1話 領都スカイブルー
本日2話目です。
1話 領都スカイブルー
ふう、やっとついたー。
領都に入るにはあの列にならべばいいのか。
見つけたのは門の前に並ぶ行列だ。
とりあえず並ぶか。
暫く並んでいるとあっという間に自分の順番となった。
意外とはやかったなぁ。
「次!」
「お願いします!」
「成人なりたてかな?領都には何しに?」
「冒険者になろうかと」
「ふむ、この水晶に手を乗せて。」
「はい。」
出された水晶に手をのせると青く光った。
「犯罪履歴はないようだから入っていいが身分証がなければ銀貨1枚だ。冒険者登録したのちに来たら返却するからな。」
「はい。」
オレは銀貨を渡して領都に入った。
目の前に広がるのは活気のあるメインストリートだ。
だいたいの領都においてメインの道をまっすぐ進むと領主の館へと続いている。
その為メインストリートには宿や公共の施設を中心に大手商会などが店を開いている。そしてそこから少し脇道にはいると住宅街や工房などのある区画へとはいることになる。
さて、オレはまず初めに冒険者ギルドへとあしを向けた。
この領都の名前はスカイブルーといって、ブルーナイト家と近しい色の家系の一族が統治している。
まぁ、元をたどれば家の分家なのだろうけど・・・
そんなことを考えていると剣がクロスしている絵の書かれた看板が目に入ってきた。
その建物の外観は行政施設に見えなくもないが大きく違う点がある。
それは飲み屋を併設しているため普通の扉と違い酔っぱらいに壊されても直ぐに直せるように申し訳程度にだけついた簡素な扉だ。
その扉を抜け中へと入ると見渡す限りただの居酒屋で申し訳程度に入り口右すみに受付は、こちらという立て札がありその先には階段があったので登ることにした。
2階まで上がるとそこはお役所を彷彿させる出来る文官が仕事をするオフィスと待合所がある光景だった。
その中の一つにギルド登録窓口と書かれた受付を見つけたのでそこへと向かった。
「こんにちは」
「はい、こんにちは。本日は登録ですか?」
そう返事を返してくれたのはいかにも出来る人といった感じの男性職員だった。
他の受付は女性(美人)なのになんでここだけ男性なんだろうか。
「はい。先日成人したので冒険者になりたくて来ました。」
「そうですかそれではこちらに必要事項の記入をお願いします。字がかけないのであれば代筆いたしますがどうしますか?」
「字はかけるので大丈夫ですよ。」
「わかりました。」
そうしてうけとったペンと記入用紙に必要事項を書いて解らないときは質問しながら埋め終わると職員に渡した。
職員は受けとると目を通すがあるところで目が止まった。
「失礼ですがここの部分は本当ですか?」
「はい、本当です。」
「悪いことは言いません。冒険者にはならないほうがいい」
「大丈夫です。これでもギフト持ちなので」
と、周りに聞こえない程度の小声で話した。
職員には守秘義務があるが上司への報告義務もあるためむしろ知ってもらっておいた方が動きやすいと思い話してみた。
普通ギフトは秘密にするものだからな。
まぁ、内容を言わなければ大丈夫なのでギフトの有無くらいは皆話しているそうだが。
「ギフトですか。それは戦闘に使えますか?」
「はい。それはもう大活躍ですね。」
「わかりました。フェイさんの加盟を認めます。」
「ありがとうございます。」
「それではまずこの冊子を後で読んでおいください。文字が書けなければ読み聞かせるのですがフェイさんはかけるので自分で確認してくださいね。質問があれば後日受付ますので。」
「わかりました。」
「それと今日このあと一応の戦闘試験を受けて頂きます。その後初心者講習が明日行われるのでそれの準備の時間となりますのでお帰りください。」
「わかりました。」
「それでは訓練場へと行きましょうか。ニナさん新人くんを第3訓練場へ連れていってください。」
「はーい!」
返事の聞こえた方を見ると同い年くらいの美人というよりは可愛い感じのグレーの髪をした獣人族の女の子がやって来た。
「初めまして、私はニナ頭の耳を見ての通り猫系統の獣人族よ。あなたを今から試験会場まで案内するからよろしくね!」
「あぁ、オレはフェイだ見たところ同い年くらいだと思うから何かあればよろしくな。」
「ええ、よろしくね!」
オレはニナの後をついて歩くと地下へと案内された。
案内された先には訓練場と言うだけあって簡単に見ただけでも魔法によって補強のされた空間が目の前にひろがっている。
そんな空間を見ながら3部屋目に来ると30代くらい一人の男性が剣を担いで待っていた。
「おう!さっさと始めようぜ」
「もう!ダグラスさんたらすぐ説明飛ばすんだから!」
「わりぃわりぃ。よう坊主オレはBランク冒険者のダグラスだ。見ての通り剣士だ。」
そう紹介してくれたのは30代くらいで髪は焦げ茶色の短髪で動きが阻害されないような引き締まり、しなやかそうな筋肉質な体格で身長はオレがいま170ほどだからそれより頭半分大きいから180ほどか・・・
「ふむ、体つきを確認して戦闘スタイルを予測するか・・・。なかなか」
なにを言ったのかわからなかったがなにか悪いことでもしたかな?
「それでは説明しますね。」
「あぁ。」
「こちらにいるダグラスさんと試合をしてもらい戦闘能力を判定してもらいます。武器はダグラスさんもですがあちらにある木刀を使ってくださいね。ルールは一撃を入れた方の勝ちで行きますので頑張ってくださいね!」
「坊主選んでこい」
「ダグラスさんは?」
「オレはもう持ってるからな。」
そういうと、いつの間にか木刀を持っていた。
オレはあわてて選びにいっていい感じの木刀を見つけたので持って行った。
あとついでに手頃な盾も持つことにした。
「お待たせしました。」
□□□□
~ダグラス視点~
今日俺は1階の酒場で飲みにきていた突然初心者の試験官を頼まれた。
そして、訓練場で待っていると新人受付嬢の猫獣人のニナだったか?の後ろから身長170程の成人成りたてであろう人族の青色がかった銀髪の少年が歩いてきた。
顔はイラつくくらいイケメンであるがまぁ、とりあえずボコろうと決意し試験に取りかかることにした。
そして、戦ってわかったが初級の型をかなりの精度で覚えておりなかなか強いと感心した。
暫く打ち合うと実力もわかったのでここで決めようと思ったとき、坊主は青剣術の中級戦技を放ってきたのだが、続けざまに赤剣術に緑盾術の技も放ってきた。しかも技と技の繋ぎが上手く瞬時にやっているようだが、まだまだだな。
そのあと俺は坊主の頭にコツンと当ててやってしまいにした。
だが、この坊主かなりの使い手になるぞと久々に胸が踊る思いで評価を用紙に記入し酒場へと向かった。
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