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ウィーケスト・アーミー  作者: 神楽阪 舞
第1章 「はじまり」の出会い
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宇宙から降り立つもの ~相容れぬモノ~

【隕石落下ポイント】

俺たちは調査名目での潜入のため、隕石に偽装された戦艦に向かい移動を開始した

全員、服装など見た目は「研究者」の成りだが、それぞれスタンスティック、スタンガン、パラライズガンを仕舞い込み、突発事象に対処することとしている。


「しかし、これはまた大層な代物だねぇ」

「ああ、こんなものが墜ちてきて生きてたと思うと、奇跡に思えるな」

今、俺たちの前にあるのは高さが何百メートルとあるだろう、空高く聳え立つ岩のような物質

幅は、優に50メートルはあるだろうか

そしてその周りには無数のクレータができており、地面は衝撃と熱波の影響だろうか

無数の亀裂と一部がガラス化していた


「そういえば隊長は先の戦闘中にこちらの落下衝撃で負傷されたと」

「だねぇ。陣地に運ばれてきたときは正直『ああこれはダメだ』と思ったよ」

・・・カプセルから出たときにエマから聞いたが、本当に生きてるのが不思議なぐらいの重症だった

まぁ、思い出すのも酷なので止めておくが・・・


「では気を取り直し、周囲の捜索を始める、エマ、入口らしきものをスキャンしたら知らせてくれ」

「了解だよぅ」

「アエルはエマの護衛、ルルベルは俺と周囲の状況チェックだ」

「了解しました」

「了解」

・・

・・・

どれぐらい経過しただろうか、幸いに帝国軍の姿は見当たらない

これだけ何もない地平が広がっていて、かつ警戒されていて当然のはずだが・・・少々妙である

「隊長、入口と思われるものをスキャンしたよ、たぶんこれ、もう解錠されてるねぇ」

エマはやや苦い表情を見せる、先を越された悔しさか、はたまた別の意味か

「了解。全員に通達、これより内部に侵入、調査を開始する」

さぁ、鬼が出るか蛇が出るか、覚悟を決めて突入するか


決意を固め突入した瞬間、俺の脳裏に突然少女の姿が鮮明に映った

(!?)


”あなたは・・・いつかの人間・・・助け・・ほし・”

(な、なんだ急に?!これは一体ッ・・・?!)

”望まぬ・・・異なる・・・悪・・・助け・・・・・”

(一体、なんだこれは?!)


・・

・・・

「・・・ト、ザラート?」

アエルに呼び掛けられ意識が戻る

「あ、ああすまない、ぼーっとしていたようだ」


先の少女は・・・そうだ、あの光の中で見た女性

しかしなぜまた。そしてなんだ、助け・・・助けてほしいといったのだろうか?

なぜ?望まぬ?異なる??一体何のことだろうか?


色々なことを思案していると突然甲高い、独特の高音と共に足元に銃創が走る

「っ!敵?!」

「総員散開っ!」

やはり実戦経験が少ない分、散開にもたつき時間がかかる

幸いけん制射撃のようで被弾はないが、明らかに初動が遅い


今の一瞬でエマは完全に戦意喪失、アエルもルルベルも震えているのが見てわかる

「アエル!ルルベルはそのまま隠れてエマの護衛に回れ!俺が突貫し無力化させる!」

「隊長?!」

「大丈夫だ、そちらは任せたぞ!」

俺は一気に物陰から飛び出し、相手に向かってダッシュをかける。幸い相手は2名のようだ

当然相手も俺が銃撃の合間にダッシュで突入してくることは予測済み、今度は確実に狙ってくるだろう

が、そこを逆手に取る!

「ここだっ」

俺は手に持ったスタンスティックを相手めがけて投げつける

敵は突然飛来する物に一瞬注意が逸れる

その一瞬でも相手の注意を逸らすことができれば十分。銃撃の瞬間、その投げ放たれた物体に意識を引っぱられ狙いが逸れる

その隙を見逃す訳はない


一瞬をつき、パラライズガンから麻酔弾を撃ちだす

射程が短いが当たれば即効性の麻酔だ

1人はその場に崩れ落ちる、が、もう1人には効いていない

「な、機械兵士(メカノイド)か?!厄介なっ」

先の精確な射撃はこいつが行った、しかし所詮はメカノイド、弱点は

「くらえっ」

スタンガンの出力を最大にし、メカノイドに押し付け電撃を放つ

多少の耐性は備えているものの、出力最大、所謂「リミッター解除」の電撃を浴びて機械たるもの、無事でいられるわけがない

がくん、とメカノイドの関節がすべて垂れる

「よし、敵の無力化に成功。全員無事か」

「こちらアエル、全員の無事を確認しました」

「了解、こちらはオールグリーン、合流されたし」

「了解」

懸念通り、戦闘になると危険だな・・・


しかし、この懸念はいい意味でも悪い意味でも無意味となった

いい意味では、これ以降帝国軍と遭遇することはなかった


悪い意味では・・・

「な、なんだこれは・・・」

「帝国兵・・・」


「・・・死んでるねぇ」


そう、目の前に広がっていたのは

帝国兵が死んでいるという光景だった

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