それも恋1
口調を統一にするのって、案外難しいですね。
あ、今日は小乃詠視点です。
〜〜三週間前〜〜
「はじめまして、新島、あっ九重小乃詠です。よろしくお願いします」
初めてこれからお兄さんになる、和人さんに会った時、不思議な人だなぁと感じた。別に彼はイケメンでもなければ、ブサイクでもない。特徴のない・・・どこにでもいそうなひとだ。
常にボーッとしていて、何を考えてるのかわからない。そんなひとだった。
「ああ、よろしく。えっと、小乃詠・・・さん?」
「呼び捨てでも大丈夫ですよ。家族になるんだし、年下ですし」
「じゃあ、小乃詠ちゃんも敬語を使わなくてもいいよ」
「うん、わかった」
特に気を使う必要もなく、一緒にいて落ち着く。でもそれでも異性として見ることはないでしょう。だってフツメンですし。そもそも私、彼氏がいますし。
「あら、二人とも挨拶は終わったかしら」
お母さんだ。つい最近、口調をお姉さん風に変えてるのは、お父様のためでしょうか。確かにお母さんは若いです。大学生と言われても違和感がないほどに。でも娘の私からすれば、やめてほしいですね。
「あ、お母様。こんにちは」
「あら、こんにちは。別に気軽に呼んでもいいのよ」
「わかりました。えっと、母さん」
お兄ちゃんは、少し照れた感じでそう呼んだ。でも、目線はしっかりお母さんの胸に行ってます。さっきだって私の胸と会話していましたし。これが世間で言うむっつり?と言うモノですか。
「あ、玄関で立ち話もなんだし部屋を案内しますよ」
「あら、ありがとね。でも私は修弥さんと出かけるから、帰ってきたときにお願いするわね」
そう言って、お父様とデートに行ったお母さん。娘の前でいちゃつかないで欲しいですね。
それは、お兄ちゃんも同じで顔が少し引きつってます。
「じゃあお兄ちゃん、私の部屋はどこかな?」
「っ!あ、ああ。こっちだよ」
どこかぎこちない会話。でも安心するような感じであり、何かモヤモヤするような・・・。
ってダメよ!私には彼氏がいる。この気持ちは気のせい。そう気のせいです。
こんなときは、一人で・・・。そのためには。
「私ケーキ買ってきんだけど、食べる?」
「ああ、食べようかな。わるいね。あ、キッチンはリビングの向こうね」
あ、また私の胸見て話してます。まぁ、お兄ちゃんって童貞っぽいし私を襲うような度胸もなさそうだし、大丈夫そうですね。っと、それよりもアレはどこにありましったっけ?カバンだったかな。
△▽△▽△▽
お兄ちゃんの部屋を確認。すっかり眠ってしまってますね。今がチャンスです。
最近は忙しくて、なんだかんだでしてなかったし、少し激しくしてもバレないですよね。
そう考え、段ボール箱からローションを取り出す。あと例のアレも。
思えば、彼氏としたことがないですね。私の友達はもう済ませたのが半数もいます。そろそろ私たちも・・・と考え、誘惑してるのですが彼は紳士というべきか、ヘタレというべきか、なかなか私に手を出しません。
もう私から誘ったほうがいいのでしょうか?でも、恥ずかしいですし・・・。
悩んではだめですね。今は快楽に身を委ねて頭を空っぽしますか。
・・・だめです。今日はなかなか達することができません。
いつもならすぐなのに。もう慣れてしまったのでしょうか。伊達に毎日やっていないんですよ、私。
って誰に自慢?してるのでしょうか。
兎に角、こういう時は新しい刺激が必要ですね。でも、オモチャはこれ一つ。他のは、友達に預けてるてので無理です。
どうしましょう。お預けは嫌いなんですよね。早く何か、私を満たしてくれるのは・・・。
体が熱い。頭もうまく働かない。もう限界。
シタイ。シタイ。体がふわふわ。頭もふわふわ。気づけば私は、お兄ちゃんの部屋。
大丈夫。少しだけ。口でしながら自分のもすると気持ちいいと友達に聞いた気が。
・・・まだ足りない。私の体はさらに刺激を求めている。
大丈夫。少しだけ。ゴムは一枚だけある。大丈夫。予行練習。これは彼氏のために。
ダイジョウブ。ダイジョウブ。
・・・。
△▽△▽△▽
あの日から数日後。もうお兄ちゃんの体なしでは、私の体は満足できなかった。わたしにはもうお兄ちゃんしかない。
だからなのか、彼氏とデートしていても、いつまでも私の頭の中には、お兄ちゃんとの夜のこと。私ってば、とんでもない変態さんになったなと苦笑する。
だから、決めた。
「私たち、別れましょう」
「え、っちょっと待ってよ。なんだよ突然どうしたんだよ」
私は今、彼氏と二人きりで教室にいる。
「なんか、オレに悪いところがあるなら直すからさ。考え直してよ」
必死な彼の姿に、心が冷えていくのを感じる。付き合ってもうすぐ二ヶ月なのにそんなことを感じてしまう。私ってば、最低な女だなぁ。
「ごめんね自分勝手で。でも私たちは続かないと思うの。だから、ね?」
「そうか。最後に教えてくれ。オレの何が不満だった?」
「うーん、体の相性・・・かな?」
あの日、お兄ちゃんで初めてした時。彼氏のモノだったら、これ以上の快感を・・・と思ってたけど結果は残念。
私が満足する前に終わった。どうしてもお兄ちゃんのと比べてしまう。
結局その日は、モヤモヤしたまま帰宅して、お兄ちゃんでした。ああ、やっぱりこれだなと一人で納得する。
私は今、恋をしてるのかもしれない。お兄ちゃんの体にだ。
現に今日の授業も集中出来なかった。これは責任を取ってもらわなくては。
でも、最近は腰が痛いし何時間も出来そうにない。なにかいい方法はないかな?
「じゃあね、光輝くん。」
「ああ、またな」
そういえば、彼の名前を呼ぶのは久しぶりだな。
さて!今日も頑張りますか、お兄ちゃん!
投稿は気まぐれなため、不定期です。
予めご了承ください。