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ウィーケスト・アーミー  作者: 神楽阪 舞
第2章 それぞれの「意思」と「遺志」
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忍び寄る悪意 ~舞い降りた漆黒の剣~

帝国軍、最後の意地

戦闘終了から幾日か過ぎ、本国からの補給が届いた

本隊による攻略作戦は順調に推移し、いよいよ敵司令部がおかれる最大の都市・首都ニューヴァーリーを残すのみとなった。

残された帝国軍の戦力はあとわずかであり、連合司令は最終局面に向け、残存すべての兵力の投入を決断

我々13部隊もニューヴァーリーにほど近い、デッカという街に他の部隊と合流し待機していた

本作戦への参加に伴い、新たに歩兵2小隊の追加が行われ、僅かではあるが部隊の戦力強化が行われた

重傷を負っていた兵も半数以上が復帰し、戦力はかなり回復していた


「新たに配属の2小隊受領しました」

「引き渡しを確認、健闘を祈る。・・・しかし、13部隊はいいな、こんな部隊を指揮してみたいものだ」

「ははは、女性ばかりの部隊だ、気を遣わなければならないからそう楽なものではないぞ?」

「傍から見れば楽園だが、現場には現場の苦労があるんだな。本国で会うことがあれば酒でも飲みかわそう」

そう言って、お互い敬礼で応答する


「ファナン、新たに配属された兵達の割り当てを頼む」

「了解しました」

「アエル、ルルベルは新兵への教育を、エイミーはそれぞれの分担の補佐を」

「了解、ルルベル行くよ!」

「ラジャ!」

「畏まりました」

俺はそれぞれに指示を出し、一息つく

できることはやった、あとは最後の決戦に向かうまで・・・!


-----------

翌未明、連合軍は総力を挙げて首都ニューヴァーリーへと突入を開始

ここに惑星プロキアの主導権をめぐる最後の戦いが始まろうとしていた


首都ニューヴァーリーへは南側より3方から侵攻

中央集団(第1~4部隊)は中央敵陣を突破、敵司令部を目指す

東部集団(第5~8部隊)は南東突出部より敵左翼を大きく迂回し、北東から中央集団に呼応し半包囲に

西部集団(第9~13部隊)は南西部の密林地帯より敵中央陣地を脅かしつつ敵の動きを牽制


最終的には敵司令部を大きく囲い込み、一切の逃亡を逃さない包囲陣を完成、これを殲滅する

『中央集団、前進っ!』

『東部集団、後れを取るなッ!』

『西部集団、これより前進を開始するっ!!』


時刻0545、最後の作戦『オーバーロード』は今開始されたのである


-----------

【第13部隊装甲指揮車内】

「西部集団、前進を開始。各部隊、前方12部隊との距離を維持し、進軍を開始せよ」

『了解』

ファナンがアエル達に指示をだす。それに従い各部隊は前進を開始する

我々の所属する西部集団は第9部隊を先頭に、その両翼を10、11の各部隊が

後方を12部隊、そして殿に13部隊が展開、という陣形を取っていた

総指揮官は第9部隊の若き将校、マウントバット大佐

目の前の事に執着してしまう節があるようだが、戦闘でのセンスには秀でるものがある


「昨日までの悪天候が嘘のように晴れましたね、道路事情はよくなさそうですが、これなら進軍に影響なさそうです」

「そうだな」

まもなく雨季の中休みにあたるこの時期を狙い我々は行軍を開始

残すは首都およびその後方の基地のみとなった帝国軍の抵抗は、最初は激しいものだったが、徐々にその抵抗は弱くなり、中央集団および東部集団は半包囲に向け、理想的な位置取りとなっている

西部集団も密林地帯を強行突破、敵右翼陣地を何なく突破し、全軍予定通りの配置になろうとしていた


しかし、


「!? 中央集団より緊急入電!形種不明の航空・・・いえ、”戦艦”が出現っ!戦闘に入ったとの連絡!!」

「な?!”戦艦”だと・・・?!」

ファナンの通信が終わるや否や俺は指揮車のハッチを開き上空を確認する

そこには大きく翼を広げたような、いや、これは・・・

「・・・”剣”だな、まるで」

たとえるなら「剣」

漆黒の機体は、両刃のように先端が鋭く尖り、そこから伸びる長い胴体、その終端部には両に広がる大きな翼

しかし、地上戦での脅威は大きくないはず・・・

そう、従来の宇宙戦艦であれば大気圏内での戦闘能力は低いのが定説であった

地上からの火力に対しての防御も、推進部(スラスター)などを狙撃されてはたちまち墜落の怖れがある

戦闘を回避し逃走するだろうと思われた、が


一瞬、戦艦の”刃”の部分が光ったように見えた

その瞬間、中央集団の中心に大きな爆発が起こる!

一拍遅れ

『ドグォォォォッ!!!』

「なぁっ?!」

「こ、これは・・・?!」

とてつもない衝撃波、そして爆音が周囲を襲う!


「各部隊、被害報告ッ!」

「アエル隊、衝撃波による被害は軽微、負傷者はありません!」

「ルルベル、こちらも大丈夫!でも、あれは一体何?!」

「あーこちらエマ。敵さんの船、ありゃぁ最新型だねぇ。一致するデータは現在のところなしだねぇ」

「各部隊了解。アエルとルルベルは即応できるよう待機、エマはそのまま相手のデータを収集。頼むぞ」

アエル達から了解の応答が入る

「どうします。本隊の状況が気になるところですが、このまま待機でしょうか」

「どうだろうな、この状況でうちの総指揮官殿が面倒な動きをしなければいいが・・・」

しかしこの俺の思いは悪い方へと的中する


中央集団に被弾するのを確認したマウントバット大佐は援護のために全軍の突撃を指示

もちうる対空火力をその上空に佇む”剣”に向かい放つ

補給の行き届いた連合軍に配備された対空火力は戦艦の1隻2隻を迎撃するには十分である


・・・しかし


「(・・・効いていない?!)」

そう、敵戦艦に幾度となく攻撃は命中しているが、そのすべてが効果的なダメージを与えることができていなかった

弱点であろう推進部(スラスター)に直撃しても「何も」起こらない

「(なんだんだ、これは・・・!?)」


『怯・・・な!火力・・・して、狙い撃てッ』

『敵艦、何かを発射した模様・・・!こ、こちらに・・・?!』

『迎撃だっ!対空システム起動、叩き落と・・・』

立て続けに通信機に入る友軍の怒号

次々と中央部隊、そして進出した第9、10部隊にミサイルのような何かが着弾、そして起こる大規模な爆発

遅れて届く衝撃波と耳を切り裂く爆音


作戦開始から半日が過ぎた今


連合軍の戦力は半減していたのだった

これ絶対挿絵で地図とかあったほうがいいですよね・・・? 書いてて感じました_| ̄|○

もしかしたら(他も含めて色々と)追加するかもしれません!

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