松ぼっくりのポトと僕との約束。
僕の名前は 『桑野 のぼる』 9歳の元気な男の子だよ!
お父さんの仕事の事情で、僕たち家族は田舎暮らしをはじめたんだ、、、!
簡単に言うと、、、?
お父さんの転勤先に、家族みんなで引っ越したんだ、、、!
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詳しい事は、、、僕には分からないのだけど、、、?
大きな仕事を、お父さんは上の人に任せられて失敗したとかで、、、!
ド・田舎に飛ばされたみたいなんだ、、、。
それが、本当か? 嘘かは、、、僕には分からない!
でもね、、、?
引っ越してきたところは、、、裏に大きな森があって!
家は一軒家だけどボロボロで、その家は10年以上も誰も住んでなかった
らしく、木も腐っていて、、、!
そこを歩くと、、、?
【ギィーーギィー】と音がなるんだ、、、!
僕も、ここに引っ越して来た時は、、、?
正直、嫌だった、、、!
友達もいないし、コンビニやスーパー、ショッピングモールもないんだよ!
買い物をするにも、車で1時間もかかる場所にしかなくて、、、。
学校と言っても、全校生徒合わせても8人しかいない!
先生を入れても、13人しかいないんだよ!
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僕とお兄ちゃんは、転校生で入ってきたから、、、?
まだ、他の子達と馴染めないと言うか、、、?
お兄ちゃんは中学1年生で、元々1人が好きだから、1人で本を読んだり
自分のペースで出来てるみたいで、、、。
でも僕は、ここに引っ越してきて10日経つけど、、、?
未だ、クラスの子達と馴染めていない、、、!
でもね、、、?
僕は学校が終わって、家に帰ると直ぐに裏庭にある森に行くんだ!
物凄く、広い森なんだよ!
都会に住んでいたから、こんな風に森に入る事なんてないし!
それが今、1番楽しい事だな!
森にはね、、、!
いろんなモノがたくさんあるんだよ!
木の実やキノコやタケノコ、見たこともない鳥や動物がいるんだ!
野生のリスを見たのも初めてだったな、、、!
そこにはね、、、?
たくさんのドングリや松ぼっくりもあったんだよ!
*
その日は、森の中で夢中になって遊び過ぎたせいで、、、!
少し、家に帰るのが遅くなったんだ、、、!
周りはどんどん暗くなって来て、僕はもうそろそろ家に帰ろうと思っていた!
そうしたらね、、、?
僕の目の前に、、、松ぼっくりの妖精が現れたんだよ!
『君はここで! 何をしているの、、、?』
『えぇ!?』
『ごめんごめん、びっくりさせてしまったね! ボクは松ぼっくりの
妖精のポトだよ!』
『・・・えぇ!? 松ぼっくりの妖精? そう見えないけど、、、?
ボサボサ頭で、お風呂にも入っていないような! 浮浪者の人にしか
僕には見えるけどな、、、?』
『おいおい! それは! 言い過ぎじゃないのか!』
『・・・ごめん、』
『それって? 汚いという事、、、?』
『そうじゃないけどね!』
『次会う時までには、ちゃんとキレイにしておくよ!』
『うん! じゃ~僕は家に帰るね!』
『あぁ~気をつけて家に帰るんだよ!』
『バイバイ!』
『ばいばい!』
▽
僕は、こうして! 松ぼっくりの妖精のポトとお友達になんたんだ、、、!
僕と松ぼっくりの妖精のポトは、毎日のように一緒に森で遊ぶようになった!
『のぼる! 遅いよ~』
『ごめんごめん、宿題を済ませてきたから! 遅くなっちゃった!』
『偉いな~のぼるは! ちゃんと宿題してきたのか!』
『あぁ! ポトも宿題するの、、、?』
『ボクも、読み書きぐらいならできるんだよ!』
『そうなんだ! じゃ~僕と勉強する、、、?』
『いいの? ボクも勉強したい!』
『ねえねえ? ポトは何時から、ここに居るの、、、?』
『何前年も前からここに居るよ! ボクはこの森の守り神でもあるんだよ!』
『守り神?』
『ボクは、元々は【人間の子供】だったんだ! でも僕の魂をここに居た!
前の守り神が持っていっちゃってね! そして、その守り神が僕にこう言った
んだよ! “これからは! お前がここの守り神だ! この森をお前が守れ!”
ってね! だから、ボクはずっとここに居るんだよ!』
『・・・そうなんだ~! でも、ここでポトは何をしているの?』
『明日の朝5時に、ここにおいで! ここで! ボクが何をしているか?
全部、見せてあげるよ!』
『うん!』
▼
僕は昨日、ポトが言った時間に森に着いた、、、!
『おーーい! ポト、時間通りに来たよ~!』
『おはよう! のぼる! ちゃんと来てくれたんだね! じゃ~今から
案内するよ!』
『うん!』
僕は、初めてポトがこの森の守り神だという事を実感したんだ、、、!
ポトは、僕も一緒に透明人間になり、空を飛びながら森の見回りをして!
森に住んでいる動物たちに挨拶に行き、木の成長を見て、土の中に潜り込み
土の中で生きている動物に挨拶して、最後にまた同じ場所に戻ってきた!
ポトは、形を持たないモノに自分を変える事が出来るみたい!
空を飛ぶために翼を持ち、川の中で泳げるように体を小さくして鰓やヒレを
持ち、体も透けたり、土の中に潜る事もできるんだよ!
ポトは、間違いなく!!!
この森の守り神だった、、、!
▽
そして、そんなポトが今、物凄く心配している事があるらしい!
『・・・何時? この森も人間の手でなくなってしまうかもしれない!』
『・・・うん、そうだね、』
『ボクたちの森なのに、、、! 守れない日がいつか来る、、、!』
『・・・・・・ごめんね、ポト!』
『どうして? のぼるが謝るの、、、?』
『人間を代表してだよ! “本当にごめんね!”』
『人間にも、イイ人たちはたくさんいるけど、、、? 悪い人たちが森を
たくさんなくしていくんだ!』
『・・・・・・ううん、』
『ボクがこの森に居る間は、守っていきたいと思っているんだよ!』
『うん!』
『のぼるも、ボクに協力してくれるかい?』
『もちろんだよポト!』
『ありがとう!』
*
あれから15年経った今も、、、。
僕は、この森の守り神と一緒に大人になった今でも、、、!
一緒に、この森を守り続けている、、、!!!
僕の子供たちも、ポトの事が大好きなんだよ!
最後までお読みいただきありがとうございます。