妹フラ
久しぶり、和人君
目を覚ます。ここは病院・・・ではなく俺の部屋だ。
窓から夕日が差し込む。帰ってきた時は昼前だった。昼寝にしては長いな。
お腹がすいたので起きようとすると、ドッと疲れがきた。寝過ぎのとは違う何か。ま、考えても仕方ない。
「あ、お兄ちゃん!起きたんだ!」
「ああ、今さっき起きたところでな。ちょっと早めの晩御飯を食べようかと」
ドアを開けると丁度、小乃詠ちゃんとバッタリ。ぴょこぴょこ跳ねて喜んでいる。小動物のようだ。今夜はたべちゃおうかな。
昼前に見せた表情はもうない。あれは、気のせいだったかのかな。というより、胸がすごい。ボインボインですよ。あぁ、ここが俺の求めていたエデンだったのか。
そんな俺の視線を感じたのか、小乃詠ちゃんはニヤニヤする。ヤベェ、気づかれたか?
「じゃあ、私が作ってあげるね。出来たら呼ぶから」
こんな美少女の手作り料理を食べられるなんて、幸せものだな。
「ありがとう、小乃詠ちゃん。俺は自分の部屋にいるから。楽しみにしてるよ」
「さて、どうしたものか・・・」
さっきは気づかなかったが、俺の部屋は大変なことになっている。主にベットの上が。
シーツの上には、白濁液でドロドロに。そしていくつものシミが。
でもそんなことは些細なこと。問題は、例のゴムがタオルケットからこんにちは。
俺は悔しいことに持ってない。そしてどこか既視感のあるモノ。
考えたくはないが小乃詠ちゃん・・・のモノでいいだろうか。では、何故俺の部屋にあるのだろうか。考えられるのは、小乃詠ちゃんの部屋にはエアコンがないから、こっちの部屋を使った・・・ぐらいか。最近は暑いしね。
というよりさぁ。うわぁ、まじか。処女じゃねぇのか。もしかしたら俺にもチャンスが、と思ったけどもういいや。やっぱ初めては、お互い初心者がいいよね。『こっちの穴じゃないよ』とか言って、少しずつお互いのペースを探り合うような、そんな初々しいシチュエーション。
でもそっかぁ。小乃詠ちゃんは、可愛いもんね。デカイもんね。そりゃ彼氏の一人や二人いてもおかしくないよね。
っと。そんな妄想する場合ではない。早くコレを処理しなくては。でもどうすればいいだろうか。捨てればいいだろうか。クソッ!ここにきて童貞の弊害がっ!
それとも、小乃詠ちゃんに持っていけばいいだろうか。はい忘れ物だよ^^とか言って。小乃詠ちゃんの引きつった顔が思い浮かぶ。
取り敢えず後回しだ。シーツとタオルケットは洗濯機に入れるとして、枕はどうするか。カバーは洗って、明日が晴れだったら干すか。
ガチャリ。
「お兄ちゃん!ご飯が・・・出来た、よ」
あ、小乃詠ちゃんが思いっきりアレを見ちゃってるよ。凝視しちゃってるよ。
目がクワッと開き、一気に無表情に。怖いよ。
「あぁ、わかった。あー、そのー、アレ、お願いね」
言っちゃったよ!やっちゃったよ!もっとオブラートを包むことは出来なかったのかっ!?
でも俺は悪くないもん。彼氏さんがしっかりしないのが悪いもん。
そして俺は、逃げるように階段を降り食卓へ。
テーブルの上には、鰻の蒲焼とカキフライ。どういう組み合わせですか?
△▽△▽△▽
美味かった。それはもう、明梨のと同じくらいに。って最近は全然見てないな。明日は学校だし朝に迎えに行くか。
そんなことを考え階段を登る。
「ごめんね、お兄ちゃん」
「うへっ!?あ、ああ小乃詠ちゃんか」
角待ちはダメだよ、小乃詠ちゃん。
「私、次はちゃんとその時に飲むから!だから・・・」
そう言って、自分の部屋へ入っていった。
最後に何か言おうとしてたけど、その前に走っていった。
小乃詠ちゃんは、何かに怯えていて取り乱していた。その様子を見て俺はただ呆然としていた。
それより彼氏さん、あまり無理強いはよくないよ。
夜、街が静まる中、俺はひたすら腕を上下に揺らす。右腕はまだ痺れるため、もう片方でしている。いつもと違う感覚。おお、これはこれで中々・・・。
ガチャリ。
「お兄ちゃん、さっきのことなんだけど・・・あ」
「・・・妹よ、ノックをしてくれ。男にも準備というものがあるんだ」
俺の火山もそろそろ爆発起こそうかとしていた時、来訪者が現れた。
そして会話をしてる間にも、その火山はどんどん成長する。うーん、新記録樹立か?
俺に、露出癖があるか知らないが、今すごく興奮している。
この気持ちの昂り、早く発散しなくちゃ。
「お兄ちゃん、ソレ苦しそうだね。えへへ、私がシテあげようか?」
「な、何言ってんだよ!そういうのは冗談でも言ったらダメだよ!」
彼氏さんに聞かれたら殺されるぅううう。
ていうか、早く出てってくれないかな〜。
「いいじゃん!私お兄ちゃんにしか言わないよ?」
どんだけ欲求不満だよ。彼氏さんと上手くいってないのか?
「それでもダメだよ。俺たちは兄妹なんだから」
「え〜。それでも血のつながりは・・・」
中々引き下がらないな。どうしよう。邪魔されたから、どうしようもなくイライラする。本当はそんなことは、お門違いと自分でもよく分かってる。でも、
「邪魔なんだから出でけよ・・・」
「えっ」
「あ、いや、これは」
「そうだよね、私って邪魔だよね。目障りだよね。ごめんね!おやすみ!」
小乃詠ちゃんが出ていく。
やってしまった。今のは本心ではない。行き場のないストレスの捌け口に、小乃詠ちゃんを利用してしまった。最低だな、俺。
今謝りに行くのは得策ではない。一回寝てリセットした方がお互いにいいはずだ。
俺の富士山もすっかりおとなしくなった。
今日はもう寝るか。
「へへ、お兄ちゃん。スキ」
キャラがブレてる気がするんですけど、大丈夫ですかね。