第三話 出会いはある日突然に
最初に気がついたのは姉貴だった。 ある日の朝いつも通りに起き、部屋から出たとき、ちょうど起きてきた寝ぼけたかおの姉貴に鉢合わせした。
「姉貴にしては早起きだな〜」
とか暢気な事考えていたら・・・みるみる姉貴の顔は驚愕の様相へ、変化した。
「え!?はぃ!?ええと弟がお世話になって・・・あぁ!?朝、ってことはひょっとするともはや事後!?いやはや、いやはや・・・今後ともよろしくお願いします・・・」
・・・・・・?
なんだ? この今まで純情だと思っていた、弟の部屋から、朝、さも当然のように、つい今し方、起きてきた様に出てきた女の子に、遭遇したような反応は・・・
「や、何?」
姉貴は俺の返答も待たずに、下にあわてて降りていった。 まあ、あの姉貴も前々から落ち着きないし、変な人だとは思っていたので、スルーして一度部屋に戻り、雨戸を開けてから、下に降りていった。
キッチンでは珍しく母親も父親も姉貴も食卓についていた。
「おはよ〜」
俺としては超フランクに朝の挨拶をしたつもりだったのだが・・・
「これはこれは・・・司がお世話になっています、私は母の秋子です」
「こんにちわ、や〜、君みたいな可愛い娘、司にはもったいないくらいだよ」
「お姉さんって呼んでね」
と、家族総出演で挨拶された。
や 意味がわからないんですけど・・・
そのうち姉が俺の部屋の方向を見てつぶやいた
「そういえば・・・司はまだ寝てるのかなあ・・・昨日の夜はフィーバーだったのかしら・・・」
や つーか 少し 否 かなり嫌な予感がしてきた・・・
「つーか・・・俺は司なんだけど・・・」
俺は大慌てでキッチンから飛び出し、鏡をみるべく洗面所に飛び込む。
鏡の前に立ち、息を整えて・・・ 鏡の中の自分を見つめ・・・ることはできなかった。
そこには自分は映っておらず、見知らぬ女の子が驚きの表情で見つめ返していたからである。
「これが・・・俺?」