表示調整
閉じる
挿絵表示切替ボタン
▼配色
▼行間
▼文字サイズ
▼メニューバー
×閉じる

ブックマークに追加しました

設定
0/400
設定を保存しました
エラーが発生しました
※文字以内
ブックマークを解除しました。

エラーが発生しました。

エラーの原因がわからない場合はヘルプセンターをご確認ください。

ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
17/33

間幕 ――女神たち――

 異世界の上位階にある神界。


 そこに存在する女神たちは、異世界の崇拝の対象となっている。


 女神たちは異世界を自由自在に操る絶対の支配者ではないが、その手は広く大きく深く、異世界に伸びている。



 ◇◇◇◇◇◇



 その神界。


 広い、とても広い大広間にぽつんとテーブルが一つ。そこに二人の女神が座っていた。


 シロの女神。長い白髪を床にまで伸ばした美女。


 クロの女神。長い黒髪を床にまで伸ばした美女。


 白の女神が黒の女神に語りかける。


「勇者を宣託で選んでシロエルを付けたのだけど、思うようには動かないものね、黒」


「そうね、白。こちらが選んだ魔王にはベルフェゴールを目付けにしたのだけど、魔王はベルフェゴールの指示を無視して勝手に動いているわ」


「でもそれが醍醐味というか、楽しみでもあるから」


「どちらが勝つか賭けをしましょうという話から始まったこの『勝負』。『運命の対決の時』に至るまで、私たちの永い時間の一時を楽しませてくれれば、この魔王と勇者の『闘鶏』『闘牛』は娯楽として合格なのだけど」


「魔王は勝手にやり直しをしはじめて」


「ええ。勝手ね」


 白の女神と黒の女神が、同時に笑い声を漏らす。


「この結果、どうなるかしら?」


「本当にどうなるかしら? 魔王の『やり直し』は上手くいくかしら? あるいは失敗するかしら? 対決よりもそちらが娯楽の本筋になってしまっているけど、私としては不満はないわ」


「二人に付けた使徒たちはどう動くかしら」


「そうね。あの二匹には、『運命の対決の時』での八百長を阻止する審判者としての役割しか命じていないから……あの二匹の動きも不確定要素。それも含めて存分に楽しませてもらいましょう」


 ふふふと、二人の漏らした声がただただ広い空間にこだまする。


 勇者ハルトと魔王ミツキの運命は、本人たちが知る由もない高みから見下ろされている。

評価をするにはログインしてください。
この作品をシェア
Twitter LINEで送る
ブックマークに追加
ブックマーク機能を使うにはログインしてください。
― 新着の感想 ―
このエピソードに感想はまだ書かれていません。
感想一覧
+注意+

特に記載なき場合、掲載されている作品はすべてフィクションであり実在の人物・団体等とは一切関係ありません。
特に記載なき場合、掲載されている作品の著作権は作者にあります(一部作品除く)。
作者以外の方による作品の引用を超える無断転載は禁止しており、行った場合、著作権法の違反となります。

この作品はリンクフリーです。ご自由にリンク(紹介)してください。
この作品はスマートフォン対応です。スマートフォンかパソコンかを自動で判別し、適切なページを表示します。

↑ページトップへ