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ウィーケスト・アーミー  作者: 神楽阪 舞
第2章 それぞれの「意思」と「遺志」
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#先の見えぬ戦い ~Sister like relationship[1]~

アエルとルルベル

2人の日常を少しだけ覗いてみよう、というお話

色恋沙汰に興味津々の2人、そして加わるもう1人、

3人が考えた事とはいったい? というお話

プロキアでの戦闘が終わり、本国での訓練が終わったある日のこと

この日は午前中での訓練が終わり、各隊の状況報告を残すのみ

いつもと変わらない日常

そんなある日の、何気ない会話がすべての始まりだった


「はぁ~・・・疲れたぁ」

緑髪をショートボブに整えた彼女の名はルルベル

自室に戻るとすぐに上着を脱ぎラフな格好で寛ぐ


「ルルベル、そんなだらしない恰好しないで。ファナンに報告書を上げないといけないんでしょ」

同じく、青髪を短くそろえ後ろに束ねた子はアエル。彼女はやれやれ、といった表情でルルベルを諫める


「自分の部屋なんだからいいじゃない。うぅ~、これだから小隊長はヤなんだよねぇ」

「まぁ、今はどこも人手不足、一応私たちは最初期メンバーなんだし、がんばらないと」

「アエルちゃんは真面目だなぁ~。はっ?!さてはザラート大隊長を狙ってるんじゃ?!」

「ちょっと!そんなことないって・・・大隊長にはファナンが居るんだし」

「ほんと大隊長も大隊長だよねー?あれだけの美人さんがそばにいるのにまだなーんにも手出してないって」

「そんなプライベートに立ち入っちゃダメ・・・ってそれは?!」

「あはは、アエルも好きだねぇ~。ザラートの事、うちの隊ではみーんな噂してるよ?『いつ大隊長が一歩踏み込んじゃうか』で賭けしてるくらい」

そういってケラケラと笑うルルベル

「ふぅん・・・あ、うちの隊にも進展しない!ってイライラしてる子が居た・・・」

「でしょー?!ほんと見ててちょっとイライラしてくる!」

ルルベルも周りも、そう思うのはある意味仕方がないかな、とアエルは思慮する

大隊長という責任ある身である以上、軽はずみな行動は控えなければならないし、いくらお互いが好きでも許される立場ではない

ある意味、叶わない恋、なのかなぁ・・・と


「まぁ、大隊長も立場があるから。とはいえ、私がファナンの立場だったらちょっと悲しいかなぁ」

「ねー!私だったらすぐにガバっていっちゃうけどなー!」

そう言ってルルベルは両手を挙げて私に覆いかぶさろうとしてくる

「ちょっとルルベル!そういうおふざけはいらないって!!」

「あはは、よいではないか~!」

「ちょっと~!」


戦時徴用で同じ歩兵学科(アカデミー)になり、2人とも同じ部隊に配属された2人は本当の姉妹のように仲がよかった

時に冗談を言い合い、時に背中を預ける良き友人として

アエルとルルベルは配属当初は戦地の厳しさを知らず動けなくなることもあったが、すぐにそれを克服

先の戦闘では、部隊長として各兵を率い、息の合った活躍をすることとなる

そんな2人は戦闘から離れたプライベートでも非常に仲が良かった


「さーて、冗談はこのくらいにして、大隊長とファナン、せっかく戦闘が落ち着いたんだし少しくらいハメを外してもいいと思うんだけどなー」

「さすがにそうはいかないよ。仮にも大隊長な訳だし。部隊の規律を守る模範じゃないといけないし」

「そこなんだよ!」

そう言ってビシッと指を突きつけるルルベル

「規律規律というけど、結局はそれぞれの部隊に示しがってことでしょ?」

「まぁその通りだね」

「こんな『2人はいつやるの?』的な噂話がそこらじゅうに出ている時点で規律なんてどうでもいいじゃん!」

「言いたいことは判るけど、一応私たちも部隊長だから・・・そこは抑えないと」

「何言ってるの!部下の不満を解消するのも上官の仕事!そうこれは仕事なんだよ!!」

「うわぁ・・・」


コンコン


「あれ?誰か来たみたいですね」

「っと、誰だろ?はーい?」

ドアをノックし、部屋に珍しい来客が現れる


「何やら面白いお話をされてるようで」


「ああ、エイミーじゃん、やっほ~」

「こんにちはエイミーさん。どうしたんですか?部屋に来られるのは珍しいですね」

「こんにちは。通りがかったところお2人の楽しそうな声が聞こえたもので。ご迷惑だったでしょうか」

「ううん、へーきへーき。エイミーもどうぞ~」

「ではお言葉に甘えて、失礼します」

「そだ、エイミー!ザラートとファナンの件なんだけど!」

「ちょっと、ルルベル!いきなりエイミーさんに話を振っても」

「いえ、私も興味があります。ぜひお伺いしたいと思います」

「さすがエイミー!話がわっかるー!でね、あの進展のない2人なんだけど・・・(ゴニョゴニョ)」

「(コソコソ)・・・なるほど。ルルベルさんの仰ることもごもっとも。判りました。私も協力します」

「さっすが!エイミーは判ってる~!」

ルルベルとエイミーはがっちりと握手を交わす

(ど、どうしましょうこれ・・・)

そんな2人をアエルは複雑な気持ちで眺めていた


・・・年齢的に恋愛沙汰には敏感な2人と、

この状況を好ましく思っていなかった1人、


この騒動が起こるのはある意味必然だったのかもしれない

ザラート「な、何か寒気が・・・?!」

ファナン「な、何か嫌な予感が・・・?!」


アエル「何があっても知らないっと」

さぁ何が起こるんでしょうかね~(すっとぼけ

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