それも恋2
新キャラ登場ですよ!
私は非常に焦ってる。それは、結城明梨という存在にだ。
彼女は、私たちの家のお隣さんで、お兄ちゃんとは所謂幼馴染という関係だ。羨ましい。
ただの幼馴染だったらそこまで警戒する必要はない。
でも彼女は少しおかしい。
まず、私を凄い睨んでくる。お兄ちゃんやお母さんには、笑顔で対応してるのにだ。そして、お兄ちゃんにベタベタしている。お母さんも『あらあら〜』と言い、お兄ちゃんたちを茶化す。まじで一回シバいたろか。
また、彼女は最近よく家に泊まりにくる。そして私に見せつけるようにベタベタと。おそらく私の監視をするためだろう。あと、お兄ちゃんの部屋にカメラを仕掛けるためにも。ヤンデレかよ・・・。
もうヤンデレ女は、勘付いているだろう。私とお兄ちゃんの一方的な関係に。
そんなピンチな私は、催眠術道具を買ってしまった。これでお兄ちゃんを洗脳出来るとウッキウキな私。でも後々考えると、実に馬鹿馬鹿しいがその時の私は、それほど追い詰められ思考能力が低下していただろう。
だが、もうこれしか頼るものがない。
「お兄ちゃん、入っていい?」
「ん?いいけど、どうしたんだ」
「ちょっとね・・・」
ヤンデレ女はいない。だから今しかチャンスはないと思い、お兄ちゃんの部屋に突撃した。
ああ、ヤバイ。お兄ちゃんの部屋の匂いだけで少し濡れた。
「お兄ちゃん、ちょっとこれ見て」
そう言い、ポケットからペンを取り出す。ペンの下にはボタンがあり、それを押すとぺんの先端が光る。メイン◯ラックのアレみたい。
私は躊躇なく押し、
「お兄ちゃん、あなたは今から私にいつでも発情します。私とセックスしたくなります」
お兄ちゃんは、私と目が合うと息を荒げる。そしてベットに押し倒して・・・。
もう私は戻れないかもしれない。それでも、私は・・・。
△▽△▽△▽
帰宅して、玄関のドアを開けようとした時、後ろから声がかかる。
「小乃詠さん、かずくんに何したの」
「さあ」
私は惚けて、返す。その表情を見ると今にも笑いそうになる。
「ま、いいわ。その余裕がいつまで続くか楽しみだわ」
そう言い、ヤンデレ女が帰る時、私は見た。見てしまったのだ、あの催眠術道具を。
何故あの女が?カメラは全て撤去したはずだ。なのに、なのに何故・・・?
でも、今はそんなことを考える時ではない。兎に角、お兄ちゃんとあの女を会わせては・・・。
「あっ、かずとくん・・・んっ」
艶かし声が私たちの家、二階から聞こえる。そういえば、お兄ちゃんとアイツの部屋の窓は向かい合っていた気がする。欠陥住宅すぎだろ!クソがっ!
お兄ちゃんが汚れてしまう。でも、今ならまだ間に合うかも知れない。早く、早く、早く。
ドアを開ける。そこには、愛する男と、外見は綺麗な女が、もう。
『小乃詠、こっち来い。お前もついでにしてやるよ』
ついでに。許せない!アイツはお兄ちゃんを汚した!私だけのお兄ちゃんを!
・・・でも、もういいのではないだろうか。独占しようと小競り合いをするより、こうやって一緒にする方が楽ではないだろうか。妥協をすのもいいのではないだろうか。
疲れた。もう楽になりたい。早くシタイ。
「明梨さん、ゴム、持ってきた?」
「んっ。今、使って、るよ。もう、ないか、な」
「そう、今日は一晩するの?」
明梨さんこちらに顔を向けて頷く。でもそれは一瞬のこと。すぐにまた、お兄ちゃんとの行為に集中した。
私は自分の部屋に行き、制服を脱いだ。今日は確か、お母さんとお父様は旅行でいない。本当なら二人きりでずっと・・・。
「もう諦めよう。とりあえず、あるだけ持っていけばいいか」
お兄ちゃんのドアを開ける。私の好きな匂い。私の嫌いな匂い。でももういいんだ。諦めたんだから。
「かずくん、おいひいよ」
『そうか、おっ小乃詠、早く来いよ。次はお前の番だよ』
三人でするのも悪くないかも。刺激的で。
お兄ちゃんに飽きることなんて、ないけど。
△▽△▽△▽
翌日も学校だと言うのに、してしまった。匂い、とれるのかな。
「小乃詠ちゃん、一緒に入りましょ。話したいことがあるし」
「わかった、明梨さん」
そんなこんなで一緒にシャワーを浴びる。明梨さんの体は美しい。私のよりは小さいけど形は明梨さんの方が綺麗。ちょっと悔しい。
「小乃詠ちゃん、次は何を企んでるの」
「え?なんのこと?」
「またそうやって・・・」
「ごめんなさい。本当にわからないの」
明梨さんがため息を吐く。
「じゃあ、質問を変えるわ。なんで三人でしたの?あなたなら絶対私を払い除けるはずよ」
「諦めたんです。あなたのその執念には勝てっこない、と」
私は知っている。明梨さんの目には、お兄ちゃんしか写ってないことを。
私は知っている。明梨さんはお兄ちゃんのことを全て愛していることを。
でも私は、お兄ちゃんの体を愛している。もちろん今は全てを愛しているが、好きになる順番が間違ってると言われれば、否定出来ないのも事実。だってそれは私が一番わかっていることだから。
「明梨さんこそ、どうして私を加えたんですか?」
「かずくんが、あなたを求めたからよ」
「それだけのことで、ですか?」
「ええ、だって私にとって、かずくんが全てだから」
やっぱり明梨さんには勝てっこないや。
「さて、そろそろ学校の準備をしないとね」
明梨さんはそう言って、先にでた。
「あ、小乃詠ちゃん。今更気づいたけど、私って両方イケるんだね」
「え?」
両方?両方とはどういう・・・あ。
だから明梨さんは、私の方にも積極的にしてたのか。
「これからよろしくね、小乃詠ちゃん。私はいつでも歓迎よ」
空いた口が塞がらない。それぐらい衝撃的だ。明梨さん、他の人に目移りする所とか私と一緒じゃん。
やっぱり、明梨さんにはお兄ちゃんは渡せない。
すみません!長くなりそうなので、もう一話続きます!