十三日目 電話
今日は土曜日。
何か予定が有る訳ではないのでベットに横になっている。
不意に携帯が鳴り響く。
「・・もしもし」
『あ、直哉今日遊ば・・』
(ピッ)
(・・プーップーップーッ)
「あれ?今誰かから電話がきてたような・・ま、いっか」
俺が居間に向かおうとベットから起き上がると携帯が鳴った。
「・・・もしもし」
『直哉!何で切るんだ!』
あっ、そっかぁ。さっき竜二から電話がきてたんでした。
じゃあもう一回切っても・・・
『言っとくけどまた切ったら呪うからな!』
「・・チッ」
『舌打ちすんな!』
「チッ」
『またか!!』
「竜二・・ウザい」
『いきなりか!あと何が!?』
「生きてる事が」
『俺の存在自体害!?』
「当たり前じゃん」
『なにぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃぃ!!!』
「うるさい。電話で叫ぶなよ」
『あ、わりぃ・・っておまえのせいだろ!』
「それで何?」
『ああ、今から遊ばね?』
「遊ばね」
『なんで?』
「・・・・・・・」
『直哉?』
「なんで理由を聞くんだよ。別に良いじゃん。遊ばないのは遊ばないんだから」
『でもおまえ今暇だろ?』
「・・・・否定したい」
『つまり暇だって事だ』
「暇じゃないやい」
(ガシャン!)
「何?・・悪い竜二あとでかけ直す」
『ああ分かった』
俺は竜二の電話を切って音が聞こえた方へ行く。
音が鳴った所はちづ姉の部屋だ。
俺はドアをノックする。
・・・・・・・・・
返事がこない。
俺は部屋の扉を開ける。
ちづ姉は居ない。
「ちづ姉?」
俺は辺りを見回したがやはりちづ姉は居ない。
「直くん?何でお姉ちゃんの部屋に居るの?」
後ろから声がして俺が振り返るとそこにはちづ姉がいた。
「あっ、いや変な音がしたから」
「気になって見に来てくれたの?」
「まあ、はい」
「直くん。ありがとう~・・ヒシッ」
ちづ姉が擬音語を口にしてしがみついて来た。
「離れて下さい。それで一体何があったんですか?」
「皿が割・れ・たぁ~」
「なんでですか?」
「手からツルッとツルッとね」
「滑り落ちたんですね?」
ちづ姉が頷く。
「これですか?」
俺が割れている皿であろう物体を指差す。
ちづ姉は頷いて返した。
「それで掃除機なんですね?」
俺がちづ姉が持っている掃除機を指差す。
ちづ姉はまた頷き返す。
「手伝いますよ」
「ありがとう。直くん」
「これで全部ですか?」
「うん。ありがとう。直くん。・・・あっ、紅茶入れるね?待ってて」
ちづ姉はそれだけ伝えて部屋を出る。
俺は居間に向かう。
「・・それでどうして部屋に皿を?」
何かを乗せていた訳ではない。
俺はちづ姉が入れてくれた紅茶を口に入れながら尋ねる。
「うん。ちょっと部屋に昨日の夜に持っていってた皿を片付け様としたらバリンッと割っちゃった」
「昨日の夜?」
「うん。予習とか復習で小腹が空いちゃって少し食べました。ごめんなさい」
「なんで謝るんですか?」
「太ったお姉ちゃんは嫌いでしょ?」
「嫌いじゃないですよ」
俺はちづ姉に微笑みかけた。
あっ、竜二に電話するの忘れてた!
・・・まっいっか