関西弁版の因幡の白兎
和邇とは船だ(船は和邇である)と、因幡の白兎の物語*に謎々の形ではっきり書いてある。
なぜこのような因幡の白兎になったのかは
https://kaiunmanzoku.hatenablog.com/entry/2016/12/03/174901
をご参照ください。
大国主命 の兄弟は大国主をのけ者にして、「国」という文字が付いとんのは、あいつにはもったいない、不相応やとばかり、 大〇主(大穴文字=大穴牟遅)、「おおあなのぬし」と「国」の字を抜いて呼んでいたんや。
「いっちょう、八上姫をものに俺らのものにしちゃろう」
と、兄弟みんなで稲羽に出かけたときも、大穴牟遲神にだけは袋を持たせて、従者として従えて行ったくらいなんや。
裸のウサギ見かけたときも、
「そのえげつない日焼けを治すんは、海水を浴びて風にあたるとええで、
高い山の風当たりのええ尾根で寝転んでれば治りまっせ」
て、ゆうて、うちら大国主の兄弟たちが教えた。
そやさかいにウサギは教えられた通りにしたんやろな。
ほんならホンマに体中の皮が剥けて、そこに塩が入るものやさかい、痛うて痛うてヒーヒー涙出しながら悶え苦しんどったそうや。
そこに、やっとこさ、どこいしょって大穴牟遲神がやって来て、
聞いたんやとさ「なんで泣いてんねん」って。
その兎が話すことには、
和邇 というんは、うち(吾)とあんた(爾)ということどすえ。ワニちゃいますねん。
「兎度和邇上」と和邇の上を渡るウサギこそは、因幡のウサギ「因幡之菟」ですねん、
だから「稲羽(稲穂)之菟(倭)度和邇上」は、稲穂の倭が和邇の上をわたったという意味ですねん。
つまり「稲を持ちし倭、丸木舟の上を渡る」と読むんや。わかりまっか?
うちは、誰と出会うても恋に落ちんと、また強う惹かれる人も全くのうて、
「今まで、口先だけで、
『うちはあんたのものや、うちはあんたがすきや、うちのひとよあんたは、うちの愛しいあんた』
と私は大勢の求婚者、ワニたち(あなたたち)を騙して、騙し続けて、貢物を仰山せさせよって、ここまでごまかして来たんや。その様子がウサギがワニの上を渡っている風に記されたというわけですねん。
それなのに、最後の最後の貴方様。
大穴牟遲神様、あんたはんに身も心も綺麗にしてもろうたうえに、心まで奪われて。負けましたんや」
うち、あの時、騙したつもりの元カレに騙されて日光の降り注ぐ浜に連れて来られて、暴力的に裸に剥かれてもうて、気ぃ付いたら浜辺で気絶しとったのね。
そやさかい、えげつない日焼けやってん。
そして、日焼けをあんたはんの兄弟の教えてくれた方法で治そうとしたら、火傷が重症化して全身真っ赤々になってもうたわぁて。
これじゃホンマに赤肌のウサギやわ。もうやってられへん。
そんな状態やったんや。
そやけど、あんたはんに教わった方法で日焼け治療を試したら、すっかり元の色白美人に戻れたわ。
えらい嬉しいわあ。
大穴牟遲神さま (⋈◍>◡<◍)。✧♡大、大好きや。ホンマにえらい素敵なひとやと思ってます。
あんたはんの兄弟も、あんさんまでもが、白兎の振りをしとったうちこそが八上姫本人やと気付かへんかったかもしれへんけどな。
知識豊富でやさしい大穴牟遲神さま、うちはあんたはんと結婚いたします。
そう心を決めさせてもらいましたんや。よろしゅうお願いいたします。
このオオクニヌシノカミ(大国主神)と言う方には兄弟が大勢いらっしゃった。
しかし、この兄弟がみなオオクニヌシノカミの「国」の字を抜いてオホアナムヂノカミと呼んで、のけ者にしていました。
のけ者にしていたという意味は、兄弟たちは皆それぞれに稲羽に住んでいた八神姫に求婚したいと思って、そろって稲羽に出掛けたというのに、オホアナムヂノカミ(大穴牟遲神)だけには(兄弟皆の)袋を持たせ、従者として引き連れていたということでもおわかりいただけるでしょう。
気多の岬まで来たとき、肌をさらけ出した兎が伏せっていました。
裸のウサギ(兎)に出くわしたオホアナムヂノカミの兄弟である大勢の神様たち(八十神)はそのウサギに「あなたがまずなすべきことは、この海の潮を浴び、風にその身を曝すことだ、だから高い山の尾根の上で、横になっていると良い」と仰られた。
そのウサギは八十神の教えのとおりに伏せていたが、海水が乾くにつれて、体中の皮のことごとくを、風が吹き裂いて開き、剥き出しにしてしまった。
そういうわけで痛みに苦しんで泣き伏していると、最後に現れたオホアナムヂノカミ(大穴牟遲神)が、そのウサギの様子を見て聞いた「なぜ泣き伏しているのか」と。
ウサギが答え申しあげるには
「私は淤岐嶋に住んでいました。こちらに渡ろうと強く思ってはいましたが、そのはっきりとした理由があったということもなかったのです。
だからワニを欺いて渡ってやろうと思ったのです。
だから、ワニにこのように言ったのです
『私とあなたたち一族とを比べて、どちらが同族が多いか数えよう。できるだけ同族を集めてきて、この島から気多の前まで並び伏しておくれ。そうしたら私がその上を踏みわたり、走りながら数えるよ。そうすれば、あなた方の一族と私の一族とどちらが多いか知ることが出来るだろう』と。
すると、この言葉を信じたとみえて、欺かれたワニは列をなして伏したのです。私はそのワニの上を踏んで数えながら来て、この地に下りようとしたそのときに、私は『お前たちは欺されたのさ』と言い終えようとした、その時、列の最後にいたワニが私を捕えて、衣服をすべてはぎ取ってしまいました。」
このような理由で泣き患っていたところ、先に行った八十神たちが『海で塩水を浴びて、風に当たって伏していなさい』と教えてくださったので、その通りにしたところ、この身は全身まるまる傷だらけとなりました」と申し上げた。
そこで、オホアナムヂノカミがウサギに
「今すぐ川水が注ぎ出ている場所まで行き、真水で体を洗い、その川水の出口に生えている蒲の穂をとって敷き散らして、その上を転がってその花粉をつければ、膚はもとのように戻り、必ず癒えるだろう」と教えた。
そう教えられたとおりにすると、その体は元通りになりました。
これが、稲羽の素兎である。
今では、兎神といわれている。
そのウサギは大穴牟遲神に
「貴方の兄弟たちである八十神は八上比賣を絶対に得ることはできません。袋を背負って従者の成りをしておいででも、あなた様が姫を得られることでしょう」と言った。
そのとおり、八上比賣は八十神に
「あなたたちの求婚の言葉をお受けしません、大穴牟遲神と結婚いたします」と言った。
(了)




