異世界に来た、チートもある、ならば次は恋愛でしょ〜異世界で身分違いの恋をしたので成り上がろうと思います〜
ふと気がつくと知らない森にいた
「なるほど、知らない場所だ」
聞き馴染みのない生き物の鳴き声、変わった空気、よく見ると見たことのない形状の生き物や植物、溢れ出んばかりの既視感から自身が異世界に来たということを理解した。
(となればやることは一つ)
「ステータスオープン」
そういうと目の前に想像通りのステータス画面が表示される
[名:トコロバ ツトム HP:108 攻撃力:130 防御:95 魔法:80 魔法防御:85 素早さ:102]
「高いのか低いのかがわからないな.スキルらしきものも見当たらない」
(まあ高いのだろう異世界だし、100超えてるステータスもある。ステータスも見たことだ、探索するとしよう。)
「あ、馬車だ」
(10を超えるの馬車の中央に一際豪華な馬車がある周りのは護衛か?)
「この距離だと見えないな視力を強化したり出来ないだろうか。」
そう思っていたらできた、世界は割と都合がいいらしい。
「…ッ」
言葉を失った、美しかった、好みだった、多分これは恋というやつだろう、ともすればやることは一つ
「この気持ちを成就させよう」
こうして方針は決まった
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我が姫追っていたら街に着いた、結構な大国だった。
(しかしあの護衛たちは十分とは呼べなかったな、我が姫を狙う俗物達に接近されていたではないか、私が始末したから良かったものの全く…)
力についてもある程度理解できた、私の考えつくことはある程度実現できる、このある程度がどこまで可能かが未だに判明していないのが不安材料だが。
「ともあれまずは情報収集だ。異世界なのだから冒険者ギルドらしきところにでも行ってみるとするか。」
掲示板に集まる人々、芸をする旅芸人、走り回る子供達、大国故にか結構な賑わいを見せていた。
それなりに歩いて目的地と思われる場所に着いた、どうやら文字も読めるらしい気の利く異世界だ。
「冒険者ギルドへようこそ!本日はどのようなご用件で?」
中に入り受付嬢らしき人のところへゆく
「冒険者になりたいのですが。」
「新規での登録ですね。ではこちらの魔法鑑定装置に触れてみてください。」
「魔法鑑定装置?」
「はい。人間は生まれつきの魔法才能があります。その才能を鑑みてどのような仕事が可能かを判断して、仕事の仲介を行うのが冒険者ギルドの役割です。」
「才能をがないと魔法が使えないのですか?」
「使えるのですが、文字通り命を削ることになってしまいます。そのようなことがないようにこうして魔法の才能を測っているのです。」
(そういう感じか、私の魔法のステータスは80、100を超えてはいないが高いのだろうか。我が姫を狙う俗物と戦った時に考えうる限りの魔法は全て使えたからおそらく高いのでは?とりあえず装置が破壊できたなら高いということにしよう。)
板のような装置に手を当てると変な煙を出しながら爆発した。想像通りの壊れ方だった。
「こ、壊れた…」
「すみません、この場合はどういった判断が。」
「私もこんなことは初めてで、というかこんな現象一度も報告されて…」
(驚いたり、慌てたり大変だな)
この後、裏に通されて再度計測したが同じ壊れ方をした。冒険者にはなれたが、装置2台分を稼ぐ羽目になった。
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冒険者になって結構経った。先立つものとしてお金をある程度稼ぎ、冒険者仲間とも仲良くなった。そろそろ我が姫と結ばれるためにいろいろ考える必要も出てきた。冒険者としてギルドでいろいろ情報を集めたところ我が姫はそこまで有名ではないらしい。それでも沢山の護衛をつけていたところから身分は高いと見て取れる。
(貴族の家系の人は国の中央に住居を構えているらしいので行ってみるとしよう。)
中央に来てみたが、結構な数の豪邸が建っている。大国なので貴族の家系の人が多いのは想像できるが、多すぎないだろうか。我が姫を探しにくくなるから正直減って欲しい。
(とりあえずあの一番大きい屋敷から行ってみるか。)
気配を消して屋敷に侵入する。中はかなり数の成金趣味のインテリアや忙しそうに仕事をする使用人達がいた。
その中の紅茶的な物を運ぶ使用人についていくと、いかにもな奴らが何やらあくどい会話をしていた。内容は奴隷がどうとか薄汚い下々がどうこう話していたが我が姫に関係がないなら正直どうでもいい。しかし、使用人がやってこないのでドアがひとりでに開く怪現象を起こして気づかれないようにするために特に見た目がいいわけでもないどうでもいい会話を聞くハメになった。かなりイライラ。すると何やらよくわからん隠し通路から隠し部屋に行きだしたので後をついていく。するとこの手の人たちが好きそうな見た目の奴隷が結構な数繋がれているではありませんか。暫定悪そうな人たちから悪い人たちにグレードアップした彼らは奴隷に見ていて嫌な気分になることをした後戻っていきました。さて、そうなると悩みます。果たしてこの奴隷的な人たちを助けるべきなのか。助けるだけなら簡単です。さっきの貴族の的な人たちを家系図的なのを見ながらさっくりいけば簡単に終わります。しかしそんなことをしてしまっては犯罪者です。ただでさえ不法侵入しているのに罪を重ねようものなら、我が姫と結ばれる可能性が下がってしまいます。頼まれてもいないのにそんなハイリスクローリターンなことを好んでするわけにはいきません。しかしあの手の人たちを生かしておくといずれ我が姫に手を出すかもしれません。そうなる可能性が浮かんだのであの貴族たちを生かしておく選択肢が無くなりました。となれば助けるか否かは本人に聞くことにしよう。
(気配を消してるのを解除してと)
突然現れた私に奴隷の中でも凄そうな人が驚きます。なんかいろいろいっていますが生きるのが嫌になってるぽいです。そうと決まれば話が早いです。なんかすごい悪魔的なやつを召喚してここの貴族さっくりするから生贄になってと、伝えます。すると奴隷の人は喜んで生贄になってくれるそうです。ありがたいね。そうと決まれば全は急げ、この場にいる奴隷全てを生贄に悪魔的なやつを呼び出します。奴隷の人がいろいろ要望を出して高い所にいきました。行く時には感謝もしてくれたので、気分が良くなるね。悪魔的なやつはデカくなると屋敷を壊しながら貴族をさっくりしました。土地の広い屋敷を選んでおいてよかった。
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瞬間移動的なやつで外に出て、崩れてゆく屋敷に向き直ります。
(ここであの悪魔的なやつを倒せば、一躍有名人。我が姫に近づける可能性が上がり、ハッピーエンド一直線。なんと完璧な作戦。)
『我が名は冥界の悪魔ガロデロス。この世に破壊と混沌を齎すものなり。』
周りには逃げ惑う人々、雰囲気作りもバッチリ。いい悪魔。
「そんなことをさせるわけないだろ!」
『ほう、我を召喚したものが我を否定するか…面白い、その力を示してみよ!』
ガロさんが目から紫のビームを出してきた。すごい。こっちも炎の魔法で対抗する。
「火炎弾!」
拮抗した力が爆発して、頬を熱い風が撫でる。結構強い。
『ほお、面白い力を使う。』
するとガロさんがなんか意味深なことを言い出した。当然どういった力が知りたいので聞いてみる。
「私の力を知っているのか?ガロデロス!」
『貴様のその力は、誰しもが持っている人の可能性の力。寿命を削り、己が限界を越える力。通常の人間ならばここぞというときにしか使わぬ力よ。」
「わ、私は寿命を削りながら戦っていた…?」
『ほう、気づいていなかったのか。普段から使っていたのなら一体どれだけの寿命が残っていることやら。』
「そ、そんな…」
『ハハハ、死ぬのが怖いか。なら我と契約するといい。さすれば永劫の命を貴様に「寿命程度でいいのか」…何?』
「寿命程度で思い描いた力を我が手に、我が姫と繋がれるまで道を作れる…最高だな!」
『…狂ったか』
「否、愛した瞬間から狂っているよ」
(自身の思い描いた力を寿命を代償に使う、おそらくステータス画面や装置の破壊は私がそう思い浮かべたからか…なら)
私の中の何かが消えて代わりに凄まじい力が渦巻く、途方もなく大きい私の愛の力
『何ッ!?そのような強大な力を使うのにいったいどれだけの寿命を削った!?』
「たかだか20年程度でこの威力、人間って最高だな!」
『何故そこまでの力を躊躇なく使える!?』
「さっきから言ってるだろ、愛だよ!愛!」
(いい光だ。そうだ名前をつけよう。貪るような呪いのような素晴らしい私の光)
「決めた《カースマルツゥ》」
私の愛がガロさんを捉えて大爆発、こうして世界はまた平和になった。めでたしめでたし
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あの後探偵的な人のせいで私が犯人だとバレて、悪い人たちの悪事を露呈させることもできないから秘密裏に国から追放された。秘密裏である点から犯罪歴がついたわけではないのでいかようにも挽回できるが。そもそも国に入りづらくなったのでトータルマイナスだろう。しかし、私は我が姫と結ばれるのを諦めた訳ではない。
(この地位から成り上がって見せようか。その方が物語的でとてもいい。)
とりあえずまずは寿命を延ばすところからだな。思い描いたことができるなら寿命を削って寿命を延ばすぐらい容易だろう。
裏設定的なものとして、根底は同じ世界なので昔の人より現代人の方が長寿なのは寿命を削る場面が少ないからとか考えました。