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第5話 計画

新たに6人登場します。

12月31日 午前8時 


ようやく拓也は目が覚めた。もしかしたら今までのことは夢だったのかもしれないと思ったが、滝上さんの遺体を見て、やはり現実だ、と実感した。


昨日は当分の間眠ることができなかった。寝ようと思っても、滝上さんが拳銃でやられる映像が頭の中に何度も再生され寝ることができなかった。


ふと、周りを見渡すと滝ノ下さんが居ないことに気づいた。


拓也は疲れきった体を、力を振り絞り起こす。


1階探したが見当たらず二階へ行くと、滝ノ下さんがリュックに物を詰めていた。


拓也は不思議に思い、まだ拓也の存在に気づかない滝の下さんに問いかけた。


「滝ノ下さん何をしているんですか?」


「起きたのか・・・、ここを出る準備だよ。」


拓也は驚き、急に不安に襲われた。


「ここに居たほうが安全じゃないですか。どうして・・・」


ようやく手を休め、拓也のほうを向いて話し始めた。


「さっきラジオから緊急放送がながれてきたんだよ。どうやら、崎野小学校に避難所があるらしい。そこに行く。おまえもな。」


自分たち以外にも生きている人が居るということがわかり、拓也は安心した。


30分後


ようやく準備ができた。


「滝ノ下さん。どうやって崎野小に行くんですか?」


滝ノ下さんはそのほうを指差す。拓也はその指差す方向をみた。


そこにはパトカーがあった。

でもその場所は、交番前の片側2車線の道路を渡った先の駐車場だった。


その道路には見る限り10人以上の化け物が徘徊していた。


拓也は肩を落とす。


「どうやって向こうに行くんですか?たどり着く前にやられますよ。」


すると滝ノ下さんは部屋の真ん中にあるテーブルをのけ、床にある丸いふたを開けた。中は暗くてよく見えない。しかし覗いているととても臭い湿った空気が顔に吹きかけられた。


「おえ〜〜!!何なんですか?」


「下水道。」


「俺こんなところ通るの嫌ですよ!!」


「じゃあ残るか。」



渋々拓也は梯子をつかって下水道へと降りていった。

辺りは一面真っ暗。何も見えない。


ようやく下水道にたどり着く。


滝ノ下さんがライトつけるとある程度明るくなった。


「行くぞ!」


パーン!!


突然銃声が聞こえてきた。音が響くためどっちから聞こえてくるのかわからない!


どんどんその音はこっちに向かってくる。

ライトを見えない暗闇に照らして二人は目を凝らす。

しかしまったく見えない。


見えない恐怖はどんどん拓也たちに迫ってくる。

すると突然明るいものが急速にこっちに向かってきた。


「危ない!!!」


二人はすぐに避ける。


その光は二人を通り過ぎて少し明るくなった。


暗闇が少し明るくなって安心したのもつかの間、振り返ると全身迷彩服に包まれた自衛隊員らしき男の人が二人、見るからに悪そうな目つきの悪い男が一人、それと家族らしき人三人、全員がこちらを睨んでいた。


カシャッ!という音とともに迷彩姿の二人が銃口をこちらに向けてきた。


拓也と滝ノ下は瞬時に手を上げた。


「何者だ!?」


もう一人の方と比べ若そうな自衛隊員が怒鳴った。


「な、何者って・・・ただの高校生とただの警察官ですけど・・」


拓也は今にも泣きそうに、声を震わせてつぶやいた。


「わぁりぃ、やつらの仲間じゃなかったのか。」


怒鳴ったほうが急に声を変えていってきた。よく見ると意外に優しそうだった。相変わらず目つきの悪いおっさんはこっちを睨んでいる。


「速く逃げないと!!!!やつらが来る!!!」


家族とおもわれる家族の母親らしき人物が言った。


二人の自衛隊員は顔を見合わせうなずくと、


「こっちについてこい!絶対離れるなよ!」


そういってまた暗闇へと入っていった。それにおっさん、家族もついていく。


「俺たちもいくぞ!」


滝ノ下にそう言われて拓也は頷き、二人もついていった。








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