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ウィーケスト・アーミー  作者: 神楽阪 舞
第1章 「はじまり」の出会い
15/140

#次なる戦いに向け ~罪深き懺悔~

間話 シリアス展開って難しいねー(´・ω・)


「あいつと面影が瓜二つじゃないか・・・」


そう言ってオリバーは視線を机の上のタブレットに落とす

そう、ファナンと最初に出会ったときから思っていた、忘れることもできない、あのことを・・・


-----------

【???・強制収容所】

「ここから先は俺たちが退路を切り開く!お前たちは先に脱出しろ!!」

だらりと右腕を垂らし、その先からは赤い液体が止まることなく流れ落ちている

「しかし、俺たちだって・・・」

「いいから行け!無駄死にしたいのか?!」

強制収容所に収監されている要人開放という作戦に従事したあの時、俺はまだ新兵だった

周りの友軍が次々と倒れていくなか、残り僅かとなった俺たち突入部隊に確実に死の気配が迫っていた


要人が敵のスパイだったと判ったときには俺たちは完全に包囲され、辛うじて抜け出した友軍はもう両手の指で数えるほどにまで減っていた

その生き残りの中に俺と、彼女は居た

名前はミレディ ミレディ=ラインス

俺と同じ年齢の、茶髪を後ろに束ねた、愛嬌のある顔立ちだった

「いいから!行け・・・ぐあぁ!」

俺たちの前に居た隊員が撃ちぬかれる、もう俺たち2人以外にまともに動ける友軍は居なかった

「ザラート!行こうっ!ここはもう持たない、すぐに脱出しましょう!」

「脱出といっても!もう回りは囲まれて・・・!!?」

俺の視界に赤外線スコープを装着した敵兵が現れる、不気味な赤い光を発しながら、こちらに銃を構え、乱射してくる

「くっそ・・・!」

俺たちの足元に、壁に銃弾が、破壊の暴力を撒き散らす

「あっくっ・・・!」

ミレディの左肩に跳弾が被弾する。苦痛に顔を歪ませながら、敵に対し射撃を継続する

「ザラート・・・!貴方だけでも・・・逃げて!」

「しかし・・・!!」

「いいから、ここは私が・・・!」

負傷した彼女はすでに事切れた仲間の手から一つのスイッチを取る

突入の際「もしものとき」に備えセットした爆薬の起爆スイッチだ

「?!それは・・・!!」

「いいから・・・!私はもうこれ以上は・・・いいから行って!!」

「しかし、でも・・・!」

「いいから・・・生きて、お願い・・・私の、()()に伝えて!「ごめんね」って」

「何を言ってるんだ!!一緒に、一緒にここから脱出し・・・っ!?」

ミレディは俺に拳銃を向ける・・・

「いいから・・・ここは私が・・・ね」

「・・・」

俺は、俺は・・・


「ザラート・・・貴方は生き残って、このことを味方に。貴方は・・・生きて!」

・・

・・・

「(ザラート、貴方は生きて・・・生き残って・・・!)くぁっ・・・貴方達に私たちは負けない、貴方達を・・・倒す!」

さらに数発、ミレディは銃弾を受け、薄れゆく意識のなか、起爆スイッチを入れる

瞬間、

ミレディは敵兵を巻き込み、通路は大きな爆発に巻き込まれた


俺は負傷しながらも唯一生還した

作戦立案者もスパイと繋がっていることが判明し、関係者の処分が行われた


これにより、情報漏洩があったことが判明し、以降、各戦局が劣勢から徐々に回復していくこととなった


-----------

「オリバー・・・」

「あの場に居たお前の気持ちを解っていなかったな、すまない」

「いや、こちらこそミレディを・・・お前の()を守れなくて済まなかった・・・」

オリバー そう、オリバー=ラインスの妹こそ、ミレディその人

・・・ファナンと瓜二つだったのだ


強制収容所跡にさらなる攻撃を行い、占拠した後、せめてもの弔いと遺品回収を行ったが

ミレディに関しての遺品は一切見つからなかった

恐らく通路の爆発と共に、跡形なく吹き飛んでしまったのだろう


あの場所は最後まで守らんとする気持ちの表れか、何も残さず、すべて吹き飛んでいたのだから


ちょっとずつ伏線も回収しておきます

ミレディさんはお亡くなりになってるんです、たぶん(フラグ)

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