8 helios prologue
ピザが来て、映画を流して、ボードゲームを始めて。
時間はあっという間に過ぎた。
夜は深くなっていく。
レイラは完全にソファに倒れていた。私もノアもお酒は少しだけ。後はレイラが飲んでしまった。私もノアもつくづくいい子ちゃんだ。
「エミリー…」
「なに?」
「好き」
「はいはい」
「ぎゅー」
腰に抱きつかれ、顔を埋められた。
エミリーは笑いながらレイラの髪を撫でる。
ノアは静かに立ち上がり、私にバイバイと手を振った。
そろそろ帰る時間だ。ノア、泊まってもいいよ。とはさすがに言っちゃだめか。
窓の所へ歩く。でも、途中でノアが振り返った。レイラを見ている。その目には未練がハッキリ浮かんでいた。
レイラは私から離れ伸びをする。
ノアが窓を開け、外の夜気が流れ込む。
「帰るの?」
レイラは少し眠そうな目。いや、開いてるか?
ノアがまたも固まった。
「…うん。またね。今日は会えてよかった」
レイラは軽く手を振った。「おやすみ、弟」
ノアは言った。「弟じゃない」
レイラは笑った。「じゃあ、ノアいい夢見ろよ」
彼は窓枠に手をかけ、バルコニーに出る。
でもフェンスに飛び降りる前、
もう一度だけ振り返りレイラをみた。
本当に、名残惜しそうに。
そして静かに隣の家へ戻っていった。
レイラ、追い打ちをかけないで。夢見るどころか寝れないかも。




