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僕を受け入れてください  作者: 中村アヒル
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6

気を失って見知らぬ部屋で目を覚ました。

何時間、気を失っていたんだろう。部屋の窓から見える景色は夜だった。

どうやら気絶した僕をここまで運んでくれたらしい。


「まだちょっと頭がクラクラする。」


頭を押さえながらベットから起き上がり部屋を見渡す。

生活感はあるが余り物が置いてなかった。


部屋の端の机には綺麗な花を活けた花瓶と写真立てがある。写真立てを覗くと家族写真だった。


僕を助けてくれた女性が微笑んで、まだ生まれたての赤ちゃんを大事そうに抱えその横にたくましく凛とした姿勢で笑顔の男が写っている。


「あれ?この顔どっかで見たことあるぞ」


答えはすぐに出た。さっきまでいた公園の銅像の人物だった。


「……旦那さん凄い人なんだな。」

幸せに満ち溢れているその写真に僕は少し眩しく羨ましかった。



写真に見ていると部屋のドアが活きよいよく開き、ドカドカと少女が入ってきた。


「ヨーヨー!!」僕を見つけるや否や僕の足にしがみ付き顔を見上げ


「ヨーヨーシタハモ?」と無邪気な笑顔で僕を見た。


たしか「シタハモ」は「大丈夫」だったよな。


僕は彼女の頭を撫でながら同じ言葉で大丈夫と返した。


「ウーヨット!!」

といい、彼女は僕の手を引き部屋から連れ出す。


鼻歌まじりで連れて来られた場所は凄くいい匂いがした。

ちょっと大きめのテーブルには丸いパンと四品の料理が置かれていた。


ダメだヨダレが止まらない。それと同時にギュルル〜と大きく腹が鳴る。


腹の音に気づいたらしく助けくれた女性がキッチンから顔をだす。


女性はキッチンからでて僕に近づき


「イーナシタハモ?」


とても心配そうに僕を見つめている。

さっきは必死だったから気づかなかったけど凄い綺麗な人だ。

元の世界にいれば間違いなく女優さんにいても不思議じゃないくらいの美人さんだ。


正直、人見知りだし、美人なれしてないから顔を直視できなけど


「シタハモ…」


僕は彼女の服を見ながら言った。


「エッセイラール!」


女の子が僕の指を引っ張り椅子に案内してくれた。

女の子は僕の座る普通の椅子の横に脚が長い子供の椅子を隣に寄せバンザイのポーズで「テッヘ!」と僕に椅子に乗せてくれと言っているのがわかった。


僕は女の子は抱え子供用の椅子に座らせてあげた。


「アルマー」と言い女の子は二ヒヒと笑いながら僕を見つめていた。

ありがとうと言ってるのだろう、ちょっと照れくさかった。


キッチンからスープを持って女性が出てきた。

アツアツの赤いスープが僕に置かれ彼女は

「アルサレッタルーモ」と笑顔で料理を勧めた。


1日振りにのご飯……伝わらないと思うけど、僕は手を合わせ、感謝の気持ちを込め、二人をみてこう言った。


「いただきます!」


まずは丸いパンをそのまま大口を開きイッキに食らいついた。


「ウマーい!」


モチモチの食感でほんのりとシロップみたいな甘みが口に広がる。


次に肉料理だろうか。さっきから美味そうな匂いは犯人はこいつだ。

口に入れると表面はパリパリだけど噛めば豚の角煮みたいに中はトロトロでこれも凄い美味しい。


他にも見たことも食べたことない料理はどれもおしかった。


「おいしい…おいしい…凄く上手い」

ふと気づくと食べながらボロボロと泣いていた。

急に現実世界からこの異世界きて言葉も通じないし、おまけに魚人とモンスターに追われる始末。

だから二人の優しさに触れて僕は不安と緊張の糸がキレて自然と泣いていた。


二人を見ると泣いている僕を心配そうに見ている。

食べること集中しすぎて二人を置き去りににしてしまった。


僕は二人が心配しないように涙を拭き笑顔をみせて、またご馳走を食べ続けた。


二人も安心したのか、ご飯を食べ始めた。


女の子は僕の言葉をマネて

「イタダキマー!オイシイーイタダキマース!オイチイー」

と手を合わしてはご飯を食べ、また手を合わし繰り返しながら食事をしていた。

その行動に僕は笑ってしまった。

そしたら女性も笑いだした。


女の子は笑っている僕を見て「オイシイー!」そう言って僕に微笑んだ。

僕も答えように「美味しいー」と女の子にいった。

女の子は母親にも「オイシー」と聞いて母親も「オイシー」と笑顔で答えた。


いつも母さん作ってくれたご飯を一人で食べる生活だったからこんなに楽しく暖かい食事は久しぶりだった。



食事は全部残さずに食べた。

女性が暖かい飲み物をだしてくれた。

ハーブティーだろうか。

飲むと身体が温まり心が落ち着いた。


僕には考えないといけない事がある、これからの事をどうするかだ。


女の子声…あの声は間違いなく元の世界で聞いた声だ。

だとしたら、この子が元の世界に帰れる手掛かりだ。

何とかしてこの家に住まわしてもらえないだろうか?…まあ無理な話だろうなあ。

どこの世界から来たかも知れない言葉も通じない奴なんて受け入れくれるのだろうか。


彼女も椅子に腰掛け、僕の方を見た。


「ワークシサム。ト.トヤヌターナ?」


探り探りな表情で僕を心配そうに話しかけてきた。


僕は苦笑いでどう話したらいいか困っていた。

どうしたら、上手くコミニケーションが取れるのだろう。あんなに楽しかった食事だったのに今はちゃんと喋って会話したいが言葉の壁が立ち塞がってはがゆい気持ちになった。


どうしようと考えながらふっと棚の上にスケッチブックと色鉛筆があった。

この部屋を見渡すと女の子が描いた絵が飾ってある。どうやら女の子の遊び道具らしい。


僕は棚にあったスケッチブックと色鉛筆もって絵を描き始めた。


まずは鳥の絵を描いてみた。

丁寧かつわかりやすい鳥の特徴をスケッチブックに描いていく。


「できた!」

描き終わったので二人に見せた。


「サロ!」


女の子が指を指して答えくれた。


次は市場でみた果物を描いてみた。


「キューナ!」


また女の子が答えてくれた。


ねー次は次は?とワクワクした表情でこちらをみている。


次に僕はグルグルと丸を描きグニャグニャと線を入れて二人に見せた。


「ルナー?」女の子は首を傾げた。


「ララールナー?」母親に女の子は尋ねている。でも彼女もわからなかった。


僕もわからないのだから当然だ。


だけど欲しい言葉は見つかった。

よしさっそく試してみよう。

僕はハーブティーが入っているコップを持ち上げ、指でさしてこう言った。


「ルナー」


すると女の子が「ワッウ!」と僕に教えてくれた。


次に僕はあらゆる物に指をさし「ルナー」と聞いた。


棚、スケッチブック、色鉛筆、次々に女の子が答えくれる。


それを僕は忘れないようにスケッチブックに書いた。


昔、テレビでアイヌ民族の言葉を知るためにある学者の先生がこの方法を使ってたのを思い出した。


ルナー?=何?

この言葉のおかげで知りたい物の名前がわかるようになったし色んな単語を知ることで少しは二人とコミニケーションは取れるようになった。


最後に僕はまたスケッチブックにある物を書き二人に見せた。


二人はまた「ルナー」と言いたそうに困っていた。


僕はスケッチブック持ちながら指を自分に指しこう言った。


「シン、僕の名前はシンです。」


スケッチブックには【心】と漢字で書いた。


まずは僕を知って欲しい。

そして二人の事をもと知りたいそう思っての行動だった。


「シン…アラーシア、シン」


彼女は理解してくれたのか少し笑い暖かい表情でこう言ってくれた。


「ダーサ、ヨーヨー!」

女の子は首を振ってこちらを見ていたが、

母親になだめられていた。


そして僕は二人に指を指し


「ルナー」と質問した。


彼女は僕からスケッチブックと色鉛筆を受け取り文字を書き僕に見えるようにスケッチブックを彼女と女の子の間に置いた。


スケッチブックには読めない文字が二つ並んでいた。

彼女は自分の近い方から指で指し


「アイネ」


と言い自分を指した。


次にもう一つの方を指し


「リタ」


と言い女の子の肩に手を置いた。


アイネとリタそれが二人名前。



僕は二人に


「アイネ、リタ、アルマー」


と頭を下げ感謝を込めてこう言った。


この世界の言葉で二人にありがとう言えた事がなにより嬉しかった。


「スタシーシーア」


アイネさんは首を振って僕に気にしないで言っているのがわかった。


「シンレイ。〜●☆×!/#」


アイネさんの言葉が長くて上手く聞き取れなかった。

僕が理解できてないと察したのかアイネさんはスケッチブックに何か絵を描き始めた。

僕の真似をしてくれてるんだろう。


アイネさんは絵を描きを終えると僕に見せた……けど全然わかんなかった。


男が机に上に立って踊っている絵に見えるが多分そ言う意味じゃないと思う。


その、なんだ、アイネさんは凄く絵が下手なんだろう。

リタがゲラゲラ笑っている。

と言うか部屋に飾ってあるリタの絵の方がうまかった。


僕が戸惑っているのを察したのかアイネさんも描くじゃんなかったと恥ずかしそう頬を染めて絵を伏せた。


「ヨット」

アイネさんは席を立ち僕の腕を掴みさっきまで僕が寝ていた部屋にきた。


「アー…ラージ、エウタ」


僕を指しその指をベッドを方を指し、手を合わして首をひねっておやすみのポーズをしている。……そのしぐさが凄く可愛かった。


どうやら今日はベッドを使って寝ていいらしい。

ご飯を頂いたうえに泊めてくれるってなんていい人なんだ。

昨日は野宿だったから(寝てないけど)本当にありがたかった。


「アルマーアイネ。」もう一度僕はお礼を言った。


「スタシーシーア」また気にするなと声を掛けてくれた。


アイネさんはタンスから服を出し僕に着替えるようにジェスチャーしていた。

それからアイネさんは手をふり「ソトルア」と言って出ていた。


多分「おやすみなさい」だろうな…そう思いながら服を脱ぎ始めた。

多分旦那さんの服なんだろう、少し大きく袖が手の甲まできていた。

でもパジャマがわりなら申し分なかった。


着替えを終えるとベッドに横たわりあの二人のことを考えていた。


アイネさんの絵がベットで寝る絵だったのか……全然見えなかった。

絵を思い出してまた笑ってしまう。


あの食事の時間がこの世界に来て一番楽しかった。


でも次第に眠くなり僕はいつの間にか寝てしまった。


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