第四話アナザー さらば美浜よ
次の更新は都合により遅くなると思います。 スイマセン! 今回は某ゲームのパロディネタを含んでいますが、知らない人でもわかるようにしておきました。 それではお楽しみください・・・
「こちら美浜。大佐、未だ目標は現れず。田中のみ駅前にいる模様です」
「了解だ。引き続き駅前を見張っているんだ」
俺の名は美浜。またはスネークと呼ばれていたりする。
現在、駅前の草むらで身を潜めているのには理由がある。
それは、俺の所属する
「羽山司を見守る会」が、先日ある情報を入手したことから始まる。
「こんにちわ、羽山司を見守る会。第一回目緊急会議を始める。」
金曜日の放課後。教室から会員以外を追い払ってから、すぐに副会長が開会宣言を述べた。
「今回集まってもらったのは・・・他でもない。羽山司が明日、つまり土曜日に外出する、と言う情報が入った」
副会長は深刻な面もちで続ける。
「問題はこれからだ。羽山司はなんと田中氏と同行するらしい」
副会長は皆の反応を確かめるように、会員達の顔を見渡した。
「なにっ! 田中だと!? 」
会員達が途端に騒ぎだす。
「田中は男性だぞ。司さんにもしものことがあったら・・・!」
「いますぐに田中氏を襲撃するべきだ!」
「会長はなんて言っておられるんだ・・・?」
「ええい!静まらんかっ!」
騒がしい会員達を副会長が一括する。
その一言で浮き足立っていた会員達はぴたりと冷静になる。
「失礼。大声をあげてしまった・・・詫びる」
副会長は愛用の黒縁メガネをとって、丁寧に磨いてから、
「会長はこういっている。 「誰か一人会員から選出して、単独捜査させろ」と」
副会長はまた会員達を見渡す。
しかし誰一人として立候補するものはいなかった。
責任は計り知れないからである。
しばらく重い沈黙が帳を開く。誰が行くのか・・・と。
そんななか、一人の男が名乗りを上げた。
「俺が行く」
美浜だった。 いつものような、ダメオーラは無く。 その雰囲気たるや米国の軍隊さえも圧倒しそうである。
「いいのか・・・?」
「ああ、副会長、任せてくれ」
「・・・わかった。これより羽山司・・・以後ターゲットと呼ぶ、を護衛する任務に、単独であたる会員ナンバー002ミハマを、他のメンバーは全力でバックアップしろ。なお、これより作戦都合上、美浜をスネーク、我輩を大佐とする! 以上だ! 諸君、健闘を祈る」
と、まあこれがいきさつだ。副会長の激励が、今も耳にはっきりと残っている。
「・・・!! 大佐。ターゲットを確認! 今から追跡を開始する」
「了解。スネークくれぐれも気を付けてくれよ」
ふっ、この手のミッションは、ゲームで何回もこなしてきた。
俺は隠れていた草むらから飛び出て二人の追跡を開始す・・・
「君。そこで何をやっているんだい?」
そういって後ろから声を掛けてきたのは、日本の安全を守る正義の鑑、警察官
「大佐・・・すまない。ミッションは達成できなかったようだ・・・」
「スネーク!どうしたんだ!? スネーーーーク!! 」
通信機から響く副会・・・ 否 大佐の声は俺には届かなかった・・・