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異世界から来た魔術師  作者: ちゃい
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ミサトの夢

ミサトの話はここまでです。ありがとうございました。

 ナディーヤとナナが来て、いよいよ明日はシュテファン様御一行が大国①から家に来る。


 デルちゃんはお姉ちゃん二人とすっかり仲良くなっていて、ルパニアの話やケント師匠の話を報告してかわいがられている。


 「本当の姉弟なんだもん、かわいいに決まってる」

 おとなしくて人見知りなナディーヤも、1カ月ほど一緒に暮らしてみれば、普通の女の子ですごくかわいい。ナナは賢くて、ナディーヤやデルちゃんのお世話をしてくれる。


 「私たちは国の意向と関係なく、読書をするために文化の発展した国に来たんです、本を読むためだったらなんでもしますよ」

と宣言したときは驚いたけど、ナナもかわいい女の子だし、三人も子供ができたみたいですごくうれしい。


 幸せって、この子たちとアレクがいて、楽しくお話ししながら暮らすことかな、なんて思っている。


 大国①からの要望が多くて、明日までに届くようにいろいろ手配したんだけど間に合うかなと心配したり、読んでおいたほうがいい本が積んである机に座ったけど眠くなったりしている、ちょっと疲れた。


 わたしは夢をみた。

 

 N国でも結婚式をしている。白の塔の魔術師たちが正装で出迎えてくれて、隣にいるアレクもうれしそうだ。

 なぜかヒューと魔王様がわたしとアレクになっていて、あの空中回廊が式場なのだ。


 「おめでとう」

とブルー様がわたしたちを祝福してくれている。


 「ありがとうございます、ブルー様、今日はこんなところまで来ていただいて」

 美しいブルー様は、いいんだよ、と微笑む。


 ブルー様が結婚を承認すると、青い光に包まれた。会場中が深い太古の海の中のよう。


 立ち上がって花びらが舞い落ちる青い空間を見ていたら、花びらのかわりにたくさんのチョコレートが降っていた、地味に痛い、うれしいけど痛い。


 そんなところで目が覚めた、変な夢だった、積んであった本がくずれて頭に当たっている、これか!


 いつの間にかアレクが部屋にいた。


 「どうしたの?」

 寝てました。


 「なんでもないよ」


 「さっき夢をみたんだ、結婚式の、ヒューと魔王様が俺とミサトになっていて、盛大だった、うれしくて、目が覚めたとこ」

 なんてこった。


 「わたしもその夢みた」


 「本当?すごいな」


 「チョコレート、痛かった?」

 アレクがものすごく変な顔をしたから、そこは違ったのか。


 「痛かったことにしたらいい?」

 いや、そこまでは。

 


 

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