5話 冒険者講義②
5話 冒険者講義②
そして、間もなくして全員揃ったようでそれと同時に講師だろう人が入ってきた。
というか、あの人今朝の人か?
「おう、ガキども今回の講習会の担当をするグレイクだ。知っているやつも居るだろうが一応自己紹介をすると、現役のソロ白金級冒険者だ。
まぁ、それなりに腕がある冒険者くらいに思っていてくれていいからな!」
へぇ、あの人白金級だったのか。
そのあと、座学を行いギルドの規則などをきっちりと学んだ。
基本は冊子に書いてある通りでいいが白金以上となると貴族からの依頼で直接会うことも増えるそうで敬語などは必須なのだとか。
まぁ、冒険者としてやっている間言葉の基本はため口らしいが品行方正が必要だとわかった。
そのあと、明日から泊まりこみでの実地訓練があるそうだ。
そこでパーティーを組んでいる者はそのまま、ソロの者はソロ通しで適当に組まれた。
「よし、それじゃぁ残りの時間を使って自己紹介や明日の準備を進めておくように。早朝東門に集合とするので遅れるなよ!また、馬車は使わないからな!それでは解散!」
さて、オレは近くにいる明日の臨時パーティーのメンバーに目をやった。
こうしていても始まらないしやるか。
「とりあえず自己紹介しよう!」
「うん、早くやる」
「さて、先ずはオレからだな。オレはフェイだ。色はないが一応青、赤、黄の初級魔法とそれぞれの中級の剣術、盾術が使える。」
「色なしなんているんだな。まぁ、いい。オレはゲイル灰色で、身体強化魔法の中級までと格闘術が得意だ。」
ゲイルはしなやかそうな筋肉の鎧を体に纏った身長175センチほどの少年で灰色の髪を短く切り揃えた悪ガキっぽい雰囲気のやつだ。
灰色だから身体強化や付与魔法などつかえるのかな?
「私は、アイシャよ。無色なんて初めて聞いたわ!色は紫で紫魔法に特化しているわ。」
アイシャは桃色の髪で腰まであるロングヘアでホンワカした見た目とは裏腹に活発そうな話し方だ。
魔法は紫魔法に特化ということは毒やデバフがとくいなのかな?
「クイナ。黒色。魔法特化。」
「おいおい、ほかになにかないのか?」
「必要?」
「たく」
んー、隣に座っていた少女だが改めて見ると黒の大きめのローブのフードを深めに被り顔がよく見えないが・・・
何に絶望しているんだ?
いまは、それより明日の予定を決めたりしないといけないから考えるのはよしておこう。
「ねぇ、ねぇ。それでこれからどうするの?」
「そんなの必要なもの買いにいくしかないだろ。」
「それもそうだな。まぁ、基本はオレたちソロみたいだから共有のテントとかは買えないから毛布とかマント、それにそれぞれが保存食少しと水を入れる水筒くらいか?」
「だな。」
「はやくいこいこ!」
「あと、深めの皿とフォークスプーンとコップくらいはあった方がいい。」
「それなら鍋もあるといいわね!」
そのあとオレたちはそれぞれが必要なものを買いそろえて解散した。
さて、まだ時間があるし少しぶらぶらするかな?
そう思い、今いる商店が多くならぶ区画から少し路地に入り進んでみると周りからカンカンカンと金属を叩く音かする所へと出た。
そこでキョロキョロしているとこの周辺の人と思われる男性からここは工房区と呼ばれる職人街であるとわかった。
ついでとばかりに明日のために武器の手入れをしてもらうことにした。
そこで目に留まった一つの工房へと足を向けた。
「いらっしゃいませ!」
出迎えてくれたのは12才くらいの少女だった。
「武器の手入れをして欲しいんだがいいか?」
「ちょっとまってください。おやっサーン、おやっさーん。」
そう、よぶと奥からのしのしと歩いてくるのは身長150センチ程の立派な髭をはやした、樽だった。
「ン?なんじゃ?あぁ、ドワーフは初めてか!」
「は、はい!」
「おやっさん、武器の手入れをお願いしたいって。」
「ふむ、見せてみろ」
そういわれて今持っている実家での訓練の時から使っている剣と盾を渡した。
暫く見てからドワーフのおっちゃんは
「ふむ、普段から手入れをしっかりしているようだが最近普段と違う使い方をしただろ?」
「え?」
「なにかないのか?」
「色判定のあとからは3色の魔法を使って剣術や盾術を使ったくらいですかね?」
「ふむ、それでか。」
「なにか有りました?」
「もう、寿命というかガラクタになっておる。」
「え!そ、そんな。」
「まぁ、まて。通常色判定のあと専用の武器を使わなければすぐにガラクタになるのは道理だ。訓練用の剣や盾は色を込める用にはできていないからな。」
「そうなんですか・・・」
「だから、それように買っていくことをオススメするぞ。」
「わかりました。それでは武器を買いますのオススメをお願いします。」
「先ずは予算と使う色を教えろ。」
オレはドワーフのおじさんに戦闘スタイルなどを教えたのだが・・・
「ふむ、なかなかに厳しいな。オーダーメイドなら出来なくはないがとりあえず紫用の剣と緑用の盾を使え。むちゃくちゃしなければなんとかなるはずだ。」
「わかりました。代金はこれで。」
「これなら、この片手剣とこの盾だな。」
「とりあえずこれで、お金が貯まればまた来ます。」
「あぁ、無茶するなよ。」
「はい!あ、そういえばお名前は?オレはフェイです。」
「わしはガンツだ。」
「私は妻のミナよ!」
「えええええーーーーー!!」