表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

22/54

第5話 殺しあう!(その4)

 姿勢を立て直したセーラーが槍斧を振りかざしてミニバンへと駆け寄る。

 その視線の先にはミニバン越しの充駆。

 不意に充駆が身をかがめて車体の陰に消えた。

 セーラーは考える。

 このまま車体を飛び越えるか、回り込むか。

 瞬時に間合いに入ることを優先するなら飛び越えるべきだろう。

 しかし、姿の見えない充駆のそばへ突っ込むのはリスクがある。

 もしかしたらなにか企んでいるのかもしれない。

 単純に自分こっちが飛び込んでいるのを待ち構えてカウンターを狙っている可能性もある。

 ならば飛び込むわけにはいかないと、慎重に車体を回り込むことにする。

 その時、車体の下からなにかが転がり出た。

 “ごおおお”という音とともに火柱を上げて白煙を噴き出しているそれがなんなのか、セーラーは知らなかった。

 初めて見る物体に気をとられたその隙に、車体の向こうから充駆が飛び出す。

 充駆はそのまま飛び乗ったミニバンの屋根を足場にさらに高く跳躍する。

 セーラーは足元から立ち上る煙に顔をしかめながら考える。

 飛び出した充駆が狙っているとしたら頭上からのハンマーの一撃。

 ならばとセーラーは槍斧を両手で水平に構える。

 しかし、直後に受け止めるはずのハンマーの衝撃が訪れない。

 ということは、私の背後に着地しながら同時にハンマーを振り下ろすつもりか?

だったら、その脇腹をえぐるまで。

 そう考えて、振り向きながら槍斧をぶん回す。

 しかし、それも空振り。

 振り抜いた槍斧の数メートル向こうに着地する充駆が見えた。

 つまり、この跳躍は逃げただけ?

 攻撃のための跳躍と思ったのは警戒しすぎたか、買いかぶりすぎたか――そんなことを考えながら距離を詰めるべく走り出そうとした瞬間、セーラーは頭上に衝撃を受けてその場に片方のヒザをつく。

 なにが起きた?

 頭頂部に開いた裂傷からだらだらと滴る鮮血に黒髪と端正な顔を赤く染めながら、めまいと吐き気と激痛に戸惑う目の前に充駆が駆け寄る。手にしたハンマーを振り上げて。

 セーラーは視界を遮る自身の流血越しに不十分な態勢のまま槍を突き出す。

 その先端が充駆の喉を貫く。

 直後、喉を貫かれたままの充駆が振り下ろしたハンマーがセーラーの頭骨を砕いた。

評価をするにはログインしてください。
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

↑ページトップへ