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僕だけは知っている〜〜そこがチュートリアルダンジョンである事実を〜〜  作者: バゑサミコ酢
第2章 ダンジョン試験 頼れる相棒は素っ頓狂な犬 救うは囚われ令嬢
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第74話 レベルMAX

「あらら〜〜? バレた?」

「——当たり前だろ!! 涼しい顔でなしておいてよく言う!」



 そう。この男——さっきから全然本気ではないんだ。

 なんでそんなことが分かったかは……そんなの、戦闘中だってのに涼しい顔でお喋りに夢中でいやがるんだ。余裕も余裕だろう? 舐めプしやがって!!



「お前、レベル相当高いだろう? 一体、いくつなんだ?」

「……ん? レベル?」



 それに、この男は相当レベルも高いはずだ。



「あぁ〜〜あまり人にひけらかす気はないし〜〜普段の俺なら教えてあげないんだけど〜〜君は俺を楽しませてくれたから特別に教えてあげるよ」



 僕が思うに……コイツは……



「自慢じゃないが……俺のレベルは“30”だ」



 やっぱり“レベルMAX”じゃねぇ〜かよ!!



 『レベル30』ってのは現状の人類が到達できると思われる最高レベルだ。


 まぁ、あくまで現状……レベルMAXの後に(仮)がつくんだけど……この話は今はどうでもいい。


 人のレベルが上がると純粋に本人の持つ魔力量が増える。それは簡単に言ってしまえば神器のステータスで【魔力】もしくは【魔防】のレベル30相当と同じである。つまり、僕の神器含めての魔力総量は男の足元にも及ばない。

 かくいう僕のレベルだが……字面的には『本人レベル』+『神器レベル』であるので総合的には“レベル31”相当なんだ。だけど……神器のステータスって、7項目でまばらに強化を施すシステムでね。低レベルでは、言ってしまえば器用貧乏になる。

 【虚影】や【影移動】と特殊な能力、技を使えるようになるんだけど、やっぱり魔力オバケ相手じゃ〜焼け石に水さ。

 武器を扱う熟練度で言っても、僕は戦いを知って2か月弱。それに対して相手は“レベル30”に至るまでの戦闘経験と魔力の扱いを知ってる。いくら僕が神器(秘密兵器)を持っていて戦闘補正がかかったとしても、あの男に敵うはずがないのだ。

 ぶっちゃけ、果敢に戦ってるように見えて、結構〜ビクビクしてるんだよ? 本当だよ!? 

 これ……アイリスとのヒステリック戦闘を経験してなかったら、ビビって戦いになってなかったと思うな。尻尾巻いて逃げてたかも?

 そしてこの時、幸運だったのは、相手が遊び気分でいることだ。

 だから、僕は殺されることなく、均衡した戦闘光景を演出できているんだ。



「——ック!? 舐めやがって……」

「う〜〜ん? 時に……君は、どうなのかな?」

「——ぁ゙ん゙?」

「いや〜〜俺だけレベル公開ってフェアじゃないな〜〜って思ってさ。君はレベル幾つなんだい?」

「——そんなのッ——()()()()だよ!!」

「えぇ~〜そんな嘘付いて……教えてくれないの〜〜?」



 嘘じゃない! ホントだよ! コンチクショー!!


 こう、力の差を見せつけられるとムカムカしてきたな。思わず、僕の振るうレイピアに無駄な力が籠もる。


 と——その時……



「——あらよっと!!」


「——グゥウッッッ!?」



 男の足が僕の脇腹を直撃して吹き飛ばされた。


 あぁ……馬鹿痛い……。


 クソ! 蹴りとか、チビな僕への見せつけか? リーチが全然違うんだよ! 

 僕は、受け身を取って飛ばされながらも男を睨む。そして、手頃な瓦礫の影に姿を隠す。もう息も絶え絶え、クソガキの体力は限界が近い。



「あれれ〜〜もう限界なのかな〜〜? あっはは〜〜♪」



 このときは男は追撃をかけてこなかった。脇腹を押さえて慌てて隠れる僕のことを嘲笑うかのような挙動で、どこまでも楽しそうに笑う。


 本当、馬鹿にしやがって!!



「ねぇ~〜他に技とかないのかい? 君みたいな面白い奴はなかなかお目にかかれないからさ〜〜。もっと楽しませてくれないか〜〜?」



 と、男が喋っているが……



 さて——どうしたものか?


 





 












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