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ウィーケスト・アーミー  作者: 神楽阪 舞
第2章 それぞれの「意思」と「遺志」
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忍び寄る悪意 ~戦いへの序曲(Ouverture)~

まとまった時間が取れましたので連続投稿!

帝国軍師団長、ファーシルから伝えられた情報から、ザラートとファナンは急ぎ拠点に戻る

先の話が本当なら、防衛部隊に被害が及ぶ・・・

撤収することも可能ではあるが・・・


-----------

【第13軍設営陣地・ブリーディングルーム】


「・・・以上が敵師団長からもたらされた情報だ」

敵師団長、ファーシルからの情報をアエル達に伝える

「急ぎ撤退したほうが良いと意見具申します!」

「同じく、無駄な戦いをするより引いたほうがいいよ」

アエルとルルベルは撤退意見を述べる

「んー、私は反対だねぇ。敵を惹きつけて殲滅できるのであれば、やるに越したことはないねぇ」

「私も同意見です。敵の、それも師団長であれば相当の戦力を削ぐことができます」

エマとエイミーは戦闘継続を唱える

「ザラート、副長としてですが・・・ここで迎え撃つほうが良いと思う」

ファナンも戦闘継続を唱える

「相手は帝国軍の機械化師団長。それなのに、あえて歩兵部隊で正面から戦おうとしている・・・

それが勇ましいのか、ただの愚行なのかは私には判らない。けれど、こちらと同じ条件で挑もうとしているのだったら、それはこちらに有利なんじゃないかな、と」


・・・そう、ファーシルは得意とする戦車による機動戦術ではなく、あくまで歩兵による制圧戦を示唆していた

それだけ指揮に自信があるのか、はたまた悲観して自棄になっているのか・・・

俺たちの杞憂を表しているのか、天候は大きく崩れ記録的な豪雨となっていた


雨が建物を打ち付ける音が響く中、部隊会議は夜遅くまで続いた


・・・最終的に、我々は「防衛」を選択

合わせて連合軍司令部に状況を報告、防衛にあたり戦力が送り込まれることとなった

しかし、折からの悪天候で部隊の進行に遅延が生じ、結果的に増援部隊は到着することなく

戦闘は開始されたのであった


-----------

翌朝、激しい雨が視界を悪くし、密林特有の霧が辺りに立ち込める


歩哨にあたる兵、そして同調して周囲を警戒するワーウルフ達


そして、こちらに向け歩みを進める敵集団を発見した


「・・・敵総数は1中隊、進攻スピードから重装歩兵と思われます」

重装歩兵

・・・こちらに配属されている兵は所謂「歩兵」だが、重装の名の通り、ある程度の銃撃に耐えうるアーマーを装着し、携帯武器は重機関銃を主としている

重装備ゆえ、単独での戦闘・インファイトに不向きではあるが、面制圧における火力は絶大である


「重装歩兵の一斉突撃・・・厄介です、が・・・これじゃあまるで」

「倒してくれ、と言っているようなものですね」

アエルとエイミーが続く

そう、重装歩兵は支援火力を伴って真の力を発揮する

単独での力押しは自殺行為に等しいのだ

「ザラート、まもなく前衛陣地の射程圏内に入ります」

「・・・このまま迎撃を開始。前衛部隊に発砲許可、ただし無理はするな。危ないと思ったら後方へ下がるよう指示」

「了解」

それぞれの部隊への指示、そして敵部隊の接近に対応するためアエル達も持ち場に付く


-----------

《SIDE:ルーンファウス軍プロキア駐屯軍 重装歩兵隊》


「敵拠点ヲ目視ニテ確認、コレヨリ制圧ニムケ行動ヲ開始」

了解(ラジャ)、周囲警戒ヲ厳トシ突入セヨ」

各所に装着された装甲の下からくぐもった声が発せられる

「しかし、よろしかったので・・・」

副官が指揮官・・・ファーシルへ質問を投げかける

「構わない。ダリアシティを落とされた時点で戦局は明白。せめて一矢報いるのみだ」

そう言ってファーシルは天を仰ぐ

(一矢、か・・・それは連合軍ではなく、我々帝国軍へのものとなるだろうが、な)




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