十四日目 図書館
俺は今図書館に来ていた。
何故か?・・フッ、決まっている。暇だからだ。
俺は適当に選んだ本を取ろうと手を出した時に、
誰かと手がぶつかってしまった!
的なドキドキな展開は虚しくも無く。ちょっと期待した自分が恥ずかしい。
(//△//)
俺は本を持って座ろうとすると、
誰かの上に座ってしまった!
的な展開も無く。
「俺飢えてんのかな?」
しまった。つい呟いてしまった。
「えっ!?」
違うぞ。今のは俺じゃない。
俺が聞こえた方つまり上を向くと、
そこには美少女が・・・・いなかった。見た目、二十代後半のおばさんでした。
「俺泣いて良いですか?」
「良いよ」
おばさんが俺を抱きしめてくれた。
お、おばさーーーーーーん!!
俺はおばさんの腕の中でしくしくと・・・泣くかっ!
俺はおばさんと離れた。
あれ?俺このおばさんの事知っている様な・・
「あの、何処かでお会いしましたか?」
「えっ!?ナンパ?」
「いや、違っ・・・」
俺が否定しようとしたのをおばさんに遮れる。
「冗談よ。あなた桜林学園の生徒でしょ?私は桜林学園の先生をしていて1-Bの担任なの。分かる?」
「はい」
一年生歓迎集会の時に先生達が集まっている所に居た気がする。どうでもよかったからあまり覚えていない。
「でもどうして俺が生徒だと分かったんですか?」
「それはもちろん」
「もちろん?」
「女の勘よ」
あ~うん。この人には関わらない方が良いな
俺は心の中で決めた。
おばさんと別れて(案外簡単に別れた)本を読み終わった頃。
俺は帰ろうと立ち上がる。
「あの、すい、ま、せん」
俺は前の方から途切れ途切れに話し掛けられた。
・・もう期待しないからな・・
俺が前を向いた・・・美・美少女じゃねえぇぇぇぇぇぇ!
っていうのは嘘で、いや嘘じゃないかもしれない。
俺の目の前には前髪で顔が見えない美少女?が立っている。
髪は黒で肩まで無い短髪。顔は前髪で見えない程長い。別に髪で顔が埋まっている訳ではなく目が見えない所まで長いだけだ。
「・・あの~」
ハッ!説明するのに集中してしまった。
「すいません。なんですか?」
「あの、その本、を」
「これ?」
俺はさっきまで読んでいた本を彼女に見せる。
彼女は俯いたまま頷く。
「はい。その本、を貸して、頂け、ます、か?」
「良いですよ。俺はもう読みましたし」
俺はその本を差し出した。
本を渡した後。
俺は図書館をあとにした。
あの子の命名途切れ少女。
理由。
途切れ途切れに話すから。