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僕だけは知っている〜〜そこがチュートリアルダンジョンである事実を〜〜  作者: バゑサミコ酢
第2章 ダンジョン試験 頼れる相棒は素っ頓狂な犬 救うは囚われ令嬢
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第41話 3度目の正直“だけ”駄目ってこともあるのね

 ——というわけだ。


 その後、ティスリさんとは、当たり障りのない会話をして別れた。

 そこから今日に至るまで、彼女含めストライド公爵家の人間とは会ってない。


 とは言っても……


 公爵家が総力を上げて大捜索をしているんだったら、しみったれたクソガキである僕が率先して表立つ必要は微塵もなさそうだし、『気にするな』『オマエは悪くない』とお墨付きまでもらったんだから、関わる必要はないだろう。


 僕の出る幕じゃないからな。無視だ無視……


 どうか無事に見つかることだけを願っているよ。南無南無。



 さて——



 そんなことよりも、僕にとって一番大事なのは、今この時に他ならない。頑張って寮費を稼ぐことに注力せねば……


 では……


 僕の相棒だが……さて、誰かなぁ〜〜と……


 

「……じぃ〜〜〜〜」



 ——ん? なんだろう。以前にも感じた視線が……






「——ッ!? うお!?」



 背後を振り返る。すると……あれ、またこの子?

 薄緑の癖っ毛にケモ耳のワンちゃん女生徒だ。てか……この子、同じ冒険科の生徒だったの? よく、今まで気づかなかったな?


 ——ん?


 彼女は1枚の紙を持っている。そこには『11』の数字が書かれている。何故、僕に見せるように持ってるのかはわからないが……

 でだ——あら、不思議〜〜僕の手にした紙にも、なんと『11』の数字が書かれているではありませんか!



「「…………」」



 そして、僕とそのケモ耳ちゃんは、なんか無言で見つめあったね。なんだろう、この時間は……?



「えっと〜〜」


「——ッビクン!!」



 僕が声を出すと毛を逆立てて驚いていた。心なしか、サァ〜っと顔色を青くして震えてるんだが……

 そんなに驚くか? ちょっとショックなんですけど……僕のガラスのハートがブレイクしてしまいそうだよ。


 僕たち、薮の中で会った仲だろう? こうして面と向かったのは、3度目だ——ていうのに……酷くないかい? 


 もう一度モフモフしてやろうか? チクショウ!



「君、11番だよね」

 

「——ふぇえ!? え……うん……」


「僕も11番なんだよ」


「——ええ!!??」


「…………」



 何故だ——!? 僕はもしかして、嫌われているのか??


 ティスリさん……あなた噂を公爵パワーで踏み潰したと言ってませんでした? これ、噂がまだ消えてないんとちゃいます?? 

 ははは……心が苦しい。妹から蛆虫を見るような視線を向けられても絶え切った僕だけど……モフっ子からの拒否はちょっと堪えるぞ。可愛い猫に『フシャー!!』言われて、嫌われたのをイメージしてご覧ください。そんな感覚だから。



(——オ、オ、オ、オバケさんとペアだぁああああ!!??)



 なんだって嫌われてるんだ。


 一応言うけど……僕は女の子に嫌われることはしないからね? スライム君に誓ってもいい!! 


 ……え?! せめて神に誓え?? 


 馬鹿だな……居るかどうかも分からん偶像に誓ってどうするんだよ。


 スライム君とは、僕にとって1番の偉大な理解者だぞ? 


 あとのは全て偶像だ!!







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