蒼よりも深き崩国 ~重なるは偶然の運命の糸~
※15禁でしたら、これぐらいの描写なら大丈夫でしょうか?
ちょっと不安です・・・ダメなら修正します!!
【帝国軍・アクアス駐留軍 捕虜留置場】
帝国軍の謎の部隊に襲撃され、捕虜となってしまったファナン
恐怖、孤独、絶望・・・
ファナンは独り、涙を流していた
(ザラート・・・私、どうしたらいいの・・・?)
ガチャリ、と部屋の一角から音がする
ビクッとファナンは身を震わす
「ほぅ・・・我々を打ち負かしてきた敵兵と聞いていたが、これはこれは・・・なかなか」
「はっ。先の戦闘で例の部隊が捕らえた指揮官クラスと思われる人物とのこと」
声質から、男が2名・・・話の内容から、上官クラスだろうか?
「さて、副官殿。我々は今まで手痛くやられてきた、そうだな?」
「は、はぁ・・・そうでありますが」
「ふん、物分かりが悪いな君は。いいかね、こいつは敵の指揮官クラス、"尋問"すればいくらでも有益な情報は得られるのではないかね?」
「は、はぁ・・・しかし、いかに敵兵とはいえ、不必要な尋問は戦時条例に違反する行為で」
「君、こういうものは『時と場合』によるのだよ。必要とあれば執行する必要がある、判るかね?」
「・・・」
「まったく、無能な副官を持つと苦労するよ。ふん、君は持ち場に戻り、次の作戦案を検討してくれたまえ」
「はっ・・・直ちに」
1人はこの場から去ったようだが、一番厄介な相手が残った・・・
「さて、君たち連合軍にはいい様にやられましてねぇ・・・」
パチンッ!
いきなり右頬をぶたれた
「忌々しい、連合軍の指揮者、聞けばその兵も女性ばかりというではないか!」
パチンッ!!
さらに右頬をぶつ
「全く、我々の出世街道をこの様に邪魔されては、怒りが収まらん・・・まぁ、しかし、だ」
ねちゃぁ、と気色の悪い粘着質な音を立てて、ここの上官と思わしき人物は言う
「帝国軍の威厳というものを、連合軍の兵士にもしっかり味わって頂かねばならないな」
突然、私は上半身を持ち上げられる、私の胸を鷲掴みにして
「ひっ!?」
「ははは、指揮官殿が情けない声をあげられる。一軍人でしたら、それぐらいの覚悟はできているものと思っていたが・・・いやはや、これはしっかりと"教育"しなければ、ねっ」
そう言って私の下着を大きく引っ張り、そして完全にずらされる
「くぅ・・・」
「おやおや、これはまたご立派な。はぁ、さてはコレで上層部に好かれて今の地位を得たのかね・・・まったく、これはしっかりと教育しなければ」
見知らぬ相手に辱めを受け、ファナンは恥ずかしさと悔しさから口を堅く結び、しかし目隠しの上からでも判るほど顔を紅潮させ、そして涙で目隠しを濡らしていた
「ははは、気が強い子だ。ますます教育し甲斐がある!と、これも教育には必要ないな」
そう言って、奴は私の下半身を護っているショーツにも手を掛ける
「ひっ・・・いやっ!それはっ」
「抵抗しても無駄だ、我々に楯突く連合軍にはこのような教育が必要・・・あ?」
ショーツを大きくずらされた瞬間、私の目の前に一凪の風が流れた・・・様に感じた
「ぇ・・・」
「ぁ・・・?」
私と相手の声が重なる
「ああああああああああ?!?!」
一際大きい声を上げる上官
私の体に何か生暖かい液体がびしゃびしゃと降りかかる
程なくして、それが「血液」であることを察した
「まったく。基地司令たるもの、そのように堕落しきっているとは、僻地の軍は腐りきっているわね」
突然、何の気配も感じさせず現れた・・・声からして、女性のようですが・・・?
「・・・ふんっ」
私の方に一陣の風が吹き込む
先のように斬られる、かと思ったが、そうではなかった
目を覆っていた目隠しが切れ、はらりと足元に落ちる
それと同時に、私の両腕を、そして足の自由を奪っていた枷も真っ二つに切断されていた
そして私の目の前では両腕から大量の血飛沫をあげる司令がいた
「ああああああああああああ私の、私の、私の腕がああああああ」
「うるさい」
彼女は両手に装着した両刃の武器で基地司令の首と腰を同時に薙いだ
「ああ・・・あ、へぁ・・・」
司令の首から上、そして腰の部分で見事に切断され、ごとりと床に転がり落ちた
「ひっ・・・?!」
私は数歩後ろに引きずり後ずさる
「ああ、すまない。お前を殺すつもりはない。部下に任せたけど、なんか嫌な予感がしたからね」
そう言って、彼女はこちらに振り向く
「こうやって顔を合わせ・・・ぇ?」
「・・・ぇぇ?」
二人はお互いの顔を見つめ、硬直する
『えええええ?!』
お互いの声が合唱る
二人が驚愕するのも当然、二人の顔は年齢の差こそ感じるものの、双子の姉妹といっていいほと、そのパーツがそっくりだったのだ
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「そうか、名はファナンと言うか」
「・・・はい。敵とはいえ、助けて頂いてありがとうございます」
彼女が用意してくれたお湯で浴びた血などを洗い流し、ぶたれて腫れた右頬に治療シートを張り付け、今は彼女と軽く談笑していた
「あはは、このような感謝のされ方は今までにはなかったね!気に入ったよ!こちらこそ、とっ捕まえてここに放置した責任がある。貴女には辛い思いをさせてしまったね、こちらこそ申し訳ないさ」
「いえいえ、これ以上・・・奪われませんでしたから」
「ほぅ、連合軍の兵士は武勇だけでなく、自分の事も大事にしているようだね」
「はい・・・私にとってはかけがいのない、とても大切な人のために、です・・・」
軽くからかう気持ちでファナンに対して言ったが、当のファナンも先のショックでまだ混乱しており、言わなくてもいいところまで言ってしまっていた
「・・・ぁ。・・・はぅぅ・・・」
そして気が付いたファナンは真っ赤になり、今にも頭から蒸気が噴出しそうになっていた
「あはは、ほんとアンタ面白いよ。敵じゃなかったらうちの隊にスカウト、いや、友達になってたかもね」
「・・・友達、ですか?」
「ああ?おかしいかい?」
「いえ、ううん、とてもいいと思います!」
「いやいや、ほんとアンタ面白いわ。っと、さすがにこれ以上油を売っていたら仲間からドヤされちまうな。ほれ、アンタのサイズに合うか判らないけど、帝国軍の制服、それと着ていた連合軍の軍服だ」
「えっ?!なんで・・・?」
「さっきも言ったろ?なんか嫌な予感がしてね、ちょっと手を貸すだけさ。」
「ありがとう・・・あ、最後に名前を伺っても?」
「名前かい?まぁ、アンタには名乗ってもいいか。私の名は「ミレディ」さ」
「ミレディ・・・さん」
「まぁ、次に会う時は戦場だろうけどね。その時は正々堂々戦おうじゃないか!」
そしてミレディはフェイスガードのスイッチを押し、フルフェイスマスク状態になり
「ソウソウ、アンタノ武器ハココカラ出タ所ニアル。今ハマダ時デハナイ。チャンスハカナラズ訪レル。ソノ時ニ回収シテ逃ゲルトイイ」
「ミレディさん、何から何まで、本当にありがとうございます!」
「・・・イイヨ、気ニスルナ。ジャアナ!!」
ミレディはいつの間にか壁にできた開口部から出て行った
(ミレディさん、私とそっくりな、不思議な方でした・・・)
ファナンはミレディから渡された帝国軍の軍服に身を包み、できた開口部を進む
(何かが起こる、そのタイミングで脱出できれば・・・)
しばらく進むとファナンの武器などが保管されている部屋にたどり着き、そこで帝国兵とすれ違ったが
「見張りご苦労さん」
と全くばれている様子はなかった
(これは、なんとかなりそうですね・・・!)
そして、しばらく時間が経った頃、突如基地全体を大きな衝撃が襲った
「敵襲!敵襲!所属不明の大型戦艦による急襲!!各員は戦闘配置にっ!!」
「司令は?!司令はどこにいる?!」
「わかりません!先ほど地下牢に行ったっきりですが・・・!」
「確認だ!急ぎ確認しろ!!」
(これは、そろそろ頃合いですね!)
ファナンは武器を回収し、廊下を駆け抜け、そして基地の屋上へと飛び出す
そこでファナンが目にしたのは
基地上空に佇む純白の大型戦艦だった
いよいよ新鋭艦の登場ですね
ミレディさん、あれ、どこかで聞いたような・・・?




