三日目 銃撃戦
「・・・・します」
「はい。以上で男子21人女子19人計40人皆さんの自己紹介は以上で終わりました」
入学式から二日後水曜日。ついさっき皆の自己紹介が終わった。武中先生が一息入れてから話しだす
「・・・では、まだ時間が余っていますのでそうですねぇ。ウ~ン、はい。では、外に出ましょう」
武中先生の言葉にクラスの一人が代表してしゃべる
「先生、外に出てどうするんですか?」
その言葉に武中先生は笑顔で返す
「もちろん、外で鬼ごっこをします」
〔・・・・・・・じゃあ、皆お疲れ〕
クラス全員が同時にカバンを持ち、同時に同じ言葉を発する。皆はぞろぞろと廊下に出て行く
「ごめんなさい。待って下さい。お願いします」
武中先生が土下座をして謝る
(先生プライドねぇ~)
生徒は皆同じことを思って自分の席に戻る。それを見た武中先生は(ふぅ)と一息ついてから生徒を見回す
「それじゃあ、改めて何をするか考えましょう。皆さんは何がいいですか?」
(・・・・・・・)
クラス全員黙り込む。武中先生はまた笑顔で
「いないようなので、じゃあ鬼ご・・・」
(ビシッ)
クラス全員一斉に手を挙げる
「・・そうですか、残念ですね。じゃあ川嶋 康太君どうぞ」
武中先生に名指しされた生徒川嶋 康太が立ち上がる。
「・・・じ、じゃあ殺し合いで」
〔・・・・・はい?〕
皆が声をハモらせて聞き返す。ただ、武中先生と出席番号1番2番の秋葉と上原を除いて
「いいですねぇ。それじゃあ殺し合いにしましょう」
武中先生が承諾するそれに続いて・・・
「いいわねそれ。乗ったわ」
「確かにこれほどいい遊びはねぇな」
秋葉・上原と続く
〔乗らなくていいし!いい遊びでも無いから!!あと先生あなたよく先生になれましたね!〕
三人以外の皆が全力でツッコミを入れる。それでもこの三人は止まらなかった
「では、倉庫に銃がありますので取りに行って来ます」
武中先生が廊下に出る
〔取りに行かなくていいから!それに何で学園に銃があるの!あと先生、俺達皆先生はもっといい人だと思ってました!!訂正します。先生は悪い人です。俺達の中で株大暴落です〕
クラス全員叫びだす。ただし二人を除いて
「フフッ私の中で智也の株が急上昇しているわ」
〔しないで下さい!あと先生を呼び捨て!?〕
秋葉に皆がツッコミを入れる
「さぁて、誰から殺そうかなぁ」
(ビクッ)
上原が口の周りを舐め回すのを見て全員ビビる
(どうしてこうなったんだろう。・・・そもそもこれは川嶋のせいだ!)
「ヒッ・・・み、皆さん一体どうしたのかな?どうして俺を見ているのかな?」
川嶋がビクビクしながら皆に尋ねる。クラスを代表して川嶋の隣の席の男子が尋ねる。
名前は確か平永 寛司だ
「なぁ、康太。何で数多い中で殺し合いを選択したんだ?」
康太と呼んでいるから平永と川嶋は仲がいいみたいだ。平永の問いに川嶋は答える
「今読んでる本が殺し合いの話しだから、とっさに出ちゃった。テヘッ」
〔テヘッじゃねえよ!!〕
「すいません。すいません。すいません」
クラス全員で叫ぶと川嶋が何度も謝る。
そして、今俺はベタな校舎裏にいる。本当に殺し合い(銃撃戦)が始まってしまったのだ
ルールは簡単です。最後まで生き残った人の勝ちです。この銃で撃たれた人がその時点であなたは負けです。あっもちろん死にはしませんよ。ケチャップ弾です。弾数は三発で、替え弾はありません。他人のやつで撃ってもダメです。撃たれた人が撃った弾は無効となります。先に撃たれたのがどっちとかはこちらが把握しているのでわからない人は先生に連絡して下さい。場所は学園全体です。チャイムがなったら終了です。すぐに教室に戻って来て下さい。では、今から三分後に開始です。では皆さんご無事を祈っています。ではスタート
これが武中先生が話した全貌だ。今は銃撃戦が開始してから5分が経った。後45分だ
「(・・・たくっ武中先生も最悪だな。たった三日でこんなになるとは・・先が思いやられるなぁ・・・ハァ・・)」
ため息をついていると目の前に人が来ている。あれは川嶋だ。俺は草影に隠れているからまだ見つかっていない。
「(・・・よしっ先手必勝だ)」
俺はそう呟いて草と草の間から銃を出して川嶋に銃口を向ける
(パンッ)
と銃で撃つと川嶋の服にケチャップ弾が付いた
「(ごめんな。川嶋。後で謝るから帰ってくれ。おまえがいると他の人にばれるからな)」
川嶋は何処から撃たれたのかわからないのでキョロキョロと辺りを見回す
「(・・・早く帰れやぁ!。川嶋。おまえは死んだんだ。大丈夫だ俺がおまえの分も生き延びてやるから)」
だが、俺の思いは届かず川嶋はまだ辺りを見回す
「・・・・・早く帰れやぁ!!」
俺は全力で叫んでしまった
「・・・しまった」
俺は川嶋を一発殴ってから場所を離れた
ただ今の弾数、二発
AKIHA SIDE
「さて、何処から攻めようかしら・・ん?」
私は何処から攻めるか悩んでいると私の後ろから人の気配がしたので振り返るとそこには1-Cの連中が二人いた。私は微笑を浮かべ彼らに・・突撃する。彼らは一瞬遅れて応戦する。私はそれをしゃがんで避けさらに脚を加速させて彼らの一人の懐に入るとその人を背負い投げで倒しもう一人には足で相手の銃を蹴り飛ばす。私は休む暇無く彼らの銃(一つは手に持っていて、もう一つは遠くに飛ばした)を取り一息付いた。
「・・・フゥ・・」
「おい、お前反則だぞ」
彼らの一人(蹴りで銃を取った方)が私に言い放つ
「心外ね。私は反則なんてして無いわ」
私がそういうと彼は
「おもいっきりしているだろ」
「何処が?」
私が質問をする
「何処?って、俺達に暴力をしたし、他人の銃を取ったらダメだって言ってたろ」
「暴力はダメだって言われて無いわ。あと銃は取ったらダメなんじゃなくて使うのがダメなだけよ。嘘を言わないでくれる」
私の言葉に彼はたじろぐ。私は踵を返して歩を進める
UEHARA SIDE
「ハハハハハハハハハハハハ・・・」
俺は校舎を笑いながら走り続ける。誰一人俺を撃ってこようとしない・・そう相手にされていないのだ。もうかれこれ広い校舎内を三週は回った。これほど寂しいことはあるか?いや、ない。今にも精神が壊れそうなので止めることも出来ない。
俺、上原昇は今も走り続ける
RYUUZI SIDE
「・・はぁ・・はぁ、はぁ・・はぁ」
俺は今理科室に居る。今理科室に居るのは俺を入れて五人。相手は皆チームを組んでいる。この状況では普通にやっては勝てない。皆(俺を含め)弾を一発は撃っている。
「(・・さて、この状況でどう切り抜けるか・・扉までは10メートル、俺と扉までの間には敵は三人か無理があるかもな・・・仕方ないな、ここは運に任せるか)」
俺は息を整えてから・・扉に向かって走る。まず一人目は腕を押さえて人壁にして相手の弾を各一発ずつ防ぎ人壁にしたやつを前に投げる。前にいた敵は俺が投げたやつを避ける為に俺からそいつへと視線を変える。俺はそのスキに前にいた二人を抜け最後の一人は銃で撃つ。そして俺は転がり俺が向かう扉の逆の扉の方にいる二人の弾を避け扉に走って行く。
「はぁ・・はぁ・はぁ・・・はぁ」
俺は全速力で校舎内を出て行って今は校舎裏にいる息を落ち着かせる。スッと俺の前に人が来る。そいつはあの川嶋と話していた平永だった。俺はすぐに平永に銃を向ける。平永は俺の前で手を挙げて「待て」と制止させる。俺は注意しながら平永に耳を貸す
「なぁ、あんた天野だろ?だったら俺と一対一で勝負しないか?」
「・・・いいぜ」
俺は平永から1メートルの所まで行き後ろを向く
「・・・じゃあ三歩進んだら開始だいいか?」
「・・・ああ」
俺は平永の声で動く
「・・・1・・・2・・3!!」
俺は平永の合図で横に飛び体を捻って銃を構える。対する平永も俺と同じことをしている。二人は同時に引き金を弾く・・・・・二人の弾はぶつかり合って何も無い所で落ちる。
(・・・・・・・)
最初に声を出したのは平永だった
「・・・・俺の負けか。・・撃てよお前の勝ちだ。俺はもう弾は無いからな」
平永が地べたに座り込む
「残念だがそれは出来ない。俺も弾が無いからな」
俺は近くの壁に寄り掛かる
HORIKAWA SIDE
「・・・・動かないで」
「は、はいぃ」
私が岡崎結城の後頭部に銃口を突き付けると岡崎結城が怖がりながら手を挙げて動かない。私はそれを見て・・・
「・・・・・・」
(パンッ)
撃った。
岡崎結城が(パタッ)と倒れる
「・・・・任務、完了」
私は岡崎結城を引きずりながら道を進んで行く
NAOYA SIDE
もうあれから35分経過して後10分という時だった。放送が聞こえる
「・・聞こえますか?1-Cの皆さん。先生の思った通り何人か残りそうなので先生を捕まえた人の勝ちとなります。あと生き残っているクラスの人は五人となります。あっ、言っときますけど先生を撃っても終わりではありません。ただ、10秒間止まるだけですのでご了承下さい。最初に先生に触れた人の勝ちとします。では、始めます・・」
放送が終わる
「面倒なことになったな」
直哉は嘆息してから歩を進める
「待てぇ。この野郎」
「そんな恐い顔をして追いかけられたら止まりたくても止まれません」
鬼のような顔で武中先生を追いかけるのは上原
「頑張ってるな、そのまま武中先生を追い詰めてくれ」
俺は回り込むように移動する。
その行動が読まれたかのように俺の目の前に秋葉さんがいる。俺に銃を向けている。
「しまっ・・」
(パンッ)
銃声が聞こえ俺の胸にケチャップがつく
「(・・終わったな・・結構楽しめたな・・あっ川嶋の分も生きるって言ってたけどお前の何倍も生きたからもういいよな)」
AKIHA SIDE
「(・・・・ふぅ。まず一人死んで私を入れて後四人ね。そのうちの一人はまだ来ていない今いるのは私の後ろの席にいる上原という人とあれは誰かしら?此処まで来れたということはそれなりに力はあるということなんだけど)」
私は上原じゃなくて女(堀川)の方を見ながら考える
「(・・・・まあ、いいわ。先に殺したらいいだけだから)」
私はその女(堀川)に銃を向けて引き金を弾く
(パンッ)
(スイッ)
しかし私が狙った女(堀川)は体を翻してケチャップ弾を避ける
「(・・・フッ・・なるほどね。相手にするだけ無駄って訳ね)」
私は智也(先生)の方に走り始める
「(私の残り弾数はあと一発のみ・・さて何処で使おうかしら)」
UEHARA SIDE
「待てこらぁ!!あんたのせいで俺省られたんだよぉ!!」
「知りませんよ。先生のせいじゃありません」
「待てこらぁ!!!」
上原はまだ先生を追いかけている。
HORIKAWA SIDE
「・・・・・・・」
私は歩を進めて武中智也に向かう
「・・・・捕まえた」
(ガシッ)
私は武中智也を捕まえた。
「「「えっ!?」」」
私以外の武中智也、上原昇、秋葉奈穂が驚く
「・・・・・これで任務完了」
終わり。
後一人はもちろん竜二ではありません。クラスの一人です。
また来ましたBJです。この話を読んで下さってありがとうございます。
誤字訂正、脱字訂正、感想、評価等をくれるとうれしいです
秋葉「・・・ねぇ、あなた一体何者?最後尋常な動きだったわ。軽く100メートルはあったのだけど」
堀川「・・・・・・」
秋葉「・・・そう、だんまりを貫くのね・・・まあいいわ。だいたいの予想はついてるから」
直哉「えっ!?何か予想ついてるの?一体何?」
堀川「・・・・・ ・」
秋葉「そんなに睨まなくてもいいわ。どうせ何も言わないから」
堀川「・・・・そう」
直哉「えぇっ!?教えてくれないの?」
秋葉「聞かれたら何でも答えなきゃいけないの?」
直哉「いえっそんなことは・・・あっ、そ、そうだ竜二お前は誰にやられたんだ?」
竜二「ああ、俺は残党狩りのやつらにやられた」
直哉「えっ残党狩り?」
竜二「ああ」
直哉「・・・・・・・」
竜二「・・・・・・・」
直哉「・・・・そ、それではまた次のお話でお会いしましょう」




