二十七日目 友達
今日は五月一日。
五月の初めという事で・・・・・・・何もありませんでした。
雨です。
「♪~―――~♪」
ちづ姉が何かを歌っています。
「何を歌っているんですか?」
「ん?奥華〇さんの歌だよ。雨関係で結構泣けるんだよ。聴く?」
「ちづ姉が歌うの?」
「・・・・お姉ちゃんの声で聞きたい?」
「それは御勘弁を」
「最近手が何かを殴りたいって叫んでいるんだけど・・・どうしよっか?」
「すいませんでした」
「分かればよろしい」
お母さん・お父さん、俺は暴力に屈しました。
「それで聴く?CDあるけど・・・」
「・・・・・そうですね。暇ですし」
TIZURU SIDE
・・・・・・・・・・・・・
どうしよ・・暇です。
直くんは歌聴いているし・・・・・・・・・・・・・・・・
友達の家に行こう。
約束してたしね。
直くんは今歌聴いているから手紙書いとかないと・・・・・
私は『友達の家に行って来ます。遅くなるかもしれないから何か買って来て食べていて下さい』と置き手紙に書いてお金は千円札を置いて家を出る。
「じゃあ、行って来まーす」
(ピンポーン)
『・・・はい』
「すいません。西谷ですけど彩花さんいらっしゃいますか?」
『少々お待ち下さい』
「はい」
・・・・・・・・・・・・・
『・・・もしもし、千鶴?』
「はい」
『予定より早くない?』
「・・・実は直くんに追い出されたんです」
『そ、そうか』
「はい」
嘘ですけどね・・・
『まあ、入りなよ』
「では、お邪魔します」
私は彩花さんの家に入って彩花さんのお母様に挨拶してから二階に上がった。
「お邪魔します」
彩花さんの部屋の扉を開ける。
「邪魔するんやったら帰って」
「分かりました」
私は帰ろうと踵を返す。
「待ってぇ~ごめん私が悪かったぁ~」
「そうですか」
私は部屋の中に入る。
彩花さんのフルネームは前田 彩花。
肩まで無い短髪で少し金色がかった髪色。
母親は日本人、父親は外国人のハーフ。
エメラルドの瞳をしていた。
前田だから母親の姓を名乗っているんです。
父親と別れたからと思います。
他に特徴といえば・・・・・胸ですね。
言いたくありませんけどね!
神様は不公平です!
彩花さんはベットに腰掛けて私は座布団の上に座る。
「・・・・・・なあ、千鶴」
「はい」
私は彩花さんに呼ばれたので返事をする。
「・・・どうして千鶴って彼氏作らないの?」
そんなの決まっている。
「直くんがいるからですよ」
「その人が千鶴の彼氏作るのを邪魔してるの?」
私は首を横に振る。
「違うよ」
「じゃあ何でその人がいたら彼氏を作らないの?そろそろ身を固めないと後が大変になるよ?」
「分かってます」
「じゃあどうして?」
私は手に力を入れる。
「・・・・・ごめんなさい。今は答えられないです」
「・・・・それは私と千鶴の仲では話せないという事?」
私は首を横に振る。
「・・・・・・・・最初は直くんに言わなくてはいけないからだよ」
「・・・・そっか・・・・・じゃあ、シリアス的な雰囲気はここまでで飲もう!」
彩花さんがコップを高く持ち上げる。
「そんなお酒を飲む勢いで言われても・・・」
「じゃんじゃん酒持って来ーい!」
「私達未成年ですから駄目です!」
「そんなんだから残念な体なんだよ」
「なっ!?か、関係ありませんよ!」
「説得力無いなぁ~」
「何か眼が親父ですよ!彩花さん」
「そりゃあ!」
彩花さんが飛び込んで来ました。
「い、いやああああぁぁぁぁぁぁ!!!」
NAOYA SIDE
「ただ~いま~」
ちづ姉の声がして俺は声がした方・・・玄関に向かう。
玄関に着くとちづ姉が床に寝転んでいた。
「・・・ちづ姉。何し・・・って酒臭っ!ちづ姉酒飲んだの!?」
ちづ姉がアホ顔で俺を見るだけで何も答えない。
「・・・・ほら、寝るんなら自分の部屋に行って寝て下さい」
ちづ姉からの返事はない。
「・・・・はぁ」
俺が部屋まで運びました。
明日が楽しみだ。