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僕だけは知っている〜〜そこがチュートリアルダンジョンである事実を〜〜  作者: バゑサミコ酢
第3章 ダンジョン攻略は思いがけない出来事の連続
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第132話 さて……狩り(レベル上げ)の始まりだ!

 ——ビクンッ!? 



 「うぅ……寒気が……」



 何か変だな。一瞬、殺気のようなモノを感じて思わず身体が強張った。

 

 う〜〜ん? 僕は恨まれるようなことした覚えはないし、こんな人畜無害ウィリアちゃんをまさかまさか『殺そう』と思う人物はいないでしょう? 


 う〜ん? いないよね? 


 うん! いないはず!!


 そ、そうだ! きっとそんな気がするぞ!!


 寒気なんて気のせいだよな! ははは〜〜♪


 さて——謎の殺気については置いておいてダンジョン攻略を進めよう! こんなの気にしてたって仕方ないし、もっと建設的なことに時間は費やすべきだ。

 

 それにさ。僕の目の前には……



「——ウギャギャ!!(獲物だぁあ!!)」



 薄汚い腰布に緑の肌を持つ生き物が居る。目は血走り手には手作り感満載の石斧。

 興奮状態のソイツは今にも手にした凶器を僕目掛けて振りかざしてきそうだった。





〜〜ゴブリン が 現れました!!〜〜





 こいつの名前は【ゴブリン】——俗に“小鬼”と呼ばれる魔物である。僕のレベル上げのための本日のターゲットだ。

 ポッピーと別れて、僕は6階層に繋がるゲートがある方面へと崖を飛び降りていた。

 飛び降りたって言っても本当に飛び降りたわけでなく、魔技【影移動】で降り立っているんだが、僕の早る気持ちが『飛び降りた!』と表現に現れてしまっているのだ。

 それもこれも……僕は目の前のコイツを屠ってレベルを上げてしまいたいのだよ!

 駐屯地を超えた先はいよいよ魔物が襲ってくるようになる。

 ゴブリンってのは、本能のままに行動する馬鹿な生き物——一体一体はそこまで強くはないがゴブリンは群れを形成することもあり、脅威なのは数による物量。ゴブリンを相手にするときはなるべく死角をなくして取り囲まれないようにするのがポイントだ。



「——グギャオ!(喰らえ!)」



 だが、こんなのに囲まれたってどうってことはない。むしろ群れてくれるのは今の僕にはありがたい限りなのだ。

 今、目の前に居るのは1匹のゴブリンだけだ。そしてまさに攻撃を仕掛けてきた。

 大きく石斧を振りかざし、僕目掛けて飛び込んできている。もはや『クソ』が付くほどゆっくりで隙だらけで鈍重どんちょうな攻撃だ。

 ポッピーとのハイスピードバトルの弊害かな? 高速飛来の魔弾と比べてしまうと欠伸が出てしまうほどの攻撃の速度だった。

 いや、これを攻撃と言っていいのだろうか? こんなの止まってるのと同じじゃないかな? 

 ゴブリンは馬鹿な生き物として知られている。人の形をした生き物であるが人間と比べると体格は小さく脳みそも小さい。

 コイツは本能に任せて飛びかかって攻撃してきたんだろうけど、こんなのは斬ってくださいと言ってるようなモノだ。空中に飛んでしまったら回避はできない……な〜んて考えてすらいないんだろうな。本当に呆れた生き物だよ。



「——フンッ!」

「——ギャア!?」



 僕のやることは1つ——レイピアを横に薙ぐだけだ。ゴブリンは悲鳴を上げ、その身体は半分に別れた。



「ゴブリンよ。恨んでくれるな。僕は襲われたから反射的に迎撃したまで……これが弱肉強食の世界なのだよ」

「…………」

「って、もう反応できないか?」




 僕はそんなゴブリンに教えを解くが、コイツはもう生きちゃいない。一撃の元に葬られ地面に2つの沈黙の肉塊が転がっているだけだった。

 


「君の死は無駄にはしない。僕の経験値として生き続けるさ」



 すると、身体に暖かいモノを感じた。

 これはもしかしてレベルが上がっている兆候かな?



「この程度ならまだ全然いけるな……」



 そうとあれば、次のターゲットを探そうか。



「……お!」



「ウギャギャ!」

「ギャギャア!」



 ちょうど、近くにゴブリンの気配もある。


 神は言っている「レベル上げしなさい」と……!


 これは絶対に“神の思し召し”だろう?! って感じでタイミングバッチリ〜なゴブリン出現の兆しだ。

 

 僕は神に愛されていたぁあ!! 神なんて信じないがな〜〜♪


 さぁ〜『レベル上げ(狩り)』の始まりだ!



 










 



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