それも恋3
私は2000文字ぐらいが丁度いいと思いますが、もう少し増やした方がいいでしょうか。
「最近のお兄ちゃん疲れてるから明梨さん、もっと控えた方がいいよ」
「それは小乃詠ちゃんもね」
最近のお兄ちゃんは、すぐに萎えてしまう。流石に、三人で毎日すれば枯れてしまうのも仕方ない。
でも私は、明梨さんがみんなが寝静まってた頃に、こっそり第二ラウンドしてるのを知っている。
明梨さんは、バレないと思っているらしいが、あんなに激しくてすれば嫌でも起きてしまう。
「あ、そうそう。最近ね、一ノ瀬瑠璃って子が、かずくんにちょっかいを出してるけど、困ったわね」
あ、明梨さん。瞳孔が思いっきり開いてます。怖いです。
一ノ瀬先輩ね。あの人あまりいい噂聞かないんだよね。
曰く、私の彼氏を寝取られた。
曰く、四股、五股は日常茶飯。
曰く、学校の先生ともヤッている。
でも、不思議なことにそれでもアイドルを続けられる。学園のアイドル〜ではなくて、本物のアイドル。正直とっても可愛いと思う。だから世の男子は、先輩に夢中だ。それは、この雲雀高校の男子生徒も例外ではない。男子の前では猫をかぶってるからね。女子に嫌われやすい典型的なアレ。
でも、あの人がお兄ちゃんを?ありえない。だってお兄ちゃんってフツメンだし。いかにも童貞っぽい雰囲気だし?・・・あ、もう卒業したか。
私はそんなことよりも気になることを聞いた。
「明梨さん、お兄ちゃんに催眠術を掛けるなんて言った?」
「えっと確か、『かずくんは、いつでもどこでもセックスしたくなります』って言った気がするわ」
それだ。ああ、絶対にそれだ。だからあの時お兄ちゃんは私も誘ったのね。
「明梨さん、ちゃんとヤる相手の名前を指定しないと」
「ん?」
だめだ。本人は分かってない。
でもそのおかげで、私もヤれるし。
「明梨さん、催眠術道具ってまだある?」
「ごめんね、失くしたのよ」
明梨さんもか。私もいつのまにか失くしてしまった。
私と明梨さんだけを見るように、と上書きしようと思ってたのに。
「まぁ、取り敢えずは様子見かしら」
「そうね」
「さて・・・かずく〜ん、もう一回出来る〜?まだ五回しか出してないから、イケるよね〜」
お兄ちゃんは、少し苦しそうな顔をしてたけどそれも一瞬。
また楽しそうな表情してる。私ももう一回。もう一回だけ・・・。
△▽△▽△▽
「何?話って。アタシ用事あるから急いでるけど」
私は昼休みに一ノ瀬先輩を呼び出した。先輩はイライラした様子を隠そうとせずに私を睨む。
「九重和人君に、ですか?彼は私の家族です。迷惑をかけないでください。」
「ふーん。でもアンタに関係ないでしょ。第一アンタには彼氏がいるでしょ?」
話はもう終わったと言わんばかりに帰っていく先輩。終始惚けた顔を変えずに。
先輩の顔にはクールな印象はなく、メスの顔になっていた。
「あ、彼氏の光輝くん?には手を出さないから」
それだけを言い残し去っていった。
△▽△▽△▽
夜の九時。お兄ちゃんが帰ってこない。今日はただでさえイライラしてるというのに。
今日の昼休みで確信した。先輩はもうお兄ちゃんの虜になっていることに。
放課後、一緒に帰ろうと誘ったが『わるい、用事がある』と。
呼び止めようとしたが、友達が私に話しかける。友達を無碍に扱うことも出来ず、結局お兄ちゃんを見送った。
今頃、お兄ちゃんと先輩は・・・。考えるだけでイライラする。困った時用の白濁液はもう残り少ない。刺激なしでは満足出来ない。早く。早く。早く。
・・・あ、お兄ちゃんが帰ってきた。こんな遅く帰ってきてたんだ。もうご飯は食べてきたよね?もういいよね?我慢しなくてもいいよね?
「お兄ちゃん、しよ?」
『わるい、今日は疲れた』
あれ、おかしいな。どうしたのかな、お兄ちゃん。今日の下着は少し子供っぽいから、乗り気じゃなかったのかな。
でも大丈夫。大丈夫。お兄ちゃんは私を捨てない、はず。胸だって成長中だ。私の体は魅力的なはずだ。最近は下の毛の処理だってした。お兄ちゃん好みになるよう頑張った。でもなんであんな女の所にいくのかな?おかしいな。アイツの体、汚れてるのに。私のほうが綺麗なのに。
そんな思考が頭の中でグルグル。グルグル。
・・・私も疲れちゃった。お兄ちゃんのはもう搾り取られただろう。今日は一人でしよう。今日はどのオモチャで遊ぼうかな。私を満たせてくれるかな。
△▽△▽△▽
私は最近、早起きしている。なぜなら・・・
「おひぃひゃん、おはよ」
『ああ、おはよう』
夜が無理なら朝にすればいい。でもシャワーを浴びる時間がないため、口だけで我慢している。
そして、料理も覚えた。今日の朝食は、サーモンにトースターと目玉焼き、コーヒーにバナナだ。
これで夜も出来ると思ったが、結局できず。本当に効果あるのかな。サプリメントも一応買ってみたはいいものの、使っていない。薬はなにが起こるかわからないし・・・。
そういえば最近、明梨さんの姿を見ていない。ライバルが減ることはいいが、どうしても気になってしまう。もしかして、私は明梨さんに毒されたのかな。
そんなことを考えていると、ようやくお兄ちゃんが出した。明梨さんのように上手くなりたい。でも、あの技術はどこで覚えたのかな。
「お兄ちゃん、今日は先に行ってくるから。ご飯食べたら早く学校にきてね」
『おう、いってらっしゃい』
その日、私は後悔した。お兄ちゃんと学校に行けば。お兄ちゃんを待ってあげれば。
お兄ちゃんは事故に遭うことはなかったのに。
過去編は一旦ここで区切ります。