世界で5本の指に入る勇者ってどうなの
宿泊3日目の朝。
「皆!」
キャロラインがぱたぱたとかけてきた。
「どうした?」
自慢げなキャロラインは、昨日俺が買ったクリーム色の服を着ている。
俺が選んだ服を着てくれるのって嬉しいよね。
・・・別に変な意味じゃないからな?
「あのね、魔力元に戻ったよ!」
「「「やっとか」」」
「やっとって・・・ひどい!」
キャロラインの転送陣の発動にいる分の魔力がようやく回復したらしい。
さっそく、2度目の転送陣を発動。
眩い光が視界を覆った。
「今度は大丈夫だろうな・・・」
耳元で声がする。この声はコネリだ。
「時間かけたから大丈夫。私を信じて!」
「や、それは無理」
即座に否定してしまった俺は悪くない。だって前科あるもん。
不安に思いつつも目をあけたら、そこは、王宮の中庭だった。
どうやら無事、成功したらしい。
兵士達が光をみてわらわらと集まってくる。
ちょっと、こっちにブレードソード向けないで!
勇者一行だから俺ら!!不審者じゃないからね!?
・・・中庭に突如あらわれた時点で不審者か。
焦ってたらきづいた。
あ、これマリアベルちゃんにむけてんのか。
そういや魔王だったわこの娘。
見る人にはわかるよね、この娘結構な魔力持ってるの。
さすがに魔王だなんて気づかれはしないだろうけど。
兵士達をかきわけて、獣人の女の子が歩み寄ってきた。
え、メイド服可愛いんですけど。
ロリってわけじゃないけど可愛い。
猫耳メイドとかヤバい、あの娘のロリ時代がみたい。
「勇者勇士様とそのお仲間でいらっしゃいますか?」
声はなんか、プ●キュアみたいな?アニメ声っちゃあアニメ声。
俺が頷くと、穏やかに微笑んだ。
奉仕してもらいたいね、色々(ゲスい)
「陛下は国会に出席しておいでですので、別室でお待ちして頂いて宜しいですか?」
「ああ、わかりました」
「ではこちらへ」
猫耳メイドちゃんに案内された部屋は、やたら広かった。
流石王宮、今日まで泊まっていた宿屋の部屋の数倍はある。
学校の教室ふたつ分くらいだ。
「こちらでお待ちして頂きます。・・・あちらの方は別室へお連れします」
猫耳メイドちゃんが、マリアベルちゃんの方をみていった。
強大な魔力を感じ取ったようだ・・・・・魔王であるマリアベルちゃんの。
「あの方で・・・間違いないですか?」
え、まさかばれてんの!?
ちょっと、俺、どうするよ。
いいのか、認めちゃって。
罰されちゃうんじゃないの、マリアベルちゃん。tk殺される?
一応魔王だし・・・。
「あの方、魔王ハルスハルトの寵姫か娘か・・・とにかく重要人物でしょう?」
寵姫ぃ?
あ、そっか。
猫耳メイドちゃんもまさか、あんな可愛いロリっ子なマリアベルちゃんが魔王ハルスハルトだとは思わないのね。
拘束してないし広い部屋に興奮してるしw
おまけに俺の買った魔王と思えないような服着てるし。
今日の服はレースのついた絹の、薄紫色の上下セットである。
貴族ご用達の町一番の高級店で買った。tkそこで全部の服を買った。
そんな格好であるということと、
魔王の寵姫だから魔力が強いと考えたわけだ。
俺の沈黙を肯定ととったらしい愛くるしい猫耳メイドちゃんは、マリアベルちゃんに説明しはじめた。・・・・・・面倒くさいしそういうことにしておこう。
マリアベルちゃんも多分1人部屋がいいだろうし。
拘束とかされたくないだろうし。
でもでも、見張りは強化してもらっとこう。
一応俺この世界で5本の指に入るらしいし、その俺と相打ちだし。
3本じゃなくて5本ってとこが悲しいけども。
勇者って普通世界最強の人類の希望じゃなかったっけな?
それはさておき、マリアベルちゃんは世界最恐の魔王だからね。
・・・意外とあっさり相打ちできたけども。
俺を勇者として、わざわざ召喚する必要あったのかなぁ・・・・。