昔の友
「大変!ナディーヤが魔物にとりつかれた」
ナナが爺やに報告した、友達になっただけなのに。
「この罰当たりが神官長の娘とは、これは水のものの印じゃ、魔物ではないぞ」
そうなんだ、よかった。
「この印はいつついたのかな」
「えーと、海に一人で潜った時に」
「わしは知らんな、元気な子供じゃったが」
「私が学校で会った時には付いてたけど、すごく静かでおとなしい子だった」
そうそう、学校に通うまでは元気すぎたけど、学校では居場所がなかったんだ。
地元の子なのに誰だかわからないあやしい子で、家で友達と遊べなかったから、優秀な神官長の娘のナナが来てくれるまで一人だった。
「ナナと仲良くなるちょっと前だよ、友達がいなかった頃」
水の中に潜ると仲間がいる気がしていた、友達がほしいと探していた頃だ。
「海の向こうにあるネーデリアの竜の島から、竜神様が会いにきたのかのう」
「ああ、知ってる、竜の形の島に竜神様が住んでいるんでしょう?」
わたしたちではそこまでわからない。
(ナディーヤ、きこえるか?)
シャラナは夜、寝る前になると声をかけてくる。
(ナディーヤは何も知らないから教えてあげる、友達だからだよ、ユーリには内緒にしてね)
古い昔の話だけど、おもしろいから続きをききたくて待っている。
昔々、シャラナがまだ生まれる前、神様がこの世界を作ったこと。
ここに住むものたちが暮らしやすいように、いろいろなものをうまく循環させて回り続けられるようにした。
(でも回り続けているうちに、少しずつ変わってきた、だから竜王様が見守ることにしたんだ)
そうなの?
(ユーリやわたしもできることを少しだけ手伝っている、ナディーヤにもそのうちわかるはずだよ)
ええ?そうなんだ、すごい。
(どうしてだか、ナディーヤにはわたしの最初の友の印がついている、知っているか?それはわたしが友の印につけたものなんだ、だから魔王様はわたしの友にナディーヤを選んでくれたようだ)
みんな友達だから?
(不思議だがそういうことなんだろう、なんでこんなことになったんだろうな)
なんでだろう。
(それでもナディーヤの友になるのはなかなかおもしろい)
シャラナがそう思ってくれたらうれしいよ。




