#部隊長レポート 【第13部隊創立】
プロキアへと向かう前
第13部隊が新たに編成されたため、俺もこのように部隊長としてレポートをまとめる事となった
独立部隊長へ提出することとなる重要な書類
抜けの無いよう、しっかりと作成、確認、そして管理をしなければ・・・
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第13部隊 組織図
・部隊長:ザラート=マクラウド
経歴:惑星ザディアス歩兵連隊
→本国第一歩兵連隊長
→独立歩兵師団 第13部隊歩兵師団 第13部隊 部隊長
・部隊副長:ファナン
経歴:第13部隊歩兵師団 第13部隊 部隊副長
・・・そういえば、ファナンとしか名を聞いていなかった
今度、改めて確認しておかないといけないか
しかし、彼女と面影が似ていた・・・本人かと思ったがそれは本人、そして同伴するエイミーの話から否定された
素性は不明とはいえ、戦闘をそれなりにこなし
何より見慣れないあの大型キャノンを軽々と扱う姿に驚かされた
それを際立たせているのが、彼女のスタイル
やや丸みを帯びた輪郭、そこに映える二重の瞳
男性だけでなく女性も見惚れてしまう豊かな胸・・・
どうしてもそこに目が行ってしまうのは男の悲しい性だろう、か
本人は
「こんなの大きいだけで、良い事ないです・・・他の人の目も気になるし、可愛い服も少ないし、なにより肩も凝っちゃうし」
その発言を聞いてルルベルが「ぐぬぬぬ・・・」と唸り声をあげていたな
そんなルルベルやアエルも記載しなければ、だな
・小隊長:アエル=ウィナー
経歴:第13部隊歩兵師団 第一小隊長
・小隊長:ルルベル
経歴:第13部隊歩兵師団 第二小隊長
アエルもルルベルもエルメディアにて補充された女性兵
アエルは部隊内でも珍しい、青髪、それをショートボブに揃えている
小隊長となってからは、冷静に物事に対応できるようになり、良き小隊長としてやっている
ファナンに比べ・・・といっても比較対象が大きすぎるだけであって、アエルも人並み以上に整った体形をしている
当の本人は全くそのあたりを気にしていないが
ルルベルは銀色の髪を纏い、その髪はアエルより短いショートにカットしている
年齢は部隊内でも最年少、その顔立ちもあってか部隊内では皆に愛されるキャラになっている
その顔の中でも、一番の特徴は左右の瞳の色・・・所謂「オッドアイ」
青と赤の瞳は不思議と人を引き付けている
何気に部隊内では一番人当りの良い上官で通っている
・・・まぁ、一番"庇護欲"に駆られる、ともいうべきであるが
そんなルルベルだが、目下ファナンにライバル心を燃やしている
後から、と言っても微々たる差ではあるが、先を越されたと感じているのだろうか?
・・・まぁ、先を越されたと感じる部分はまた別にあるのは明らか
先の
「隊長!何言ってるの!!レディたるもの、今から整わないとダメなんだよ!!」
いや、そう言われてもな・・・
まぁ、彼女も彼女なりに"努力"はしているようだ
ファナンに「何を食べたらそうなる・・・ぐぬぬ」だの「どんな生活してたらそんなに・・・ぐぬぬ」と聞き続けているのは部隊内でも話題になっていた
所謂学徒兵、訓練も最低限のまま前線配置となった
始めこそ戦闘で硬直するなど、未熟な所ばかりだったが、今ではなんとか部下を率いて戦闘できる程になった
ルルベルはさておき、アエルは戦闘に慣れてきてその真価を発揮しているように感じる
本人のセンスだろうか・・・
出来すぎる感もあるが、この戦況下、戦える人材が増えるのは大いに結構である
そして、第13部隊には他の隊と違う編成が行われている
敵が設営した障害を取り除く事に特化した工兵隊、後方支援に特化した補給隊の機能を統合した
『総合支援部隊』
これが当部隊に新たに設定された
この部隊には2名、エマとエイミーを担当に充てた
エマ=カールトン
エマは先のエルメディアで俺の命を救った女医であり、そして墜ちて来た戦艦の調査に派遣された研究員でもあった
正直あまり手入れされていないのか、ウェイブかかったと言えば聞こえがいいが、ボサボサの淡い茶色のロングヘア、そして目の下にやや広がる隈
裾部分がややほつれ気味な白衣を身に纏ってる、が、その白衣の下はファナンに勝るとも劣らないボディの持ち主
「こんな私でも、これだけは自慢かねぇ」
とは本人談
ファナンと同じく、仕事中は邪魔だと言い、そしてルルベルから妬まれていた
エイミー
彼女はファナンと共に保護した女性
紫色のロングヘア、そして整った顔立ち、プロポーション
・・・ある意味計算された、言い換えれば「創られた」のではないかと見間違うほど整った、そしてどこか不思議な感じがする
なにより、俺の前に突然現れた「幻」
ファナンたちを助けるきっかけとなった、あの幻の女性と姿が似ていた
ただの偶然・・・ではない、そう俺は考えている
しかし、それを証明する方法はない
それに
(今は仲間・・・仲間を信じずして、作戦が成功するわけがない)
直感に信じて部隊を指揮するのは、隊長として良くはない
が、彼女達は信じるに足りる、不思議と安心する、そのような気がしている
そんなことに思いを馳せつつ、部隊長へと提出するレポートを纏めた
そして、俺達はプロキアへと出撃したのだった




