第二話 屋上デイズとコーヒー甘い派
前回の投稿から時間が空いてしまいました スイマセン! さてドアから入ってきたのは誰でしょう? 1・司の幼なじみの女の子 2・どの学校にも必ず一人はいる体育会系教師 3・ちょっとハードなオタク
勢いよく開かれたドアの前に躍り出たのは・・・ 司の幼なじみで、今でもよく世話してくる女の子
ではなく、某電気街で一時代遅れたファッションを着こなして闊歩する たまにマスコミに取り上げられ その特異さから、一般の人には避けられがちな・・・
まあ一言でいうと見た目まんま
「オタク」っぽい野郎だった。
「オレっ娘。大いに結構、結構!しかし、容姿はおとなしい系だからな!一人称はボクなんてどうだ!?」
心底、真性のアホたる存在を証明するかのように、オタクは主張した。
田中はめんどくさそうにに、オタクをちらりと見ると、ブレザーの内ポケットから携帯灰皿を取り出し、まだまだ長さが残っている煙草を惜しげもなく押し付けた。
「あんだよ?美浜。うっせーし、意味わかんねーし」 美浜と呼ばれたオタクは説明しろと田中が言っていると思ったのか、早速得意げに解説を開始した。
「つまりは、だな。普通の女の子の一人称は私ぐらいしかない。だがそこでボクと言うことで幼さと少年っぽさが際だつのだ。無論、一人称がオレと言うのもメリットがある。その女の子が男勝りだった場合・・・アレ?」
美浜がそこまで語っているときには、既に田中と司は屋上から出ようと、 ドア近くまで移動していた。
「おいおい!待たれい!俺の話はまだ終わってないぞ!」
はあ
、ため息をつき田中そして司はしょうがないな、という感じで
屋上から出た。
どこからか風に舞ってきた枯れ葉が美浜の哀愁を一層際だたせた。
「俺って・・・あいつらにとってなんなんでしょうか・・・?ウフフ・・・」
見上げた大空は答えてくれない
美浜の頬を涙が伝った。
「相変わらずだよな・・・あいつも・・・」
司の対面に座り、紙コップのコーヒーを啜りながら田中は、やれやれ
と、という感じに愚痴をこぼした。
学校の一階端に位置するカフェテリアでは、昼時でないにも関わらず、学生で賑わっていた。
「う〜ん、アレさえなければ、良い奴なんだと思うけどね」
司は女の子になってから味覚が変わってしまっらしく、コーヒーがブラックで飲めなくなった。
砂糖を2個、ミルクは一杯、既に自分のコップに投入している。 「まあ、そうなんだよなあ・・・。しかし、司が女になっちまった今。あいつ何しでかすか、わかったもんじゃないからな。司、気をつけろよ」
「いや、美浜はそんなことしないよ・・・多分」 断言できないところが、なんとも言えない雰囲気が漂う。
ふと、司が急に思い出したように、コーヒーをテーブルに置いた。
「田中さあ・・・次の土曜日空いてる?」
「どうした?遊ぶってワケじゃ・・・ないよな」 司は少し迷ったあと、決心したように、テーブルから身を乗り出し田中に耳打ちした。 田中はしばらく普通に聞いていたが、途中で驚き司に質問した。
「はあ?それはお前の姉貴とかに頼めばいいんじゃねえの?」
司には一歳年上の姉がいる。
今年、受験のはずだが特に勉強していなく親はともかく司も危惧しているくらいの強者である。 「あ〜、姉ちゃんは学校で補習くらってるらしい・・・。こうゆうのって・・・まあ・・・その・・・早めじゃないと・・・ね?ダメ・・・かな?」
「や、まあ、そうゆうことなら仕方ないよな。わかった。わかった」 羞恥に頬を染めた司とそのドキっとする台詞に、普段は冷静な田中もドギマギしていた。 「良かったぁ。じゃあ十時に駅前ね。」 司は天使のような笑顔を見せた。