プロローグ
やっぱ異世界転生モノっておもしれ…!!
俺も異世界に行けたならいいのになあ…。
っても現実はそんなコトありえないし、無理無理。
いつもと変わらない日常を過ごすだけ…。
明日も仕事だ、もう2時を回ってる。
早く寝ないとな…。また遅刻してしまう…。
俺は松田勇気。32歳、しがないサラリーマン。
ブラックでもなけりゃホワイトでもない企業に勤めて、
特に友達も彼女も無く、
毎日ソシャゲしたり、なろうで異世界モノ読んで過ごしてる。
名前も特に特徴もないので、あだ名をつけられたこともない。
イケメンってわけでもなけりゃ、ブサイクでもない。
背が高いわけでも低いわけでもない。
成績も良いわけではないし、悪いわけではない。いつもテストの平均点と同じだった。
ちなみにカラオケに行って採点機能を使っても全国平均と同じ。良くも悪くもない。
ただの普通の人間。the平均。
だから絶対に人生ですごいことが起きるなんて思っても居なかったし、
起こるとしても俺じゃないと思ってた。
なのに……。
目が醒めたら俺は異世界に居たんだ。
初めて俺が特別な存在になれたと思った!
ああ、神様ありがとう!異世界が好きな俺の為に、こんな世界を用意してくれて!
――そう思った。
現実は非情だ。
俺は確かに異世界に居た。
だけど異世界に来ていたのは俺だけじゃなかった…。
この世界でも俺は特別じゃない存在だった。