表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
異世界から来た魔術師  作者: ちゃい
36/74

魔王様の依頼

 久しぶりに魔王城にきている。勇者ハヤトは元の世界に帰った、と報告する。


 「ベルリハルト城はかなりの兵を集めていたんだが、勇者が来なくてよかったよ、帰ったならいいんだ。

 エルが狙われるなんてことがあってはならないからね、気にしなくてもいいんだ、かなりの費用がかかってね、神殿に文句をいったらN国とセレーシアのせいだってね」


 魔王様を人前でもエルっていうんですね、ヒュー・ベルリハルトが文句をいう。


 「いえいえ、あれはセレーシア様が趣味で召喚してしまったようですよ」

 がんばれ、ユーリさん。


 「違うんだ、ヒュー、帰ってくれないか?」

 魔王様、ヒューはそんなこと言われたくらいじゃ帰りませんよ。


 「ああ、ミサト、アレクシス像の設置を許可してあげたよ、大国②でも見物にいく人が多くなってきている」

 それはどうも、ってわたしがいうことなのかな?


 「大切な話だからきいてくれないか!ミサトにお願いがあるんだ」


 魔王様の話は十分理解できた。

 魔力量の多い魔術師の仕事をしている女性で、どの魔法もそこそこ使えて、神殿にも出入りできる。

 わたしより上手くその仕事ができる人はいない、とヒューがいうならそうなんだろう。


 「だってさ、エルじゃ子供がびっくりするだろう?」


 魔王様は魔力量の多い幼児を保護したい、という。

 N国以外で、子供の魔法使いは少ない。

 だから魔力量の多い子供をどう扱っていいのかわからない親が、こっそり捨ててしまうこともある。神殿に預けるならまだましで、辺境の小国では森に捨てることもあるという。悪魔の仕業としか思えないことをしてしまう悪魔の子供だと思われてしまうのだ。


 「特に魔力量が多い子を先に助けてあげないと、もう危ない子がいるのよ」


 ほとんどの子はそれほど魔力がなくて、親がちょっと注意してやれば済むくらいだから困った子としてそのまま育っていく。少し魔力がある子は神殿に預けられることが多い。よほどの辺境でなければ、町に神殿がある。神殿は魔法使いの子供を探し出して積極的に保護している。辺境の森には世間からはなれて暮らす魔女がいて、弟子にするために育てている。


 一番危ないのは、魔力量の多い王家の王子や王女らしい。


 「あれ、この一番上ってグレン様の最近生まれた弟?」


 「その子もそうだけど、大国①は安定しているから大丈夫よ、問題なのは二番目の子、その子を保護してきてほしいの」


 お願い、と魔王様に見つめられて、はい、と答えてしまった。









 

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ