宇宙から降り立つもの ~ファーストコンタクト~
ソレは遺された者たちに希望と言わしめたモノ
ソレがこの地に墜ちることになったのは必然なのか、はたまた偶然なのか・・・
時は少し遡り、ソレが落ちる少し前の事
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『第2大隊壊滅ッ!戦線全体の維持が困難・・・』
『こちら第3大隊、敵攻勢が強く支援を乞う・・・ッ』
『基地防衛隊、これ以上の交戦は厳し・・・し、指示を・・・』
各方面からの通信が入り乱れ、否応無に戦況が不利であることを伝えてくる
それはこちらとて同じこと、先ほど隣にいる味方が息を引き取った
残された友軍もあとわずか、これはここで終わるな・・・
俺の名前はザラート ザラート・マクラウド
惑星国家連合軍の一兵卒としてこの部隊に配属となって数年が経過、一小隊の長として戦地に赴いた
戦況説明では勝ち戦だと時折笑いも交える、簡単な作戦だと信じて疑っていなかった
しかし、実際の戦況は絶望的なものだった
圧倒的な敵軍の物量、新兵器と思われる攻撃、そして今まで遭遇したことのない「人型兵器」
戦況は日に日に悪化、補給も途絶え、この最終防衛線で絶望的な戦いを続けてきたが、もはやこれまでか
そう思い、これが最後の攻撃になるだろう、自動小銃にマガジンを装填しふと空を見上げた時だった
(な、なんだあれは・・・?)
この瞬間、敵も味方も上空に走る一筋の「光の一筋」に皆が釘付けとなる
それは今まで見たこともない、まばゆい光を放つ光の筋
それが今、耳を、大地を、空気をも切り裂かんとする轟音を立ててこちらに「降って」来ているのである
『そ、総員退避ッ!』
「退避、退避ッ!」
まさに蜘蛛の子を散らすとはこのこと、敵も味方もこの時ばかりは例外であった
あるものはソレから撒き散らされる破壊の暴力に巻き込まれ
あるものはソレの圧倒的な質量に押しつぶされ
あるものは地表に触れたときの衝撃と風圧で吹き飛ばされ
すべてが終わったときに地表に活動しているものは何も残っていなかったのである
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俺の視界が光の筋、そしてすべてが光に覆われた
その時
光の中に一人の女性の姿を見た・・・
(こ、これは・・・?)
「やっと・・・ここに・・・安住の地・・・」
(女性・・・の姿・・・一体、これは・・・?)
そしてそのまま意識は闇の中へと吸い込まれていった
唐突に話が進んじゃってますが、ちゃんと後で説明しますので、しばらくお付き合いくださいませ・・・!