイマイチ!そんな事はどうでも良いから追伸で何て書いてたの!?」
「えーと、P.S・・・明日の18時に会いに行きます・・・・よっしゃああああぁぁあああぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁぁ!!!!!!」
「「「うるさいっ!!!!!!!!」」」
竜二にラブレター・・・・ありえない。
もちろん今日も演劇の相手役やりました。
ハハッハッ・・・
演劇まで後二日。




