ナカシマ打てよ!!!!!
はやいもので、今年のプロ野球のレギュラーシーズンも終わりを告げました。自分が応援していた日本ハムは残念ながら最下位でした。ただ一方で松本剛が首位打者を獲得したり、全国的にきつねダンスが話題になるなど、明るいニュースが多かったことは大変喜ばしい事でした。
そんなニュースの多い日ハムですが、注意すべきニュースが1つあります。それは本拠地移転に関してです。日ハムは今年度をもって本拠地を札幌ドームから、北広島市のエスコンフィールドに移転します。地下鉄福住駅からのアクセスが良く、札幌ドームにたくさん通った自分からすると、エスコンフィールドに本拠地が移るのは少し、寂しい気持ちがあります。ですがサウナ施設やグランピング施設など、野球観戦以外で楽しむことができるエスコンフィールドには期待があり、楽しみでもあります。
今回はたくさんの思い出がある札幌ドームに関して、エスコンフィールドに本拠地が移転する前に、ふと思い出したことについて話していこうと思います。
皆さんは中島卓也選手をご存じでしょうか。中島選手は主にショートのポジションを務める守備と走塁に特に秀でた名選手です。また粘り強いバッティングも持ち味で、ボールを当て続け、なかなかアウトにならないのは凄技と言わざるを得ません。
私が中学生の頃、その中島選手がレギュラーとして活躍していました。確かそのころは現巨人の中田翔や前侍ジャパン監督の稲葉篤紀もまだ日本ハムにいた頃だったと思います。私は日ハムの勝利の為、レフトスタンドで大声を出しながら、チキチキバンバンやジンギスカンを一生懸命に歌って応援していました。
ある札幌ドームでの試合日のことです。日ハム側の攻撃で、自分がレフトスタンドに座って応援していたとき、中島選手に打席が回ってきました。
「かっとばせー、ナカシマ!」
と声を出した後、センター方向から何やら声が聞こえてきました。何だろうかと思い、もういちど自分を含めたファンが
「かっとばせー、ナカシマ!」
というと、またセンター方向から聞こえてきました。すると聞こえてきたのは男性の大きな声で、
「ナカシマ、打てよーーーーーーー!!!!」
この言葉だったのです。私はびっくりしました。ファンみんなで合わせて「かっとばせー ナカシマ」というのではなく、一人で大声を出して札幌ドームいっぱいに響かせたのは正直言ってすごいなと思いました。
その後中島選手の打席が終わり、別の選手(確か陽岱鋼)に打席が回ってきました。「陽岱鋼にも、さっきのような大声で応援するのかな?」そう心の中で思っていた私は、
「かっとばせー、陽岱鋼!」といった後、センター方向を向きました。ただ
「シー―――ン」
センターからは何も聞こえてきませんでした。また次の打者のときも
「シー―――ン」
結局中島選手のときしか、応援することはありませんでした。
「ナカシマの時しか応援しねえのかよ!!!」
そう心の中で一人つっこんでいた自分だったのでした。よほど中島選手のことが好きなんだと思いました。私は中島選手だけ応援していた男性を「ナカシマおじさん」と勝手に名付けていました。私にとってはこれが札幌ドームでのユニークな思い出の1つです。
私も最近所用で忙しくなり、野球観戦もままならない日々が続きます。いつかはエスコンフィールドに行って、ナカシマおじさんの「ナカシマ打てよーーーーー!!!!」が聞けたらいいなと思う、今日この頃です。