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第1話:お集まりくださりありがとうございます。

仕事があるから寝なければと…布団で寝てたはずだったのだが…。

ここは一体どこだろう?

真っ暗な空間の中に俺は居る。

寝っ転がってたはずだが…、椅子に座っているようだった。

フカフカですごく気持ちが良い。

手や足も動かせる。何も見えないので手で当たりを触ってみると、すぐ前に机があった。

結構遠くまで手を伸ばしてもその感触はあるので、かなり大きいテーブルみたいだ。


一体何なんだ…?

変な夢…だなあ…。


などと思っていると、急に眩しくなった。


「うおっまぶしっ!」

俺はそう叫びながら目を瞑る。

瞼の裏が真っ赤に弾けてキーンとなる…。

しばらくしてゆっくり目を開けると、

丸い大きなテーブルを囲うように10個の椅子が並んでいた。


そこには、俺と同じく何者かが座っているのだが…、

その光景はとても異様だった。


ある者は、角が生えており、肌が真っ茶色だった。

ある者は、ふわふわした耳が生えており、まるでウサギのようだった。

ある者は、頭が丸い鉄の球体のようになっていた。


おわかりのように…人間らしい姿の奴は誰一人も居なかった。

逆に言えば彼らからも自分と同じ姿の存在を見つけられなかっただろう。


「おいおい…なんだよ…これ…」


「………どうなってるんだ!?」


「ここはどこだ!?おい!」


「うわああああああああああ!なんだこいつら!姿が気持ちわりい!!!」


「お前だってきもちわるいだろ!!!なんだおまえ!」


明るくなってお互いを見た俺らはパニックだった。

気がついたら訳のわからないところにいるし、見たこと無い異人種しかいないし…。


「きゃあああ~~~!こわいよぉ~~~!!!うわあああああっっ」

ウサギみたいな奴はパニックになって椅子からジャンプし机の上を飛び回っていた。

顔や毛並みはウサギのまんまなのだが、服をちゃんと来ていて、スカートを履いている女の子みたいだった。

ジャンプするたびにスカートがふわふわ浮くのが目に入って俺は顔をばっと背けた。


(パンチラか!?パンチラか!?)

と思ったがその下は白い毛並みで覆われエロいところはなかった…。


ドスンドスンドスン!!


大きな地響きがして、俺はバッと音の方向を見ると

身長3メートル近くの岩で出来たゴーレムがあるきまわっていた。


「ナンダ…ココ…オレ…コワイ…カエリタイ…」


(いやいや、俺のほうがこええよ…なんだよこいつ…でけえし…)


「やぁん、みんなちょっと落ち着きなさいよぉ~」

エロい声が聞こえ、俺はその声の方を見ると、

胸がめちゃくちゃデカイ羽と尻尾が生えてるエッッッロイ女が居た。

漫画とかアニメで見るサキュバスそのものだろう。


「なんだてめぇ、このクソビッチが!」

サキュバスに向かって叫んだのは、角が一本生えた抹茶色の女。

こっちは鬼のように見える。サキュバスと違ってこっちはど貧乳だった。

武士みたいな袴を着ている。


「あらぁ、ど貧乳ちゃんはじめましてぇ?カルシウム足りてる?足りてないわねぇ、そのお・む・ね、じゃ♪」


「てめええええええ、ぶった切ってやる!!!!」


二人がテーブルの上に足を掛けて火花を散らす。

今にも戦いが起こりそうな中、それを仲裁する声が聞こえた。


「止めたまえ、ふたりとも。それに他の諸君も落ち着き給え。まずは状況を把握しようじゃないか。」

そう冷静な声で皆をなだめたのは、金髪の女性だった。

他のヤツラと違って人間に近いかなと思ったが、耳がすごく長く色が白い。

多分エルフかなんかだろう。


(多分エルフかなんかだろう…)

俺はそう思った。

エルフがなだめたこともあり、段々と冷静となった俺は、状況を把握してみた。


目が覚めたら、知らないところに居たし、訳のわからないやつらがいる。


もしかして…これって異世界転生!?

マジで!?!?

ついに!?!?俺が!?!?主人公ですか!?!?

もしかして俺も人間じゃない見た目になってるとか!?スライムとか!?蜘蛛とか!?

なんかすごい能力持っちゃってるとか!?死に戻りとかですか!?!?


「俺の天下きったああああああああああああああああ!!!!!!!」


ついそう叫んでしまったところもれなく

「「「「うるせえぞ!!!!!!!」」」」

と全員に突っ込まれた。


「すいません…。」


俺はしょんぼりと肩を落とす。


んー…、にしてもなんか異世界転移にしては変な感じだな。

普通だったら、ここでこの世界の住人とかと交流したり…とか、俺は実は死んでますとか…

そういうのがわかるはずなんだけど…。


ん…?もしかして

なんかこいつらも全員異世界転移してね…?


と思った矢先、


<お集まりくださり、ありがとございます。>

という声が聞こえてきた。


どこから聞こえてきたか、あたりを見渡すが、

誰かが喋った感じがしない。

他のヤツらもキョロキョロと周りを見渡していた。


<すみません、急に。みなさんの脳内に直接語りかけています。>

なんかどこかで聞いたことあるセリフだぞ…これ。


<あああ、騒がないで、騒がないで…すいません。えっと、改めてお集まりくださりありがとうございます。この度みなさんに集まってもらった…というか集まっちゃった…のはですね…、この世界の悪を倒してもらうためなんです。>


うおぉぉ…どストレート・テンプレートな設定きたぁ…!

俺の能力開花フラグやんけ…!


「ちゃんと説明しろォ!ぶったぎるぞ!」

鬼の子が騒いでいる。


「お?悪を倒す、いいじゃなァい!オレはそういうの好きだぜェ?」

キザったらしくいう男は、マスクをしており、顔は見えない。

更にマントをかぶっている。

椅子に腰掛けていると思ったが、腰から下は無く、浮いていた。

一体なんなんだろうか…。


<えっと、説明します。説明します。えっとですね、私は天使と申します。神様が作ったこの世界のプレイヤーです、はい。

それでですね、えっと、なんと申しましょう。この世界はゲームみたいなものでして、私の他にも天使がいっぱいいるんですが、

 各天使ごとに自分の駒でチームを作って、相手の天使のチームを倒す、というゲームなんです。それでもってあなた達は私の駒…ということになるんですね。>


えっちょっ…、駒!?俺、駒なの!?主人公じゃないの!?!?


<あー、静かに…すいません。続けますね!えっとそれで、どうやってあなた達を選んだかと言いますと、ぶっちゃけ運でして…。

 神様から最初に30スターもらえるんですけど、それで10人までキャラクターが手に入るんです。

 それで出てきたのがあなた達なんです。だから特に理由なく、選ばえたって感じです。すいません…。>


えっ、それってガチャ!?えー!!!!!

俺ガチャで選ばれたのかよ!!!なんだよそれ!!!

わけわかんねぇ…


<ということで、皆さんにはこれから私の駒となって修行してもらったり、街を作ったり、クエストに出てもらったり、

 敵と戦ったりしてもらいます!えー、どれだけ長い戦いになるかはわかりませんが!よろしくお願いします!>

 

こうして俺は神様と天使のソシャゲの駒となった。

なんともやるせない異世界転移だ。

でも来てしまったからにはしょうがない。頑張って…戦おう。

登場人物

松本:しがないサラリーマン。

ウサギの子:ふわふわした耳。ケモノちゃん。スカートが短い。

ゴーレム:デカイ。片言。

サキュバス:胸がデカイ、エロい。

鬼の子:角が生えていてど貧乳。

エルフ:金髪で美人。冷静。

マスクマン:キザ。なんか浮いてる。

天使:なんか腰が低いし、弱気。脳内に直接語りかける。

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