ペットショップが大好きだったのに
私は昔、ペットショップが大好きだった。
ペットショップに行くと、可愛いにゃんこやわんこに会えるから。
ガラスケースの向こうで瞳を煌めかせる、仔猫。
人を見たらぴょんこぴょんこと跳ねる、もふもふのわんこ。
そのにゃんこやわんこたちに会いたくて。
どこかの大きなお店に出掛ける時にそこにペットショップがあると、必ずと言っていいほどペットショップを覗いた。
見るだけ、だ。
ただ、この可愛らしいにゃんこやわんこが見たくて。
にゃんこやわんこ以外の小鳥や爬虫類とか、あまり日常で見かけないちょっと珍しい動物たちが見たくて。
私はペットショップに入っていた。
見るだけの、ために。
けど、大人になって。
ペットショップが苦手になった。
子供の頃はとても大好きだったのに。
今はペットショップの傍を通るだけで、胸が苦しくなる。
たぶん、あんまり考えてはいけないのだろうけど。
「人間」である以上、それはたぶん当たり前の光景で。
同時にやはり、人間は残酷な生き物だと思い知らされる。
胸を痛めるだけで、どうすることもどうにかすることもしない。
できない、と思っている。
私こそ残酷な人間でそして、偽善者だなって思う………