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窓の外の世界 恋する勇気のない私たち  作者: chippirock
prologue

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17/33

17 Iris prologue

家でもパーティーはする。

広いリビングにスピーカーを置く。

人を呼ぶ。

酒を開ける。

笑い声を増やす。

静かな家を埋めるために。


その夜、ノアがリビングの外に立ちこちらを見ていた。

十五歳になったノアは、もう子供ではなかった。

まだ華奢だが背も高くなり、顔立ちも整ってきている。

でも、どこか寂しそうだった。

「ルーク。」

俺はソファから立ち上りノアに近付いた。

「どうした。」

「うるさい。」

ノアは苦笑する。

「眠れない。」

俺は少し考え、それから言った。

「明日一緒に行くか。」

ノアは眉を上げる。

「どこに。」

「クラブ。」

ノアは目を輝かせた。


次の日ノアは初めてクラブに来た。

VIPルームの隅のソファに座らせる。

「ここにいろ。」

「うん。」

「酒は飲むな。」

「飲まない。」

俺は念を押す。

「絶対だ。」

ノアは頷く。

ジェイデンが笑う。

「弟か?」

「そうだ。」

「似てるな。」

コナーが言う。

「背高いな。」

ブレアが近づく。

「何歳?」

「十五。」

「かわいい。」

少し口を尖らせたノアに女が近づこうとする。

俺は女の腕をつかんだ。

「やめろ。」

低いく冷たい声が出た。

女は笑って手を上げ引く。

「あら怖いお兄さま。」

ノアはその様子を見ていた。

夜が深くなる。

酒は進む。音楽が大きくなる。

俺はソファにもたれる。

ケイラが肩に寄りかかる。ジェイデンが騒ぎ、コナーが笑う。

その時、リアムが隣に座った。

リアムはこのグループでは珍しく、静かな男だった。

グラスを持ったまま言う。

「なあ。」

俺は視線を向けた。

「ん。」

リアムは少し周りを見る。

酒。女。騒ぎ。

そして言った。

「お前、本気か?」

俺は笑う。

「何が。」

リアムは言う。

「この生活。」

俺は天井を見る。

ライトが回り、音楽が震える。

遠くのソファで、ノアが一人座っている。グラスは持っていない。少し落ち着きなく足をぶらぶらさせ、ただ、静かにこちらを見ていた。

俺はその視線に一瞬だけ合わせた。

胸の奥が少し痛む。

ノアには、こんなふうになってほしくない。絶対に。

俺はグラスを取ったり一気に飲む。喉が焼けた。そして自傷気味に言う。

「楽しいだろ。だからお前もこのクソみたいな世界にいるんだろ。」

リアムは黙る。

「……あぁそうだな」

リアムは苦く笑った。

ジェイデンが叫ぶ。

「次のゲーム!」

音楽が上がる。笑い声が広がる。俺は笑った。

騒ぎの中で、一番大きく笑っていた。笑うしかなかった。

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