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星降りの街
星降りの街
その街には一年に一度「星降りの日」という日が存在する。
その日は夜空の星星が落ちてくる、めいっぱいこれでもかというほどに。
人は言う、口々に朗らかに「空が落ちてくるのさ」と。
誰もが少年のように目を輝かせ、くたびれた日常との決別を込めて。
星降りの街、その街には様々な欠片が落ちている。
この街で欠片を集める、その思いに馳せられたのは絶望か、希望か。
街に降る星は、すべてが輝き誇り高い船頭のように落ちていく。
その姿はまるで、路地裏で全てを見渡す老猫のようで。
それを知る幻影は全てを忘れ去るように、旅人のコートに付着する。
そんな一粒を事あるごとに、何度も、幾度ともなく幸運として売り払う。
この街は、そんな街だ。
星降りの街
その街には一年に一度「星が降る日」が存在する。
僕の星は欠片として、この街に降った。
この街は、そんな街だ。