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鑪火の砂漠
砂鑪火の砂漠
この漠には点点と赤く紅く朱く明く緋く赫く、燃える火が萌ゆる。
その火は鑪の火、そこを人は鑪火の砂漠と呼ぶ。
ここは血の匂いがする、むせ返るように砂漠は日照りを増し、心が凍るほど冷たい。
この砂漠には歌が響く、日々鑪を踏む者たちの鑪歌。
井戸には深く深く遠い記憶を投げ捨て、人々は笑いながら。
鑪火が消えることはなく、今も煌々と燃えている。
まるで地を這う龍のように鑪火が揺れ動き、その蠢きに人々は明日を忘れる。
その合間を縫うように列をなす馬が空を飛んでいて、そこから旅人が黄金を売る。
砂漠、鑪火の砂漠。
ここでは全てを燃やしてしまう、その先の黄金を求めて。
この砂漠は、そういう砂漠だ。
鑪火の砂漠
この砂漠には、点点と赤く紅く朱く明く緋く赫く、燃える火が萌ゆる。
僕の黄金を、この砂漠に売った。
この砂漠は、そういう砂漠だ。