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両片想いでラブコメで!~想い人一筋なのに、隣人の金髪碧眼美少女がやたらとちょっかいかけてくるんだが?~  作者: 咲来青
第3章

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第19話 結太、桃花に〝プレゼント予告〟される

 桃花に『今日の記念に、プレゼントしてもいいですか?』と訊ねられ、とっさに返事ができなかった結太だが。


 ――いや。

 返事出来なかったと言うより、告げられた内容が、すぐには信じられなかったのだ。



 ()()()

 ()()()()()()()()()()()()



 いつものネガティブ思考が邪魔をして、桃花の言葉が、すんなりとは入って来ず……。

 だからこそ、しばらく脳内で、桃花の台詞を反芻(はんすう)していた。



「あ……あの……。ご、ごめんなさい。急に、変なこと言って……。や、やっぱり、メーワク……ですよね」


 結太が黙り込んでしまったので、マイナスの意味に捉えてしまったのだろう。桃花の声は、涙混じりになっていた。

 恥じ入るように、再び深くうつむいてしまった桃花に気付くと、結太はようやく覚醒(かくせい)し、


「そっ、そんなっ! め、メーワクなんかじゃ――っ! ぜ、全然ッ!! 全然全然ッ、メーワクなんかじゃねーってッ!!」


 焦ってブルブルブルブルと、しつこいくらいに首を振る。

 桃花は少しずつ顔を上げ、潤んだ瞳で、じっと結太を見上げた。


「ほ……ホント、に……? メーワクじゃ……ない……?」

「うんッ!! ホントにメーワクじゃねー!!――むしろ、すっげー嬉しいっ!!」


 コクコクコクと、今度はしつこいくらいにうなずいてから、結太は満面の笑みを浮かべた。

 その顔を見て、桃花もホッと出来たのだろう。口元をほころばせると、『よかった』とつぶやいた。


「……あのね? 今日、すごく楽しかったから、このこと、ずっと忘れたくないなって思って。記念に何か作っておけば、それを見るたびに、この日のこと思い出して……また、幸せな気分になれるでしょう? だから、あの……。あ、厚かましいかなって、思ったりもしたんだけど……。楽しいって感じてるのは、わたしだけかもしれないのに。楠木くんには、迷惑なだけかもって、思ったんだけど……。でも、どーしても……二人で集めた貝殻とシーグラスで、何か、記念になるもの作って……楠木くんにプレゼントしたいなって、思っちゃったの」


 恥ずかしそうに顔を伏せたまま、桃花は、自分の気持ちをわかってもらえるよう、懸命に語った。

 結太は、うつむいた桃花の頭頂部を、ぼうっとした顔つきで見つめ、



(オレ、今日……こんな幸せでいーのかな……? もしかして、オレ……明日、死ぬ運命……だったり?)



 などという、『いくらなんでも、大袈裟過ぎるだろッ!』とツッコミを入れたくなるようなことを考えていた。

 しかし、徐々(じょじょ)に頭が冴えて来ると、



(――いや、だってさ! だって、伊吹さんがこのオレに、『プレゼント』くれるって言ってんだぜ!? しかも、プレゼントしたい理由っつーのが、『すごく楽しかったから』と、『ずっと忘れたくない』――なんだぜ!? 前にも一度、クッキーをプレゼントしてくれたことあったけど、あれはオレだけってワケじゃなかったし、ずっと取って置けるもんでもなかった。……けど、今度は()()()()に、()()()()()()()()()もんを、プレゼントしてくれるって言ってんだぜ!? それって何か、〝特別〟じゃね!? すっげー〝特別〟って感じしねー!?……するよな? ぜってーするって!! フツー、いくら楽しかったからって、わざわざ何か作ってプレゼントしてー……なんて思うもんか!? 思わねーよな!? 何とも思ってねー相手に、そんなメンドクセーこと、わざわざしたりしねーよな!?……ってことは……。もっ、もしかしてもしかすると、伊吹さんもオレのこと――っ?」



 思い掛けない幸せの予感に、結太は胸を(おど)らせた。


 いつもであれば、特別な好意らしきものを感じることがあっても、『自惚(うぬぼ)れちゃダメだ』『どーせ勘違いに決まってる』と、すぐさま打ち消しているところだが。


 わざわざ()()()()()を――しかも、()()()()()()()をプレゼントしたいと、桃花が思ってくれていることが、『こりゃー今度こそ、勘違いじゃないんじゃ……?』という期待を、結太に抱かせたのだ。



(……とするとこれは、チャンスじゃねーのか? 告白する絶好のチャンス、ってもんじゃねーのかっ!?……そりゃ、欲言っちまえば、もー少しムードのある場所で――夕暮れ時とか、降るような星空の下で――とか、ロマンチックな雰囲気の中でしたかったけど……。でもっ、このチャンスを逃す手はねーんじゃねーか!? ここで告っちまった方が、すんなり成功すんじゃあ……?)



 ゴクリと唾を飲み込むと、結太は表情を引き締め、まっすぐに桃花を見つめた。

 思い切って告白してしまおうと、口を開き掛けたのだが。


「ゆぅううーーーたぁあああーーーッ!! 結太結太結太結太ぁあああーーーーーッ!!」


 いったいどこから現れたのか。

 突如(とつじょ)として、水着姿のイーリスが、大声で結太の名を連呼しながら、波打ち(ぎわ)を駆けて来るのが目に入った。


「へっ?――い、イーリスっ!?」


 ギョッとして固まる結太目掛けて、イーリスは思いきり砂浜を蹴ると、


「わぁあーーーんっ!! ゆーーーたぁああああーーーーーッ!!」


 今にも泣き出しそうな顔をして、飛び掛かるかのような勢いで抱きついて来た。

毎度のお騒がせ少女イーリスに、良い雰囲気をぶち壊されてしまった結太。

どうやら彼女にも、一大事件が起きてしまったようで……?


――と、ここまでが第3章となります。

お読みくださり、ありがとうございました!


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